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メールアドレスから人物を推定して営業を支援するClearbit

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この人は重要だろうか? メールアドレスだけからそれを判断するのは難しいが、大量の見込み客の中から選別しなければならない営業にとって、それは毎日の重要な問題だ。時間をかけて自分でいろいろ調べたり、あるいは、いかがわしいデータ業者に情報提供を頼んだりすることが多い。

Clearbitは、メールアドレスや企業のドメインネームの背後にいる人物を、違法性のないきれいな方法で、しかも、とってもシンプルに調べる。SV AngelやFirst Round Capitalなど高名なVCから調達した200万ドルのシード資金が、先月ローンチしたばかりの同社に弾みをつけている。Clearbitの協同ファウンダでCEOのAlex MacCawは、“とても小さなデータから外挿して事実を推定することが、うちの仕事”、と述べている

Person Lookup

Clearbitはメールアドレスからその人物を推定する

 
企業は何のためにClearbitを必要とするのか? オンラインの投稿フォームやフリーミアムのユーザ登録から大量の見込み客情報が得られることがある。情報といっても、メールアドレスだけ、のことも多い。営業はどうやって、コンタクトの優先順を決めたらよいのか?

Clearbit Alex MacCaw

ClearbitのAlex MacCawは若き日のElon Muskに似ている

ClearbitのAPIは、メールアドレスを入力されるとその人の名前や、肩書や、会社の名前、ソーシャルメディアのアカウントなどを返す。その人が企業のCIOだったら、購買決定権があるからすぐにコンタクトすべきだ。平社員だったら、ひまなときにコンタクトしてみよう。お金を払う気のない子どもたちなら、無視しよう。

Clearbitはドメインも調べて、その人の会社の業種、社員数、主な売り先、資金調達履歴などを掘り出す。会社の大きさやタイプが分かると、お金を払いそうか、そうでないかの見当がつく。あまりに大企業や零細企業だったら、その人を見込み客として追うのは無駄かもしれない。

ClearbitのAPIが調べるのは、無料で一般公開されている情報だけだ。同じことを営業マンが手作業でググってもできるかもしれないが、APIはそれを自動化する。MacCawは、プライバシーには十分に注意している、と言う。

Clearbitがあらかじめ集めておいたデータも利用する。About.comのページや、SSLの
証明などから得られた情報だ。Clearbitが絶対やらないのは、起源がハッカーやスパマーかもしれないデータを、いかがわしい業者から買うことだ。また同社は、あくまでもコンタクト情報から調べ始める。名前からメールアドレスを探す、というやり方はしない。

ClearbitのもうひとつのAPIは、人物が政府のウォッチリストに載ってないか調べる。もちろん載っている人は、雇用やパートナーの良い候補ではない。

Business lookup

ClearbitはURLのドメインを調べて企業の業種などを当てる

ClearbitのAPIは今、Stripe(MacCawが前にいた会社)や、Intercom、Asana、MailChimp、ZenPayrollなどが利用している。彼らはClearbitをバックエンドだけで使ったり、あるいはRapportiveなど社内用のオフィスツールで使ったりしている。料金プランは単純で月額99ドル(API呼び出し12500回まで)から、499ドル(25万回)まで、となっている。

MacCawはこう言う: “うち自身がCRMをやるつもりはない。うちの目標は、顧客のCRMを補強するデータの提供だ。つまり、データのインフラストラクチャだね。うち自身は外向けの顔を持たないが、Stripeなどを陰で支えている”。

今、有料顧客は100社を超え、、またSV AngelやFirst Round、Fuel Capital、Zetta、それにエンジェルのNaval Ravikantらから得た資金のおかげで、ユーザ数は毎月30%増加している。黒字になるのも近い、という。

Logo

Clearbitのビジネスモデルは、エンタプライズソフトウェアのフリーミアムからの底上げ(ボトムアップ)化、という最近の傾向に倣っている。どういうことかというと、DropboxやAsanaなどは、企業のCIOを接待するやり方ではなく、無料プランを社員たちにどんどん使わせて、最終的に、会社が会社として有料で利用するサービスにしてしまうのだ。そのときの営業に役立つ情報(購買権限のある人物など)を、Clearbitが提供できる。

競合するFullContactなども、BI(ビジネスインテリジェンス)のデータの補強をねらっているが、MacCawに言わせると、“どこも、ほかの企業のためのデータバックボーンを志向していない”。しかしもちろん、決め手はデータのクォリティだ。Clearbitがメールアドレスやドメインから有意義なデータを返せなければ、顧客は去る。

Clearbitは今後、もっとAPIを増やすつもりだ。それは、地理的・位置的条件をつけたり、クレジットやバックグラウンドのチェックをする、などだ。

MacCawは曰く、“企業がプログラマをもっと有効に使えるようになると、すごい効果を上げられるはずだ。次の世代の重要なイノベーションは、企業の基本的なインフラの改良に間違いないから”、と。もちろん同社が提供するコンピュータやネットワーキングによるデータの有効利用も、各社の営業のインフラの改革に寄与するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa