自動車業界は1985年のIBMと同じ道を辿ろうとしている

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編集部記:Tien Tzuoは、Zuoraの共同ファウンダーでCEOだ。

モバイル端末の契約台数は、全世界の人口を超えつつある。インターネットにつながる次世代型の端末はどのような形をしているのだろうか?ヒント:それは4つのタイヤが付いているだろう。

Gartnerは、2020年までに2億5000万台の車がインターネットに接続するようになると予測している。それはつまり、公道を走る3台に1台はインターネットとつながっている計算になる。その頃までに、車のデジタル自己診断、情報とエンターテイメントを兼ねたインフォテインメントチャンネル、洗練されたナビゲーションシステムの市場規模は、現在の470億ドルから2700億ドルに膨らむだろう。

唯一の問題は、現在の自動車業界は1985年のIBMと同じ道を辿ろうとしていることだ。

自動車業界は、ダッシュボードをGoogleとAppleに明け渡すことに合意しているようだ。

1985年、ビッグブルーの愛称を持つIBMは、40万人(今日のAppleの従業員数のおよそ5倍)を雇用していた。最も近い競合のDigital Equipmentでも、およそ4分の1の従業員数しかいなかった。当時のAppleは、歴史上最も有名になった人事判断、スティーブジョブズの解雇を行ったばかりで混迷していた時期だ。パーソナルコンピューターの市場規模は誰もが小さいものだと思っていたが、IBMのパソコンはその市場を独占していた。彼らのパソコンに対応していることが業界のルールだった。市場優位性は明確だった。IBMはハードウェアを掌握し、あとはまともなグラフィックスを追究したユーザーインターフェイスを必要としているだけだった。

同じ年、Microsoftにはおよそ2000人の従業員がいた。彼らはWindowsを市場に投入した。IBMのパソコンビジネスの終焉の始まりだった。1990年代初頭には、IBM社製のパソコンはルールではなく、その他大勢となり、業界の全てはWindowsを中心に回るようになった。

それが起きた後、自分のパソコンがIBM社製のパソコンかどうかは問題ではなくなった。Windowsを使うことができれば、それで良かったのだ。1996年には、Microsoftの市場規模は720億ドルまで上り、一方のIBMは600億ドルに留まった。

Horace Dediuのこの表が全てを物語っている。

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Dediuが指摘するように「プラットフォームを掌握しなければ、パソコンのハードウェアはコモディティに過ぎない。それでは利潤も少なく、競争は激しい。自社の運命をコントールすることはできない」。

現在の自動車業界もまさにこの問題に直面している。IBMはオペレーティングシステムをMicrosoftに独占されたため、競争に敗れた。自動車メーカーは彼らと同じ道を辿ろうとしている。カスタマーが良し悪しを判断するだろうが、自動車業界は、ダッシュボードをGoogleとAppleに明け渡すことに合意しているようだ。

特に争いも起きなかった。トヨタ自動車を含め、反対している企業も数社あるが、20社以上の自動車メーカーはインフォテインメントとメッセージ機能において、権利をAndroid AutoやApple CarPlayのいずれか、あるいは両方に渡してしまった。これは最終的に車の鍵をシリコンバレーに明け渡すことになりかねない。車はコモディティになり、その車がCarPlayやAndroid Autoを搭載していれば、どの自動車で運転するかは気にならなくなるかもしれない。

歪なクローズドのシステムが形成されることが問題なのではない。常識的に考えるとこのままでは車がタイヤにのったモバイル端末になってしまうことを懸念している。ドライブという体験を追求することの重要性を訴えたい。

あらゆるセンサーを連携させ、それぞれの車が他とは違う特別なものであると訴求することができたらどうだろうか?ドライバーに、どんな環境にも対応した走りができることを訴求したり、燃料を効率的に使うスマートシステムを採用し、財布にも環境にも優しい車であると訴求したりすることはできないだろうか?

自動車業界は、Google MapsやSpotifyに留まらず、更に先のビジョンを提示する必要があるだろう。それはどのようにできるだろうか?

  • 新しいサービスを導入し、ドライバーに継続的に新鮮な驚きを提供する。TeslaのModel Sのファームウェアの変更ログの文書は興味深いので、ここから見てほしい。

    Teslaのドライバーは、ここ数年の間に、車が音声での指令を認識したり、リアルタイムの交通情報を取得して自動的にサスペンションを調整できたりすることを知り驚いただろう。

  • ドライバーの運転パターンを認識し、より適切な運転を促す。例えば、急なブレーキ、突然の車線変更やスピードの出し過ぎなどを防止することができるようになるだろう。Automatic は、危険な運転パターンをみつけて、注意を促すデバイスを制作している。このデバイスは、自動車の自己診断ポートとつなげて使用する。10代のドライバーを持つ親にとっては注目のデバイスだ。また、エンジンのアラートを解析したり、燃料効率を向上させる通勤経路を提案することもできる。

  • 走行距離と連動した、低価格の保険とメンテナンスパッケージを提供する。 Metromile は、走行マイルに応じた保険を可能とするデバイスを販売している。カスタマーは年間500ドルほど節約することができる。彼らは最近Uberと提携し、ドライバーはプライベートで走行した分の保険料だけを支払うことができるようになった。

  • ディーラーを支払いカウンターからジーニアスバーに変える。 GMのOnstarサービスでは、車の診断結果を毎月ディーラーにメールで送付している。ドライバーが店舗に到着する前から、車の詳細を手に入れ、準備を整えることができる。

  • 自宅やオフィスとつながるスマートな車にする。 Mercedes-Benzのドライバーは、車のダッシュボードからサーモスタットNestを調節することができる。AT&Tのドライバーは、ドアのロックを解除したり、自宅のセキュリティーカメラを確認したり、オフィスのコーヒーポットのスイッチを入れることができる。

最も重要なのは、自動車業界がドライバーにドライブの楽しみを改めて訴求する施策を行うことだ。1985年の二の舞いであってはならない。自動車業界は、ダッシュボードを掌握できないのなら、IBMと同じ運命を辿るだろう。

写真:Erin Cadigan / Shutterstock.com

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter