Microsoft、Facebook、Google、Apple―オンライン音声通話を制するのは誰か?

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停滞ステージをいかに乗り越えるかが、スタートアップの命運を分ける

編集部: この記事はモバイル・アナリティクスのInvocaのセールス、マーケティング、サービス担当執行副社長Eric Holmenの寄稿。

Facebook、Google、Appleその他のビッグ・ネームたちがにわかにボイス・コミュニケーションの世界に殺到し始めた。特にモバイルでの音声通話での競争が熱くなっている。人間にとって一対一の音声会話がどれほど重要であるかに皆が突然気づいたかのようだ。ソーシャルネットワークサービスの中で音声通話こそもっとも価値の高い分野だ。

テクノロジー企業は音声分野で激しい陣取競争を始めている。既存のVoIPプロバイダばかりでなく、テクノロジーの最先端を行く巨大企業が先を争って参入を図っている。Microsoftはいち早く音声通話の重要性を認識し、2011年にSkypeを買収して地歩を固めた。Skypeは現在、1日当たり490万のアクティブ・ユーザーがおり、これはFacebookの8億9000万に比べれば少ない。しかしSkypeはFacebookのユーザーとは別種の、いわば“Social 3.0”的な利用法だ。

Facebookは2010年以降、電話事業に参入するのではないかという噂を打ち消してきた。しかし音声通話、特にモバイル音声通話を抜きにして「人々を結びつける」ビジネスは成立しえないとすぐに悟ることになった。最近FacebookからリリースされたFacebookの公開情報を利用して発信者の身元を表示するHelloアプリは、モバイル音声通話におけるソーシャルネットワークの価値を高めるものだ。Helloのスマート検索を利用すれば、ユーザーは簡単に必要な相手を探し出し、ワンタッチで電話をかけることができる。〔メッセンジャーには今日、チャットIDが導入された。〕

Facebookのメッセンジャー・アプリの成長は目覚ましいが、収益化のためにはテキストや画像に加えて、本当に役立つ音声通話機能の統合が欠かせないだろう。実際、音声通話関連でFacebookはHello以外にも努力を重ねている。昨年2月にはWhatsAppを190億ドルで買収して世界を驚かせた。当時、この買収価格は非常識だと批判されたものだが、今やWhatsAppは音声通話機能も含めた総合的なコミュニケーション・ツールに進化しており、理にかなった買い物だったことが明らかになっている。

しかしこの分野で大きな努力を払っているのはFacebookだけではない。Googleもコミュニケーションのあらゆる分野の制覇を目指して全力を挙げている。たとえば、Project Fi は携帯キャリヤと提携して無線インターネット接続のカバー範囲、料金、サービス内容に革命を起こそうという試みだ。Google Voiceの次の段階といえるだろう。

一方、Appleは音声通話に関しては自社独自のハード、ソフトの改良に専念している。YosemiteとiOS 8に導入された電話連携機能(continuity)はオンライン音声通話とスマートフォンでの通話をシームレスに統合することで、Appleをこの分野のトップに立たせた。ユーザーはiPhoneにかかってきた電話をMacで引き継ぐことも、その逆も簡単にできるようになった。

さらにAppleはiPhoneのエコシステムにAppleウォッチを加え、コミュニケーションのマルチ・デバイス化をさらに進めている。ユーザーが一つのデバイスないしプラットフォームに閉じ込められることを望まないことをAppleはよく認識しており、ユーザーの持つあらゆるチャンネルでシームレスに会話が継続できるよう機能を強化している。.

こうしたトップ・プレイヤーは音声通話の強化に百億ドル単位の巨額の投資を行っている。この分野の規模はきわめて大きいので、これを制するものは投資額をはるかに超える見返りを期待できるわけだ。 この音声通話の軍拡競争で誰が勝者となるのか、今後も注意深く見守る必要があるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+