Facebook、MessengerにチャットIDを導入―発信者情報の表示でビジネス利用も容易に

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「秘密の質問」はセキュリティ対策として(やっぱり)役立たずであるらしい

メッセージが着信したが、名前に見覚えがない。どこの馬の骨? スパム? それとも昨日カンファレンスで会った好感のもてる人物だろうか? 新しいFacebook メッセンジャーはメッセージに応答する前に相手についての情報を与えてくれる。メッセンジャーは初めてメッセージを送信してきた相手の居住地域、肩書などの公開情報をメッセージ・スレッドのトップに表示するようになった。このアップデートはiOSとAndroidに対するもので、今日(米国時間5/21)から公開される。当面アメリカ、イギリス、フランス、インドのユーザーが対象となる。

友達以外の誰かからメッセージが届いたとき、メッセンジャーはその相手を、たとえば「フード・ブロガー」で「シアトル居住」であるというように表示する。すると記憶をたどって「最近シアトルに出張したときフィッシュ・マーケットで話をした女性だな」などと思い出すことができるわけだ。相手が実際に会ったことがある人間だと分かればメッセージに返事をしようと考える可能性が高くなる。また会話を「えー、どこでお会いしましたっけ?」というような気まずい文句で始めずにすむ。

Facebook Chat ID

またメッセンジャーはすでにFacebookで友達になっているが、過去にメッセージのやりとりをしたことがない相手についても情報を提供してくれる。たとえば、高校の同級生が最近あなたの町に引っ越してきて同じ業種の会社に勤めたとしよう。メッセージの冒頭に居住地と職種が表示されれば「高校の同級生のネイト? 何の用だろう?」という疑いは「おや、ネイトが町に引っ越してきて同業になったのか!」に変わるだろう。

友達以外でも友達でも、メッセンジャーが表示するのは一般に公開ないし受け手に対して公開されている情報だ。プライバシー設定に反するような情報が表示されることはない。

この新機能はFacebookが先月発表した発信者IDを表示するAndroid向けアプリ、Helloに似ているので、チャットIDと呼ぶことにする。発信者IDアプリは通話が着信すると相手の電話番号をデータベースと照合し、Facebookのユーザーの場合はその公開情報を表示し、既知のスパマーの場合は自動的にブロックするというものだ。

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チャットIDと発信元IDはFacebook友達だけでなく、ユーザーの生活におけるあらゆる個人的コミュニケーションをFacebookが仲介しようという戦略の現れとみることができる。これによってユーザーは自分のソーシャル・ネットワークを効果的に拡大することができる。同時に、特にビジネス面で、Facebookの役割がさらに高まるだろう。

これまでFacebookは友達以外との会話にメッセンジャーを利用することについては慎重な態度を取っていた。たとえば、友達以外からのメッセージの多くをスパムといっしょに「その他」のインボックスにまわしてユーザーの目に触れにくくしていた。一般のユーザーはめったに「その他」のインボックスをチェックしないので、用のないメッセージを見ないですむと同時に重要なメッセージを見るチャンスを失わせてもいた。私の友達は長年音信不通だった兄弟からのメッセージが「その他」に入っていたために長いこと見逃していたという。

私の取材に対してFacebookは「『その他』インボックスの扱いにはまったく変化がない。今までもメッセンジャーで友達以外とチャットできた」と語ったが、 今回のチャットIDの導入によって、メインのインボックスに振り分けられるメッセージは増えるに違いない。本来『その他』に分類されてはいけないビジネス上のメッセージが表示されやすくなると期待してよいのではないだろうか。.

若い世代のプロフェッショナルは以前ほどLinkedInを重視しなくなっている。モバイル化とメッセージ機能で遅れを取っていると感じられるためだ。Facebookがその間隙を埋めることになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+