ロコンドがアルペンと資本業務提携、10億円の資金調達と同時にスポーツアイテムのECを開始

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ロコンド代表取締役社長の田中裕輔氏(左)とアルペン執行役員の白鳥明氏(右)

ロコンド代表取締役社長の田中裕輔氏(左)とアルペン執行役員の白鳥明氏(右)

靴を中心にアパレルやコスメを取り扱うECサイト「ロコンド」。運営のロコンドが5月28日、アルペンとの資本業務提携を実施した。

これにともないロコンドはアルペンを引受先とした第三者割当増資を実施し、10億円を調達した。出資比率は非公開だが、20%以下のマイナー出資となっている。同社はこれまで、Rocket Internetをはじめ、みずほキャピタル、ネオステラ・キャピタル、エキサイト、リード・キャピタル・マネージメント、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ジャフコから合計35億円の資金を調達している。ロコンドでは、今回調達した資金で商材の調達や人材確保、システム開発、倉庫の拡大、プロモーションなどをすすめる。

あわせて、ロコンド内にスポーツファッションECサイト「LOCOSPO(ロコスポ)powered by Alpen Group」を立ち上げると同時に、ロコンドがアルペンの自社ECサイトの開発・運営を行う。

ローンチ時の体質を改善し、今期黒字へ

2011年2月に“日本版Zappos”をうたってサービスを華々しくスタートさせた靴のECサイト「ロコンド」。商品の当日無料配送、商品を自宅で試したあとでもOKな返品対応、電話・メールで相談を受け付けるコンシェルジュサービスなど、ユーザー目線のサービスを提供し、また同時にテレビCMも積極的に放映。Grouponなどへの出資でも知られるドイツのベンチャーキャピタルであるRocket Internetが出資し、「ECサイトの垂直立ち上げ」をうたっていた。

だが2012年2月期の決算は—東日本大震災の影響や、商材確保で苦戦したとも聞いたことがあるが—売上高約12億円、純損失約15億円。厳しい船出となった。

「売上は12億円(2012年2月期)から30億円、50億円と成長し、2015年2月期には75億円となった。今期には黒字化も見えるところまできた」——ロコンド代表取締役社長の田中裕輔氏はこう語る。

サービス開始当初は商品を自社で商品を確保し、定価で販売。さらに倉庫もアウトソーシングしていたが、体制を刷新。インポート商品を除いて消化仕入れ(委託)のモデルに変更し、倉庫のオペレーションも自社で行うなど、体質改善に取り組んできた。

「我々の最初の失敗は初年度で資金を突っ込みすぎたところ。(業績について)メディアで取り上げられることもあったが、徐々に体制を見直してきた。だが一方で、送料・返品無料やコンシェルジュ、即日配送というサービスについては最初から変えずにやってきた」(田中氏)

そんなロコンドだが、現在は靴を含めた「SBICS(Shoes:1.4兆円市場、Bag:1兆円市場、Inner:9000億円市場、Cosme:2.3兆円市場、Sport1.4兆円市場)」の7兆円市場に進出することを目指しているのだという。すでにアパレルでは海外ブランドと提携。さらにサマンサタバサのサイト運用支援でバッグの販売を開始しており、4月にはコスメの販売も始まった(試供品付きで、試供品が合わなければ返品無料なんだそう)。そして今回のアルペンとの提携でスポーツ領域の強化を進めることになる。

「ガチのスポーツ用品」しか売れなかったアルペン

アルペン執行役員でデジタル推進本部副部長 兼 戦略企画室長の白鳥明氏に聞いたところ、同社で課題だったのは「デジタル戦略」。ロコンドと組む前のアルペンのコーポレートサイトは、良く言えば古き良きWebデザイン、テック業界の言葉でいえばWeb 0.8ぐらいのデザインだった。ECも楽天市場などに出展する程度。「『ガチスポーツ』の商品では強みがあるが、ファッションやアパレル、スニーカーというものが売れなかった」(白鳥氏)

それを示す面白い例が、ファッション性の高いスニーカーの売れ方だ。最近人気のNewBalanceのスニーカーなどは、型番次第でファッション系のECサイトでは定価でもすぐに売り切れてしまう。だがそんな商品でも、アルペンでは4割引の状態でも売れ残っていたのだそう。そこで試しにロコンドでそれらの商品を販売したところ、定価で完売したそうだ。そんな背景もあり、ロコンドと組み、ファッションという切り口でECを展開することに活路を見出したというわけだ。またアルペン社内では3月にデシタル部門を再編している。

LOCOSPOとアルペンの自社ECサイトでは在庫を共有しており、サイトローンチ時には約1万点の商品をラインアップする。将来的には20万点まで拡大を見込む。