優勝は経沢香保子氏のベビーシッターサービス「キッズライン」――IVSのプレゼンバトル

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6月11日、12日と宮崎で開催中の招待制イベント「インフィニティ・ベンチャーズ・サミット 2015 Spring Miyazaki」(IVS)で、スタートアップ起業のピッチコンテスト「Launch Pad」が行われた。今回は13社がサービスやアプリでプレゼンしたので、13社のサービス・アプリについて紹介しよう。優勝したのはベビーシッターと利用者をマッチするサービス「キッズライン」だった。

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・株式会社カラーズ 日本にベビーシッターの文化を「KIDSLINE(キッズライン)」

今回優勝したのは女性起業家の経沢香保子氏が取り組む、ベビーシッターと利用者のマッチングサービス「キッズライン」。入会金5万円、1年の年会費、1時間辺り2000円といった、従来の高額なベビーシッターサービスに対して、モバイルで徹底的に合理化し、初期費用なしの1時間1000円から利用できるサービス。クレジットカード登録で24時間利用できる。ベビーシッターへの支払いや、カラーズの20%の取り分を含めても、まだ従来型サービスの1/3の価格を実現できたという。価格が安くなったことから、潜在利用層にリーチできているといい、現在は毎月150%で利用が増えている状況という。多くのシェアリング系サービス同様に、利用者、サービス提供者側のプロフィールや相互評価を透明化していて、ソーシャルグラフ上の友人らのコメントなども表示。これまで密室で行われていたものを可視化しているのもポイントという。経沢氏は3人の子の母という立場から、子育てが女性の社会参画への大きな障害になっていることを指摘し、ベビーシッターという文化を日本にも広めたいと語った。

・CART!VATOR 世界最小の空飛ぶクルマ「SkyDrive

CART!VATORは「SkyDrive」と名づけた空飛ぶクルマを作っているスタートアップだ。というと、ぶっ飛んでるようにも思えるが、実はすでにスロバキアやアメリカなどに空飛ぶ自動車を作っているスタートアップ自体はあるそうだ。ただ問題は2つあり、1つは滑走路が必要なこと、もう1つは操縦が飛行機なみに難しいこと。そこでSkyDriveはマルチコプター方式を採用してセグウェイのような体重移動による容易な操縦を可能にするという。パイロットライセンスは不要。接地面は3輪で、時速100km/h、量産価格500万円以下を目指す。1人乗りの小型ビークルという感じで、災害時の土砂崩れを飛び越えるとか川面を飛行するといったこともできるだろうという。現在は160kgの小型試作機で浮上実験が成功している。チームは「愛知県にある自動車会社」に勤務するエンジニア仲間が中心となって取り組んでいる。2020年までに量産体制を作るために10億円の資金調達を目指すという。

・セーフィー株式会社 カメラとスマホのホームセキュリティ「Safie

Safieはネットワークカメラ。外出先や遠隔地からカメラ映像を見ることができる。従来のホームセキュリティーカメラが高額の割に画素数が低く、回線がISDNであるなど旧態依然としていることから起業。ソフトウェアにのみ特化して、現在はカメラメーカーと協業を始めていて、QBIC社のELMOはすでに1000台以上が売れてるという。本体価格は1万9800円で録画・アラート機能利用は月額980円。これは従来製品の価格に比べると1/6程度で、画角や画質も従来製品よりも良いという。業務利用での引き合いも多いといい、オリックスと一緒に1台あたり月額3000円のリースモデルも準備中だとか。

・Orange株式会社 あなたの旅の専属ガイドアプリ「TRIPAN(トリパン)

TRIPANは専属の海外旅行ガイドとスマホ上でチャットができるサービス。旅先を設定してリストされる一覧から現地ガイドを選び、レストラン情報やアクティビティ、治安情報などの質問ができる。ガイドとは旅行前からでも可能。返答は原則10分以内。利用価格は1日1500円で現在は2日目以降は1000円になるキャンペーン中。10カ国に対応している。ガイド候補は海外添乗員や長期滞在者などで120万人以上いる。2015年12月までに3000名のガイド登録数を目指している。当初はアドバイスのみだが、アクティビティ、交通手段、レストランなどをガイドが代行予約するようなサービスも検討しているほか、1つだけ質問したいというニーズに応える機能のリリースも予定しているという。

・株式会社セフリ 登山・アウトドアアプリ「YAMAP & YAMAP Gears

ケータイの電波が届かない登山ルートなどでもGPSと事前ダウンロードした地図により自分の位置が分かるアプリ。登山やスキー、釣りなどアウトドア愛好家向け。YAMAPはもともと山での遭難や道迷いを解決するために作られたアプリだが、今回はYAMAP Gearsという「価格コムのアウトドア版」というアプリをリリース。YAMAPはすでに30万ダウンロード、写真投稿数が100万となっているなど登山愛好家の間で利用が広まっている。YAMAPでは登山後にルートや写真、感想などをシェアできる仕組みのほか自分の道具を登録する機能がある。本当のアウトドアグッズの利用者が持つ信頼性と、バーチカルのECを結びつけるというのが狙い。今後はC2Cやアウトドア保険の販売などにも事業の幅を広げて行くという。

・株式会社3.0 今夜なにする?を解決するアプリ「LIVE3

LIVE3は今日、明日、明後日など直近の売れ残りチケットが買えるサービス。音楽、スポーツ、お笑い、クラブ、フェス、アートなど多様なイベントを取り扱う。「今夜なにしよう」を解決するアプリといい、コアなファンが特定イベントのチケットを探すというよりも、潜在的なファン層を掘り起こすサービスという。イベント市場は近年成長していて、全国で毎日12万人、関東だけでも5万人がイベントに参加している。一方、チケット売り切れイベントは全体の2%。これは時間軸で見つける手段がないからという。LIVE3ではキュレーションやディスカウントチケット販売も行っている。今後はイベント後に近隣店舗へ誘導するクーポンなど周辺事業との提携も勧めるという。

・株式会社スマイループス 転職相談アプリ「ジョブクル

ジョブクルはチャットで転職相談ができるアプリ。経歴や勤務地、希望条件、会社の好みなどを入れると、転職エージェントを最大10人までマッチしてくれる。モバイルに最適化したUXで条件入力が容易なことと、漠然とした質問から転職活動が開始できるのが特徴。エージェント側から候補者の一覧から候補者を絞り込んでメッセージを送ることができる。転職成功時にジョブクルが25%の手数料を得る。ジョブクルによれば、過去1年間で転職を希望しながら転職していないのは519万人、全体の2/3にのぼるといい、初動アクションのハードルを下げることで潜在転職希望層の流動化を狙う。

・株式会社ZUU 世界一シンプルな資産運用ツール「ZUU Signals

資産運用ツール「ZUU Signals」は、独自のアルゴリズムで株の「買い・売り」の判断を補助する情報を信号機のように「赤、黄、青」で示す。最近、NISAブームなどで証券口座開設は増えているものの、30代、40代の70%は投資未経験。投資を始めても離脱率も高く、ネットリテラシーが高い層でも入ってきていないそう。日本の個人資産1700兆円のうち資産運用されているのは16%。アメリカの50%まで引き上げることができれば伸びしろは580兆円とZUUは試算する。そこでモバイルで分かりやすく情報を整理するのがZUU Signals。重要なニュースのキュレーションもしていて、特定銘柄をクリックすると株価チャートと、赤黄青のシグナル、ニュース、ユーザーコメントが一覧できる。ZUUは250万MAU、1000万PVの金融メディア「ZUU online」も持っている。現在は分かりやすさを優先して国内株式のみでZUU Signalsをスタートしたが、信託などほかの金融商品へも拡大する。

ウェルスナビ株式会社 世界標準の資産運用とリスク管理をあなたの手に

ウェルネスナビは世界の機関投資家と同じレベルの資産運用を個人にも、というコンセプトで創業。世界の機関投資家は全世界の全資産を比較検討してリスク管理徹底することでリターンを最大化している。同様に、個人ユーザーであっても年齢や年収、資産額を入力すると、35カ国9000銘柄への分散投資のポートフォリオを作ってくれる。リスクとリターンのシミュレーションを可視化して、分かりやすく表示する。欧米のプライベートバンク並みの資産1%という低い手数料設定とする。従来、金融理論を背景にした分散投資は巨額の資金を運用する機関投資家のみが可能だったが、それを個人にも解放する金融インフラの構築がウェルネスナビのミッションで、これは、かつて安全な旅行や手紙が王族や貴族、大商人の特権だったが、現代では誰もできるものになったのに似ているのだという。

・株式会社UNCOVERTRUTH ネイティブアプリUI解析ツール「USERDIVE for Apps

USERDIVE for Appsは、これまで提供してきたWebサイト向け解析ツールのネイティブアプリ版という位置付け。20KBのSDKをダウンロードして組み込むと、アプリ上の動線をどうユーザーが遷移したかを視覚化したり、ヒートマップ、「読了率」に相当する画面ごとの滞在時間を見ることもできる。実際にユーザーがアプリをどう使っているかを動画で見る機能もある。フィルター設定で「100万円以上買っているユーザー」といった絞り込みもでき、ターゲットユーザー向けのUI改変に利用できるという。さらに今回、新機能として「ロケーション・ヒートマップ」を発表。地図上にユーザーのアプリ上でのアクティブ率をヒートマップのように示す機能で、例えば地域店舗のクーポンをユーザーが使った場所などを知ることができるようになるという。USERDIVEではいま、バルセロナやマレーシアに拠点を開設して、世界展開に力を入れているそうだ。

・株式会社wacul 人工知能を使ったWeb分析サービス「AIアナリスト

waculの「AIアナリスト」はGoogle Analyticsのデータから、Webサイト改善のアドバイスを提示するサービス。これまで同社はWeb改善のコンサルティングをやってきていたが、案件数に対してコンサルが足りないことから、ノウハウやナレッジを人工知能で実装。例えば、ある商品ページに対して検索流入の比率が高すぎる場合、サイト上の導線の弱さが背後にあることが想定される。そうした場合、AIアナリストだと「xyzのページをもっと見せましょう。15.7CVの増加が見込めます」といったアドバイスになる。改善点は網羅的、伸びしろがあるポイントを指摘する。人間のコンサルで30万円から100万円でやっていたことを人工知能で3万円で提供する。より広いユーザー層に使ってもらうことで人工知能の学習データを集めたい、という。waculでは2年間で人間のコンサルが担当したのは100サイトで指摘したのが600課題であるのに対して、AIアナリストはリリース1カ月で400サイト、3000課題という。

・株式会社COMPASS 人工知能型適正教材「TreasureBox」

コンパスの「TresureBox」は人工知能型適応教材。タブレットを使った算数の4000問を超える問題を子どもたちが手書き入力で解く。生徒が間違えた時に、何がわかっていないかを人工知能が把握し、もっとも適切な問題を出し続けることができるのだという。COMPASSはもともと塾を経営していたが、現在では塾の先生の役割が変化して、ダッシュボードで生徒たちの進捗や集中度をモニターし、問題があったときに対応するファシリレーターとなっているという。集中度が下がった生徒がいると「休ませてあげてください」というプッシュ通知で先生に出す。これまで塾のフランチャイズとしては、くもんなど大手があるが、初期費用は開設まで費用がかかるという問題があった。TreasureBoxのような仕組みがあれば、塾開設のハードルが下がる。COMPASSでは2019年までにくもんを超えるとしている。

・株式会社キッズカラー 保育や遊びを楽しく記録するみんなの図鑑アプリ「ほいくずかん!

「ほいくずかん!」は、保育士のための子どもの作品カタログサービス。もともとキッズカラーは、遊び版クックパッドともいえる「ほいくる」を運営している。子ども向けの遊びを保育士同士が教えあうサイトで、遊びの引き出しの共有している。すでに全国の保育士の3分の1が使っているという。ほいくずかん!は、遊びでできた子どもの作品を登録できる新アプリ。子どもの年齢や材料を登録し、時系列やカテゴリごとに写真を表示できる。これまでこうした写真は保存や管理がバラバラで、各保育園で埋もれていたのだという。