クラウドインテグレーターのtoBeマーケティングがDraper Nexusから3000万円を調達

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顧客管理システムとマーケティング・オートメーションを組み合わせたクラウドサービスの導入とコンサルティングを手掛けるtoBeマーケティングが本日、9月30日にDraper Nexusから3000万円を調達したことを発表した。

toBeマーケティングは小池智和氏が20156月に立ち上げ、SalesforceCRM(顧客管理システム)とSalesforceの別サービスであるホームページの閲覧状況などをトラックするPardotを組み合わせたソリューションの導入支援から導入後のシステムの活用支援を行っている。toBeマーケティングは、自社でサービスを構築して提供するようなスタートアップ企業ではないが、昨今注目されるクラウドサービスを法人が有効活用できるよう支援するクラウドインテグレーターだ。TechCrunch JapantoBeマーケティングのCEOである小池氏に話を聞いた。

toBeマーケティングCEOの小池氏

toBeマーケティングCEOの小池氏

小池氏はtoBeマーケティングを立ち上げる前、リクルートを経てSalesforceに籍を置き、法人向けクラウドサービスの導入やコンサルティングに携わってきた。企業がSIerにシステムを発注した場合、SIerはカスタマイズしたシステムを一から構築するため、開発に数ヶ月を要したり、コストも数千万円に及ぶケースもあった。SalesforceAmazonAWSなどのクラウドサービスが登場したことにより、コストを抑えて短期間でシステムを導入することが可能となった。しかし、法人がクラウドサービスを導入する際、クラウドサービスを既存のシステムと紐付けるのに問題があったり、クラウドサービスの機能を営業活動の促進のために活用しきれないことが多かったと小池氏は説明する。toBeマーケティングはそのような問題を解決するため、サービスの初期設定から使い方の研修、そして導入後も企業にサービスが定着するようサポートを行う。

toBeマーケティングの特徴は、CRMとウェブサイトの顧客の訪問状況やメール配信といったマーケティング・オートメーションを組み合わせている点だ。これにより、さらに効率的に企業の営業活動を促進することができると小池氏は言う。例えば、これまでのCRMでは法人を業種、性別、担当者の役職といった属性別に分け、過去のコンタクト状況を知ることができた。そこに、Pardotのマーケティング・オートメーションシステムで得られる、見込み顧客がどの製品に興味を持っているかや、自社ウェブサイトのどのページをどの程度の頻度で見ているかの情報が加わることで、次の営業や訪問の際の提案やフォローアップに役立てることができる。小池氏は「CRMでの属性情報とコンタクト状況の間にウェブでの行動履歴など情報を当て込むことで、法人を属性という一側面からだけでなく、興味関心という側面からも把握できる」と説明する。

toBe marketing2

toBeマーケティングは、さらに導入後のサポートを提供する。電話サポート、企業が参照できる独自日本語マニュアルの提供、そしてtoBe マーケティングのコンサルタントや他のユーザー間でコミュニケーションが取れるサポートサイトを運営している。サポートサイトではtoBe マーケティングに個別で連絡したり、一般的な使い方の質問などは他ユーザーと共有したりすることができる。これまでのSIerのように導入したらそこで一段落なのではなく、クラウドサービスは月額サービスのためユーザー企業の継続利用を促すことが重要だ。toBe マーケティングも定額の料金プランを用意しているため、どのようにサービスを法人顧客に定着を促し、他の競合他社と違う価値を提供していくことが重要となるだろう。

企業がクラウドサービスに関心を示し始めるにつれ、クラウドインテグレーターの市場も加熱しつつある。この市場には他にもテラスカイウフルパソナテキーラといった企業がAWSSalesforceなどのクラウドサービスの周辺にエコシステムを形成している。クラウドインテグレーター市場が密集するようになれば、事業拡大のための統廃合が進むことが予想できる。さらには、クラウドサービスが国境を超えて他の国や地域に進出したり、ネットワークを強めるためにクラウドインテグレーターを買収するケースもある。これは、投資家にとって注目に値する動きと言えるだろう。従来、SIビジネスへの新規参入はスモールビジネスと見られていたが、成長速度や買収の可能性を見据えた上で、今回のようにVCによる投資が出てきているのは興味深い。

今回toBe マーケティングに出資したDraper Nexusはマーケティング分野で、コンテンツマーケティングのInnovaやビジネスの統計分析サービスのXICAなどに投資してきた実績がある。toBeマーケティングへの投資で、Draper NexusはさらにB2B向けのマーケティング市場での知見を深め、各投資先にそれを活かすことができるだろう。

現在、toBeマーケティングはすでに70社程にサービスを提供しているという。彼らのチームは9名だが、今回調達した資金で営業やマーケティング・コンサルタントの採用を進める予定だと小池氏は話す。