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Googleマップ、オフラインのナビと検索を一般公開―プロダクト責任者の説明でじっくり試してみた

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読者が地下駐車場で車に乗り込んだとしよう。これから地理不案内の場所に出かけねばならないのだがGoogleマップにアクセスできない。地下駐車場にはWi-Fがきていないのだ。これまでなら車を外に出してスマートフォンが電波をつかむのを待ったところだ。

しかしもうその必要はない。今日(米国時間11/10)のアップデートで、Googleマップのナビと検索がオフラインでも使えるようになる。当初はAndroid版がサポートされるが、近くiOS版も提供される。この機能が5月に開催された Google I/Oでデモされたものだが、最高に便利だ。この機能が一般公開されるのはたいへんありがたい。

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私はGoogleマップのオフライン機能について、先週、プロダクト・マネージャーのAmanda Bishopに話を聞くことができた。Bishopによると、オフライン機能の公開に特に力を入れたのは、途上国で特に接続が遅くデータ通信が高価であることに対処するためだったという。なんといっても世界の人口の60%にはまだインターネット接続の恩恵が届いていない状態だ。アメリカでさえ僻地の道路を走っているとインターネットがないか、接続がひどく遅くなるデッドスポットにでくわすのだから困ったものだ。

Drew setup

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Bishopは非常に印象的なデモを見せてくれた。ユーザーはダウンロードしてオフラインで利用したい地域を指定する。当然ながらダウンロードしたデータでナビを実行する場合、リアルタイムの交通状況などは分からない。しかし従来のデータに基づく平均速度や公共交通機関の乗り換え情報などは利用できる。そのため目的地への推定到着時間は表示される。

データのダウンロードは巧妙だ。通常のナビや目的地検索に使う場合、マップの情報のほとんどは必要ない。そもそもサンノゼ方面に行きたいのにイースト・ベイ〔サンフランシスコ湾の東側地域〕の情報をダウンロードしても意味がない。ダウンロードした地図は必要ならユーザーがカスタマイズできる。

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Bishopのデモによると、新しいマップはシームレスにオフラインとオフラインを往復できる点が特長だ。走行中に電波を見失っても Android版Googleマップは他のオンライン・マップのようにそのままフリーズせず、自動的にオフライン・モードに切り替わる。Bishopによるとこれを実現するのはGoogleにとっても非常に難しかったという。ユーザーはオンラインであるかオフラインであるか気にせずにナビを続け、途中で立ち寄る必要のある場所を検索したりできる。

考えてみると、こうしたオンライン・オフライン自動切り替え機能はGoogleが開発している自動走行車にとって必須の機能だ。道路を走行中になんらかの理由で電波をつかめなくなっても自動車は安全に目的地まで走れなければならない。Googleマップのオフライン機能はわれわれ人間のドライバーにとっても便利だが、自動走行車にとってはそれ以上の重要性がありそうだ。

Drew  How it works

オフライン・モードになるとGoogleマップは車の上に大きなシートが降ってきて電波を邪魔していることを教えてくれる…というのは冗談だが、ともかくユーザーに対して現在オフラインであることを知らせる控えめな注意が表示される。

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電波を発見すればただちにオンライン・モードに戻る。

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オフラインになったときGoogleマップは目的地までのいちばん常識的なルートをダウンロードするようユーザーに促す。そこでBishopに「自分が普段使っているルートや何度か通ったことがあるルートをダウンロードできるようにできないだろうか?」と尋ねてみた。なんといってもGoogleはわれわれが許可すれば、これまでに使われたルートは全部知ることができるはずだ。Bishopは「ダウンロード地域をユーザーが選択できるようにするのは次の課題として検討する」と答えた。

マップが常識的ルートをダウンロードするのは、おそらくGoogleがユーザーのデータ通信契約の状況を知らないからだろう。データ通信量に上限がある場合、マップをダウンロードしようとしてその上限まで使い果たしてしまうのは明らかに得策ではない。

Bishopは「オフライン機能のサポートでGoogleマップのユーザー体験は劇的に改善されたはず」と説明した。これはまったく正しい。私は先日ベルリンに出張したときに、オフラインのマップでナビを利用し、ホテル、オフィス、デモ会場などの場所を確認した。コーヒーショップも検索した。これらの情報を出発前にすべてダウンロードしていったことで、おそらく数百ドルのデータ通信量の節約になったはずだ。なぜ知っているかといえば、その前の出張では実際にその額を支払わねばならなかったからだ。私の懐にこの出費は非常に痛かった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+