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元DGインキュベーションの石丸氏が「アコード・ベンチャーズ」を立ち上げ

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また1人、東京のスタートアップ界で投資家として独立する人物が現れた。新たに独立系ベンチャーキャピタル「アコード・ベンチャーズ」を立ち上げた石丸文彦氏は、デジタルガレージなどで投資を担当し、国内で最も早く立ち上がったアクセラレーターの1つである「Open Network Lab」の代表取締役として国内外のスタートアップ投資に携わってきた人物だ。アコード・ベンチャーズのファンド規模は約12億円となる見込みで、2016年春頃の最終クローズを予定している。2015年10月半ばには最初の資金調達をクローズし、11月からVCとして活動を本格化している。

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アコード・ベンチャーズ創業者でCEOの石丸文彦氏

石丸氏は1999年にジャフコに入社し、コンサルティング会社を経て2003年にカカクコムで新規事業の立ち上げやM&A、IRなどを担当。その後は国内投資会社でバイアウト業務、2年ほどサイバーエージェント・ベンチャーズで中国駐在を経験して、深セン拠点の立ち上げに携わったという。2012年1月からはデジタルガレージに参画し、執行役員に就任するとともに投資子会社のDGインキュベーション取締役COO、そしてOpen Network Lab代表取締役などを歴任してきた。デジタルガレージ時代には、弁護士ドットコムアイリッジなどはボードメンバーとしてIPOに立ち会ってきた。その他、投資先ではクラウドワークスが上場している。

デジタルガレージで担当した投資案件としては上記3社だけでも7、8倍のリターンとなっているそう。このほか、フリルIncrements(Qiita)、グッドパッチReproなども「向こう2、3年が楽しみ」で、石丸氏は「投資元本に対して10倍くらいのリターンになるのではないか」と自身の投資のトラックレコードについて話す。

十分なリターンを出せたこともあって投資家として独立。アコード・ベンチャーズのLP(出資者)としては、古巣であるDGインキュベーションやカカクコム、そしてこれまでに培ってきた人的ネットワークで上場企業の経営者や役員といった個人投資家などがいるという。

アコード・ベンチャーズには、みんなのウェディングの代表取締役を務めていた内田陽介氏もパートナーとして参画する。内田氏はカカクコムで10年ほど新規事業やマネタイズを手がけてきた人物で、うち6年は役員も務めていたそうだ。現在はスタートアップの顧問をしながら、半分くらいの時間をアコード・ベンチャーズに割くという。

石丸氏、内田氏の強みは「事業サイドに立って経営と事業の成長に携わった経験があること」という。カカクコム、弁護士ドットコムなどで経営やマネタイズ、IPOを見てきた経験から、どういうタイミングでどういうCFOを入れるべきか、資本政策はどうすべきか、採用プランはどう組むか、IPOで公募価格はどう決めるか、上場後の投資家へのIRをどうするかといったことで、VCとしてのハンズオンの付加価値を出していけるだろうという。「どんなに伸びている会社でも課題がある。1社1社、ちゃんとハンズオンをやっていきたい」(石丸氏)。

ベンチャーパートナー制度で外部協力者にインセンティブ

アコード・ベンチャーズはパートナーが1.5人という感じだし、ファンド規模も2015年の今となっては特別に大きいものじゃない。ただ、「ベンチャーパートナー制度」という仕組みを取り入れているのは、ちょっと興味深い。

ベンチャーパートナー制度というのは、例えばUI/UXの専門家、SEOの専門家、管理部門の専門家など、スタートアップ立ち上げに必要となる専門家数人をネットワークして、最大7%程度の成功報酬を出すという仕組みだそう。例えば1億円を投資して5倍の5億円になった案件なら、元手の1億円を引いた4億円の7%、つまり2800万円程度の報酬ということになる。特に成功可能性の高そうな起業家やシード前のスタートアップ企業をVCに繋げる部分、いわゆるディール・ソーシングで案件を持ってきた人には報酬を厚くする。限られたリソースの中で案件の母数を増やすための方策だそうだ。

実際の投資は7割程度を国内で行っていく。ファンド出資者のカカクコムなどが持つ顧客基盤があるため、C向けのメディアおよびB向けのSaaSなどシナジーが効きやすいところで投資していくのが1つの方針という。同じくファンド出資者であるDGインキュベーションとは、海外への投資で協調投資をしていく。

今回のファンド組成発表に合わせてアコード・ベンチャーズは、国内1件、海外1件の投資案件を発表している。国内はプロジェクト管理SaaSのマンモス・チームワークというスタートアップ企業で、Draper NexusSMBCベンチャーキャピタルNVCCと合わせて約3000万円の投資を11月末にクローズしている。もう1つはEntrupyという海外のIoT系スタートアップ。スマホに簡易な拡大鏡をつけて撮影した画像をサーバ側で解析することで、偽ブランド品を見抜くサービスを提供しているのだそう。ちなみに真贋判定の精度は99.5%程度はでるそうだ。

mmth

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