人工知能とコンピュータ科学の父、マービン・ミンスキー、88歳で亡くなる

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マービン・ミンスキーは真のパイオニアであり、常に同時代より一歩先を考えていた。ミンスキーが人工知能とコンピュータ科学の父であったことは誰もが認めるだろう。思慮深い科学者であり、コンピュータ科学者たちを何世代にもわたって鼓舞してきた。

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ミンスキーは1927年、ニューヨークで生まれ、ハーバードとプリンストンで数学を学んだ後、1958年にMITで教職に就いた。1981年にNew Yorkerが掲載した素晴らしいインタビューで、ミンスキーはこの当時のことを回顧してこう述べている。

遺伝学も面白そうだった。当時、遺伝がどのようにして起きるのか詳しいことは誰も知らなかったからね。しかし私の求めるような深遠さがあるのかどうか懸念があった。その点、物理学は深淵であり、しかもその問題は解決可能だった。物理学もなかなかいいと思った。しかし知能の問題はほとんど絶望的なまでに深淵に思えた。私が人工知能以外の分野の専門家になろうと考えたことはないと思う。

ミンスキーは1950年に人工知能の研究を始めている。パソコンやインターネットが発明されるはるか以前のことだ。ミンスキーはMITでジョン・マッカーシー ,とともに人工知能グループの共同創立者となった。LISP言語の開発者として知られるマッカーシーもまた人工知能の偉大なパイオニアであり、「人工知能(Aartificial Intelligence)」という言葉を発明したのはマッカーシーだった〔2011年に84歳で逝去〕。

「しかし知能の問題はほとんど絶望的なまでに深淵に思えた。私が人工知能以外の分野の専門家になろうと考えたことはないと思う」

—マービン・ミンスキー

1951年にミンスキーはハードウェアによるニューラルネットワークを利用した機械学習デバイスを作った。確実なことを言うのは難しいが、世界で最初の自己学習する人口知能であった可能性は高い。

ミンスキーはコンピュータ科学だけでなく認知科学全般の発達にも絶大な影響を与えた。ニューロンは半自動的kに組織化される脳内リレーであり、そういうものとしてコンピュータのような機械にごく近いものとミンスキーは考えた。1960年にミンスキーは人工知能への歩み(Steps Toward Artificial Intelligence)という記念碑的論文を書き、人工知能実現への道筋を示した。

ある意味で、コンピュータは命じられたことしかできない。しかしある問題について、その正確な解決方法がわからなくても、われわれは機械に解決方法を検索するよう命じるプログラムを書くことができる。さまざまな解決方法の試みの巨大な空間を検索するわけだ。残念ながら、われわれがすぐに思いつくような当たり前のプログラムでは、検索のプロセスは驚くほど非効率なものになってしまう。パターン認識手法を用いれば、 コンピュータの作動を適切と思われる方向のみに制限することにより、プロセスを劇的に効率化することできる。また学習については、それ以前の体験を記憶し、参照することで検索を方向づけ、効率を改善することに役立てる〔ことと定義できる〕。 現実の状況を分析するにあたり、われわれがプランニングと呼ぶ手法を用い、探索をより適切な小さい範囲に限定することにより機械の作動は本質的な改良を受ける。最後に、 帰納的推論(Induction)の項で、われわれは知能機械を現実に得るために必要な広汎なコンセプトを検討する。

つまりミンスキーはコンピュータは単に「命じられたことを実行する」だけの機械ではなく、そうした枠をはるかに超える存在だと確信していた。こうしてミンスキーは後に人工知能と呼ばれるようになる分野を理論化し、プログラムを書き始めた。これは文字通り革命的な仕事だった。

コンピュータは20世紀が生んだもっとも可能性に富む機械だといえる。間違いなく、人工知能は21世紀に社会を根本的に変える最大の要素となるだろう。こうした変革をその最も早い時期に研究し始めたのがミンスキーだった。

ミンスキーは1957年に共焦点顕微鏡という有用な装置も発明している。ピアノをよく弾き、哲学者でもあり、優れた文筆家でもあった。またスタンリー・キューブリックの名作、 2001年宇宙の旅のテクニカル・アドバイザーを務めた。しかし、もっとも重要な点は、ミンスキーが当時生まれたばかりのコンピュータ科学に圧倒的な影響を与えたことだ。ミンスキー以後、コンピュータは単に命じられた作業だけをこなす「高速計算機」以上の存在になっていった。

画像: Steamtalks/Flickr UNDER A CC BY-SA 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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