つくばを起業文化の中心地に、筑波フューチャー・ファンディングが6社と提携しエコシステム形成を目指す

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筑波フューチャー・ファンディング(TFF)12105734_830473607051081_769199322616869736_nは、筑波大学とつくば研究所から多くの起業家を輩出すべく「イノベーションエコシステム」を構築することを目指している。TFFはその第一段階として、起業家を目指す学生のための起業講座の開講やStartup Weekendと協賛して「スタートアップウィークエンドつくば」などの起業家イベントを行ってきた。第二段階として2015年9月には、アイディアを形にする資金を募るための大学クラウドファンディングサービスを立ち上げた。本日、その第三段階としてそれらのアイディアを事業として確立させるため、会社設立からプロダクト開発、PR活動と事業のあらゆる面を支援するために民間企業6社と提携することを発表した。

提携先6社は次の通りだ。助成金や補助金申請の代行サービス「Jマッチ」を提供するライトアップ、仕事の受発注ができるクラウドソースサービスのランサーズ、秋葉原でモノづくり施設「DMM.make AKIBA」を運営するDMM.com、リリース配信サービスを提供するバリュープレス、京橋駅直結のイノベーションセンターSYNQA(シンカ)という場所を会員に開放するイトーキ、そして会社設立等のサポートを行うアリベルタ会計事務所だ。また、今回筑波大学・つくば研究所発のイノベーションエコシステムのアドバイザーにPixie Dust Technologies, Incの共同創業者、CEOの落合陽一氏が就任すると発表した。

TFFとはそもそも大学発のクラウドファンディングサービスを提供するために筑波大学出身経営者の会(筑波みらいの会)が中心となって2014年5月に立ち上げた一般社団法人だ。代表理事はあおむしマネジメント(AMC)代表取締役の佐々木敦也氏が務め、理事にはC Channel代表取締役社長、森川亮氏の名前もある。

日本全体としてはビジネスコンテスト、ハッカソンやクラウドファンディングは成長してきたが、大学発のアイディアや技術がサービス化や事業化した件数はまだまだ少ないのが現状とTFFのCOOを務める染谷悟氏は今回の提携の経緯についてTechCrunchに話した。経済産業省の大学発ベンチャー総数に関する調査結果では平成20年の1807件から平成26年でも1763件とほぼ横ばい状態が続いている。TFFではこれまでも学生向けに起業講座やハッカソンなどを開催してきたが、そのような場で何かを作ったり発表したりしても、サービスやプロダクトの事業化につながるものは少なかったと染谷氏は説明する。

また、クラウドファンディング自体は珍しいものではなく、学生でも自力で資金を集めてアイディアを形にし、プロダクトを世の中に出すことはできるが、それを達成できるのは一部の発信力があるような人たちに限られていると染谷氏は言う。TFFの取り組みでは提携先と協力し、夢や目標を実現したい人に寄り添って、各事業のステージに応じた手厚いサポートを提供するという。そうすることで起業家を育て、起業家の裾野を広げたい考えだ。

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TFFはこれに留まらず、次のステップとしてはVCと協力して、事業をさらに加速させることを考えていると染谷氏は話す。また、プロダクトのローンチ当初から海外にも発信できる環境を整えていく計画だそうだ。まだTFFで資金を募集しているプロジェクトの目標金額も数十万円程と少額だ。だが、中には「結」プロジェクトという数億円かかる人工衛星の打ち上げを50万円程度にコスト削減する技術を開発した研究室の人工衛星打ち上げプロジェクトといったものもあり、これをきっかけに有用な技術が大学内に留まらず事業化して広く利用されることになるかもしれない。

TFFは筑波の学生に留まらず、教員や卒業生のアイディアなども広く受け付けているそうだ。筑波大学を中心にまず起業家が台頭するエコシステムを築き上げ「日本のシリコンバレー」となることを目指す計画だ。