ネットメディアの次の一手は?キュレーションは量から質へ、分散型メディアはゆるいコミュニティー形成に注力

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年に2回、ネット業界のキーパーソンとスタートアップが参加する招待制イベントB Dash Camp 2016」が3月3日から3月4日にかけ福岡で開催している。初日のセッションでは、「スマートフォンメディアの次グロースとマネタイズ戦略」と題し、サイバーエージェント常務取締役小池政秀氏、グーグル出版コンテンツアジア太平洋統括部長佐藤陽一氏、エブリー代表取締役吉田大成氏が登壇し、モデレーターをユナイテッド取締役手嶋浩己氏が務め今後のスマホメディアのトレンドについて議論を交わした。ここではセッションで話題となったキュレーションメディアと今話題の分散型メディアの動向についてお伝えしたい。

キュレーションメディアのブランド化

ここ数年でキュレーションメディアやバイラルメディアが多数登場してきたが、そろそろこの市場は寡占化していきているのではないかと手嶋氏は指摘する。例えば、DeNAによるiemoやMERYの買収やサイバーエージェントのSpotlight、Gunosyといった大手プレーヤーが台頭してきた。その中でどのように競争に生き延びるかについて手嶋氏はサイバーエージェントの小池氏に尋ねた。キュレーションメディア「Spotlight」やテレビ朝日とのジョイント・ベンチャーである「Abema.tv」などの事業に関わる小池氏は、以前よりFacebookのいいね!獲得合戦や記事数を増やしたりするような体力を競う競争は落ち着いてきているのではないかと話す。現在はトラフィックを追うだけでなく、いかに自分たちが一次情報を発信し、各記事の品質を上げていくかのステージに移行してきていると言う。Spotlightのトラフィックをこれ以上拡大するのは難しくなってきた段階に来たこともあり、記事の質を上げてユーザーのエンゲージメントを促すことが本質的にメディアを育てていく方向に向かっている。メディアのマネタイズの側面においてもアドネットワークを活用すること、そして広告でも良い記事を書いていかなくては売れなくなるのではないかと話す。

分散型メディアはリーチ重視

最近注目を浴びているメディアの形態と言えば「分散型メディア」だ。分散型メディアは自社メディアを持たず、Facebook、YouTube、Twitter、Instagramなどのプラットフォームにコンテンツを配信することに特化している。エブリーでは美容に関連する「KALOS」や料理動画の「DELISH KITCHEN」といった分散型メディアを展開している。エブリーはインターネット企業にも関わらず、コンテンツ制作にのみ注力し、エンジニアはいない。そのような企業が出てきたことは象徴的な出来事と手嶋氏は言う。吉田氏は動画や記事といったコンテンツを見るだけなら自社メディアを運営する必要性もあまり感じられず、他社のプラットフォームに依存していても良いと考えていると話す。そもそも分散型メディアを始めたのもメディアにとってリーチが重要と考えたからだそう。ユーザーのスマホ画面はすでにアプリでいっぱいになっていて、実際に使っているアプリはさらに少ない。そこに新たなアプリを食い込ませるのは難しいと吉田氏は説明する。コンテンツを配信してもユーザーにリーチできなければ意味がなく、FacebookやTwitterのプラットフォームを使ってユーザーにリーチすることに特化していると話す。

しかし分散型メディアは、ユーザーからしたら「Facebookに流れている一つのコンテンツ」という認識に留まってしまう危険性もあるだろう。分散型メディアのブランド作りは難しいのではないかという手嶋氏の問いに、吉田氏は不安もあると言う。ただ、エブリーの強みは、メディアとユーザー間のコミュニケーション、そしてユーザー同士のつながりにあると考えていると言う。若いユーザーはSNSに親しみ、気軽に他のユーザーに声をかけたり、芸能人からでも反応が得られたりすることに慣れている。エブリーがFacebookに配信するコンテンツのコメント欄にも1日数百件、時には1000件以上のコメントが寄せられるそうだ。それに返信するのは手間ではあるが、メディアがユーザーとのコミュニケーションを大事にすることでエンゲージメントを促すことができるという。また、Instagramなどのプラットフォームのハッシュタグ機能でユーザー間のゆるいつながりが生まれているそうだ。そこからユーザーが自社の他のコンテンツを見て回ることもあれば、他のユーザーとの交流が発生することもあるという。コンテンツもそうだがコミュニティーも分散化していることが分散型メディアの強みになるだろうと吉田氏は説明する。

分散型メディアのマネタイズについて吉田氏は、従来のメディアのようなタイアップ広告、そしてテレビ番組のような一社提供のスポンサーの獲得に注力すると言う。そして、ゆくゆくはFacebookなどのプラットフォーム事業者からの収益が得られることに期待していると話す。プラットフォーム事業者がコンテンツ製作者に収益を回すことで、より良いコンテンツ作りができ、健全なエコシステムが回るようになるようになるのではないかと吉田氏は話した。

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