モバイルコンシェルジェサービス「Haptik」、インド大手メディアTimes Internetから1120万ドルを調達

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インドのモバイルコンシェルジェサービスHaptikは、同国の巨大メディア企業Times Internetから出資を受けた。今回のシリーズBでの調達額は公表されていないが、TechCrunchがこの案件に近い筋から得た情報によると1120万ドルであったとみられる。

2014年にサービスを開始したHaptikは、同じ年にシードラウンドで100万ドルを調達している。Haptikはユーザーのあらゆるリクエストに対応し、問題を解決をするという点において、アメリカで話題のスタートアップMagicと比較されることが多い。しかし、リクエストを整理し取捨選択するのにMagicはSMSを利用する一方、Haptikには独自のチャットアプリがある。

「あなたが忙しいのは良く理解しています。やっかいな問題はHaptikのアシスタントに任せて、あなたには人生のもっと大事なことに注意を向けてもらうためのサービスです。ほんの数分であなたの厄介ごとを片付けます」とHaptikのホームページにある。

Haptikはこのアイディアで、iOSとアンドロイドでこれまでに100万ダウンロードを突破し、Samsungとのパートナーシップも獲得した。この提携でSamsungはインドで販売するGalaxy S7とGalaxy S7 Edgeにプリインストールしているコンシェルジェサービス「My Assistant」の実務を支えるのにHaptikを採用した。

Haptikによると、毎月50万件のリクエストを処理しており、その中でもっとも多いは、買い物、旅行、食品の配達、レンストランの予約、携帯電話の料金プランに関するものだという。Haptikは多数のユーザーの関心が得られるということを証明し、前述のようなリクエストに対応する企業との提携に至った。EコマースのFlipkart、ホテルなどのオンラインブッキングサービスのCleartripやVia.com、都市に暮らす人々へ多様なサービスを提供するUrbanclap、レストラン予約サービスのDineoutなどだ。

今のところ、Haptikのサービスは「数多くの」人間のコンシェルジェによって提供されているが、Facebookがアメリカで試験的に行っているコンシェルジェサービス「M」のように、今後は人工知能の活用に軸足を移す方針である。AIの利用がうまくいけば、Haptikとユーザー、どちらにとっても好都合だ。人工知能によってユーザーは人間のコンシェルジェよりも早く回答を得られるし、Haptikはバランスシートから人件費を削減できる。Haptikによると、現在すべてのリクエストのおよそ4分の1が人工知能によって処理されているという。

Times Internetと組むことで、インド国内でのHaptikの知名度上昇、そして利用者の増加が見込まれる。ニュース、スポーツ、Eコマースなど多くのオンラインメディアビジネスを展開するこのメディア企業は、毎月約1億5000万人の利用者との接点があるという。

Times Internetにとって今回のいわゆるオンデマンドスタートアップへの投資は、ここ最近で二度目になる。昨年11月、Times Internetはモバイルに特化した仕事の受発注サービス Taskbucksの過半数の株式を買収した。Times Internetの当時のCEO(現マネージングディレクター)のSatyan Gajwaniは、「近々、ニュースになるような取り組みが1つ、2つあります」と語っていたが、今回の件はその1つとみられる。

「Haptikはユーザーに魔法のような素晴らしい体験を提供でき、Haptikの手法はチャットを利用したビジネスという世界的に流行しつつあるトレンドに適っている。現在のユーザーとの相性も抜群で、Haptikには利用者を拡大しながら、継続してサービスを刷新していくためのサポートを提供したいと思います」と、マネージングディレクターになったGajwaniに代わって最近Times InternetのCEOに就任したGautam Sinhaは声明の中で語っている。

確かに、チャットは(世界の他の地域は言うまでもなく)インドにおいて主要なコミュニケーション手段になりつつあり、この南アジアの大国はWhatsAppにとって世界最大のマーケットの1つである。それに加えて、近ごろ250万ドルを調達した消費者と小売業者をつなぐプラットホームサービスのLookupのようなスタートアップがこの国で成功し始めている。もちろん、Facebookがこの地で活躍の場を拡大しようとするなら状況はより複雑になるだろう。世界でも指折りの人口を抱えるインド市場はそう遠くない将来、Facebookの次なるターゲットになることは確実である。

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(翻訳:Iijima Manabu)