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FLIRとMovidiusが使ったスマート感熱カメラはより高度なIoTの姿を予見させる

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今年で38歳にもなるFLIR Systemは、高度な、そして小型の感熱画像センサーとカメラを作って、モバイルのスタートアップたちがひしめくコンピュータビジョンの世界に独自の足場を固めている。その同社が今朝(米国時間4/18)、Boson Thermal Cameraという新製品を発表した。Bosonは小型の感熱カメラで、さまざまな用途がありえる:

  • 熱画像の撮影—80年代のシュワルツェネッガー主演映画「プレデター」でおなじみのやつ。
  • セキュリティやマーケティングのための顔認識
  • 歩行者認識(人数を数えたり、彼らの動きや活動を検出する)

MovidiusのJack Dashwoodによると、もっともっといろんなことができる、こういうカメラをソフトウェアで操作すれば、インターネットで悪評を浴びたCSIのズーム技術みたいなことでも、という*。〔*: CSI、テレビの人気連続刑事ドラマCrime Scene Investigation(現場科学捜査)。〕

製品の機能はともかくとして、ぼくはBosonに二つの点で関心を持った(誰もが愛するプレデターの視界を除いて)。ひとつは、小型化がさらに進んでいるので、対話的なアイウェア(eyewear, 眼鏡)への応用がありそうなこと。第二に、Bosonはプロセッサーを内蔵していることだ。それは、SoC, system-on-chipと相並ぶSoS, System-on-Sensorという新しいトレンドだ。

小型化

Bosonは、FLIRの前の機種TAU 2に比べて、サイズは半分、体積は1/10、重さは1/7、電力効率は2倍だ。今回の小型化は、Movidiusとのパートナーシップで可能になり、同社製のMyriad 2チップを使っている。Movidiusの小さな12コアの低電力消費プロセッサー(本誌記事)により、Bosonは前よりもずっと小さくなった。

そのために対話的なアイウェアやスマートグラス、ヘルメットなどへの装着が可能になり、それらのウェア自身も小型化と効率化が可能だ。これまでのヘッドアップディスプレイは、不格好でばかでかいだけでなく、そのために機能にも性能にも制限があった。

Tau 2 vs Boson

System-on-Sensor

もうひとつ重要なのは、System-on-Sensor(システム内蔵型センサー)という、新しいトレンドが予見されることだ。つまりプロセッサーを内蔵できるだけではなくて、センサーにいろんな新しい能力を実装できる。たとえば12コアのMyriad 2チップなら、Boson自身が画像を処理して結果(熱画像情報)をユーザーに提供できるだろう。顔認識アルゴリズムを、Boson自身がリアルタイムで実行することもできる。クラウド上などの別のサブシステムに処理をオフロードしなくてもよい。

低電力だからやれることに限界はあるが、でも一般にこういうSoSチップは今後のIoT(Internet of Things、物のインターネット)の能力を一段と高めるだろう。センサーがシステムをあらかじめ持っていれば、ほかの機器等とのネットワーキングもわりと簡単にできるようになる。

Peter Diamandisが唱える、10年後の一兆個のセンサーが支える経済が実際に訪れるなら、それはまさに、こんな現場&リアルタイムなカメラの上でニューラルネットワークが動き、情報を“記録する”のではなくて、“情報に対応して何かをする”世界だろう。小型の熱カメラ自体は小さな進歩でも、BosonとそのSoSは大きな未来を予見させてくれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))