YouTubeが360度ライブストリーム動画と空間音声に対応

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YouTubeは本日、360度のライブストリーム動画に対応すると発表した。これは以前、そのような機能が開発中であるとした報道を裏付けるものだ。音楽イベントCoachellaのライブストリームで初めてこの没入的な動画形式を活用する。フェスでのいくつかのパフォーマンスは360度動画で生中継される予定だ。

また、オンデマンドYouTube動画に空間音声(spatial audio)が対応するとした。

今回のローンチでYouTubeは、大規模に360度ライブストリーミング動画と空間音声を展開する初のサービスとなる。

空間音声とは、人が実際に聞くのと同じように音を再生することを指す。YouTubeは、現実世界で人が音を聞くように聞こえると説明し、「奥行き、距離、音の強さ、全てが関わっています」とYouTubeのChief Product Officerを務めるNeal Mohanは同社のブログに記載している。

Googleは他の自社製品のラインナップに空間音声を適応している。それには最も重要なVRプラットフォーム、Google Cardboardも含まれている。1月にGoogleは開発者が自分たちのアプリにも空間音声を適応できるよう、UnityとAndroid用のCardboard SDKをアップデートした。なので、その技術をYouTubeにも展開したということなので驚きはない。

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ローンチ時には、ライブ動画ではなく、オンデマンド動画でしか空間音声を利用することはできない。つまりCoachellaのコンサートのストリーム動画では空間音声を利用する選択肢はないということだ。また、この機能はAndroidのスマホでヘッドフォンを使う場合に限定される。(Googleはサンプルのプレイリストをここに掲載している。)

今日の大きなニュースは別にある。360度ライブストリーム動画のローンチだ。

YouTubeのクリエイターがこの新機能を活用するのに必要なのは、この技術に対応したカメラだけだ。それ以外は既存のライブストリーミングを行う手順と同じであるとYouTubeは説明する。

YouTubeはさらに、同サービスのライブストリーム動画は1440p 60fps解像度に対応すると発表した。ライブストリーム動画の1440pは、通常のHD解像度1080pより70%もピクセル数が多いということだ。どれほど向上したかが分かるだろう。高い解像度とフレームレートは、360度動画の体験を向上させるだけでなく、ゲーム動画のストリーミングもさらに楽しめるようにする。YouTubeが展開するTwitchの強豪サービス、YouTube Gamingにも役立つということだ。

エンドユーザーからすると、360度ライブストリームを視聴するのに、追加で必要な技術やヘッドセットはない。デスクトップ、タブレット、iOS、Androidのどの端末でも視聴可能だ。他で開発中のハイエンドのVR技術はコンシューマーに多額の先行投資を求め、さらにコンテンツ不足で苦戦していることを考えると、Googleのサービスは使用しやすい。

(360度動画の例)

360度ライブストリームと空間音声の両方に対応するため、YouTubeはカメラとソフトウェアのベンダーと協力した。それには、VideoStitch、Two Big Ears、ALLie、Vahana VR、Orah 4iらが含まれていると伝えている。

また、本日YouTubeは「Live API」を開放すると伝えた。360動画に関心のあるカメラ企業は、YouTubeのライブストリームAPIを使用して、YouTubeに360度ライブストリーム動画を配信することができる。業界内でライブストリームをどのように浸透させるとかという課題へのYouTubeの施策だ。市場にある異なるソリューションや製造企業の製品にどのように対応するかということへの具体策だ。

もちろん、全ての動画クリエイターが360度ライブストリームや空間音声を試すためだけに装備に投資することはできないだろう。そこで、クリエイターはこれらの技術を「YouTube Space」のスタジオで試すことができる。

ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、東京、パリ、ベリリンなどの都市にYouTubeはスタジオを開設している。このスタジオでクリエイターはコンテンツを制作したり、スキルを習得したり、当地の動画コミュニティーと協力して動画を制作することができる。YouTubeは360度ライブストリームと空間音声も全世界のSpaceのスタジオで利用可能であると伝えた。

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これらのローンチはYouTubeにとって重要なことだ。彼らは最新技術でより広範なオーディエンスの獲得することに大きな賭けしている。YouTubeのコンテンツを消費しているのは、これまで以上に若い層で、特にモバイルでそれが顕著だ。YouTubeは昨年7月に動画視聴時間は前年比60%増加し、モバイルでの視聴は2倍になったと伝えた。

YouTubeがこれらの技術への投資とローンチまでの時間は注目に値する。昨年3月に360度動画に対応し、今日の発表によると、この機能を複数のミュージシャンアスリートブランドが採用したという。また、自社のVRカメラである Jump VR動画カメラを 2015年のI/Oカンファレンスで発表した。これは2015年後半からクリエイターの手に届けている。

昨年11月にはGoogle CardboardをVR動画(360度動画に奥行きを持たせたもの)に対応し、全てのYouTube動画をCardboardで視聴可能にした。

これらのテクノロジーは動画でストーリーを伝える新たな手段だが、まだ最新のものであるために長期におけるエンゲージメントや視聴時間といったユーザーの視聴指数を伸ばすことができるものであるかは分からない。だが、コンシューマーの間では360度動画やVRへの関心が高まっているのは事実だろう。例えば、Googleは今年の1月、これまでに500万個のCardboardビューワーを出荷したと発表している。

本日から、誰でもYouTubeで360度動画でライブ配信ができると同社は伝えている。Coachellaは週末に開催予定で、YouTubeのサイトにおける新ライブストリーム機能で配信する最初の一大イベントとなる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter