ランサーズがライター特化のポートフォリオを公開、「WEBライティング技能検定」の是非も聞いてみた

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クラウドソーシングサービス「ランサーズ」を手がけるランサーズが続々新サービスをリリースしている。3月30日には、配信したメールマガジンをウェブコンテンツ化することでコンテンツマーケティングを実現する「Propag(プロパグ)」を公開。4月19日には、個人のスキルを売買するマーケットプレイス「ランサーズストア」を公開している。そして4月25日には、ライター向けのポートフォリオサービス「Quant(クオント)」を公開した。

ライター1300人のポートフォリオを掲載

Quantはランサーズの社内ツールとして活用してきたツールをベースにした、ライター向けのポートフォリオサービスだ。ローンチ時点ではランサーズ上で活躍するトップクリエーター(ライター)1300人のポートフォリオを掲載する。サービスの利用は無料だが、クリエーター登録にはランサーズのIDを取得の上、ランサーズ側での審査に合格する必要がある。

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ポートフォリオのイメージ

サイト上では、クリエーターが登録するプロフィールや実績のほか、オーディエンスデータやエンゲージメント、ソーシャル拡散といった指標をランサー単位で表示できる。このポートフォリオは、ランサーズの法人向けサービスである「ランサーズ for Business」を利用する企業に無料提供される。

最近では朝日新聞社によるサムライトの買収などもあったが、クラウドソーシングを使ったコンテンツマーケティングのニーズはまだ増加中だとという。少し前の資料だが、ランサーズでもコンテンツ制作に関する依頼は2015年4月から11月の半年で4倍に伸びているという発表(実数は非公開)をしている。

そこで求められるのは、自分たちのマーケティングのために最適なコンテンツをどう作るかということ。Quantを利用すれば、例えば「旅行系の記事で30代の女性に対するソーシャル拡散や読了率が高い人」なんて条件で最適なライターを見つけることができるとしている。

実際この1300人はクライアントからの評価も高く、その結果高単価で仕事を受注しているのだそうだ。「単価は公表していないが、プラットフォーム上でやり取りされている金額の3〜5倍程度の金額で受注している」(ランサーズ)とのこと。

WEBライターの検定資格についても聞いてみた

ポートフォリオ自体は質の良いライターに仕事が回る仕組みでポジティブなモノだが、このタイミングで「クラウドソーシングで働くライター」と聞くと、最近ソーシャルメディアで話題になった「WEBライティング技能検定」の話にも触れざるを得ない。

1週間ほど前にいくつかのブログでこのWEBライティング技能検定の教材の品質に問題があるのではないか、また検定を受けるまでに4万円以上の費用がかかるのは高すぎるのではないか、ということが話題になった(実際に問題集を購入した方のブログ「Webライターとして生きる」などに詳しい)。例えば、「一次ソースの『ソース』の意味を答えよ」という内容の4択問題の選択肢の1つに「つけ汁のこと」という、おおよそ間違いようもないようなトンデモな内容が含まれていたりするのだそう。また検定の解答速報(筆記問題のみ)や例題はCPAJのサイト上で閲覧できるが、一例を挙げると「ハンドメイドについて240 文字以上300 文字以内で記述してください」といったもので、テーマと文字数を設定しただけの“作文”だったりする。そんな検定を主催しているのは一般社団法人 日本クラウドソーシング検定協会(CPAJ)。その理事の1社がランサーズなのだ。

この検定にまつわる騒動についてランサーズに尋ねたところ、「検定内容の制作に携わっておらずコメントできない」「協会の理事を務めるため、協会の公式見解が出るまで発言できない」とのことだった。そこでCPAJにも直接コンタクトをとってみた。

CPAJでも今回の騒動については把握をしているという。代表理事の南雲宏明氏はブログ等で指摘された内容が検定の教材であるとした上で、「半年かけて真剣に作ってきた。内容には自信がある」と語った。だが、先ほどの“つけ汁”のような選択肢が含まれた問題だって存在するわけだ。その点については「たまに関係のない、クスッとなる選択肢を入れて試験に飽きさせないようにする意図もあった」「個人的には誤解を招くような問題はなくすように至急動いていく」(南雲氏)とした。また価格については、「試験料や資格発行料など、(販売元である)ヒューマンアカデミーと決めた。一般の資格に準拠している」と説明した。

そもそも、この検定はすでにライターとして活躍している人ではなく、クラウドソーシングを通じてライティングに挑戦しようとしている入門者向けのものだと考えているという。実際、検定を採点するとほぼ満点を取る人か、半分ほどしか正解しない人に二分されるのだそうで、ライティングの知識がある程度あれば満点に近い点数を取れるような内容なのだそうだ。南雲氏はブログなどで指摘した人たちはそういった知識がある人たちだったのではないかとした。この検定はそんな人に向けたものではないということだろう。

また「技能検定」という名称が付いているが、これが職業能力開発促進法で定められた検定の為の名称ではないかともソーシャルメディア上で指摘されていた。これについては「今回の話以前から確認しているが、各所で『民間資格』とうたっているので問題ないという認識。ただしあまりに誤解を招くようであれば(名称変更を)検討したい」としている。

「色んなご意見があると思うが、関係者や各理事にもチェックを頂き、ヒューマンアカデミーとも立て付けを検討した。クラウドソーシング業界は慢性的に人が足りない。たくさんの人にクラウドソーシングのあり方を知って頂きたいというのがもともとの趣旨」(南雲氏)