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Spirocallは専用アプリなしで世界の誰もが肺の検診を受けられるサービス

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最近のスタートアップの多くは利己主義で近視眼的だと批判されることがある。そうした時代に「今までなぜこういうテクノロジーの応用がなかったのか?」と思えるほど画期的で、しかも実際に人々のために役立つサービスを発見するのはすばらしい経験だ。

Spirocallはまさにそのような例だ。無料通話番号に電話するだけで世界中の誰でも肺の健康診断を受けることができる。そう聞けば話がうますぎると思われるかもしれない。しかしこれは現実のサービスで、しかも実際そのとおりに機能する。

肺の疾患は世界で毎年何十万という命を奪っている。しかも喘息のような慢性疾患の患者は何百万人にもなる。途上国の遠隔地では状況は一層悪い。検診を実施できる医師も設備もほとんど存在しないからだ。

プロジェクトのニュースリリースで、サービスを開発したチームのメンバーであるワシントン大学の博士課程の大学院生、Mayank Goelは「一部の地方ではそのような検診を受けるために何日も旅行しなければならないことがある」と述べている。

Spirocallは肺機能の検診で重要な役割を果たすスパイロメーター(肺活量計)という機器の機能を再現する。このサービスは肺がどれほどの空気を吸入、保持できるかを音響によって測定し、これによってさまざまな重要な診断が可能になる。しかも診断を受けるためには普通の電話で息を吐き出すだけでよい。

チームを指導したワシントン大学のShewak Patel教授は「われわれはこのサービスをスマートフォン、フィーチャーフォン、固定回線、公衆電話、その他あらゆる種類の電話に対応させた」と述べた。

プロジェクトがスタートした2012年だが、まずスマートフォンのみに対応するアプリが開発された。しかしその後チームはアメリカ、インド、バングラデシュで4000名以上の患者からデータを収集し、サービスをクラウド化することに成功した。

ユーザーは 1-800の無料通話番号に電話するだけでよい。電話の指示にしたがって息を吸い込み、強く吐き出す。.この音がサーバー側で過去のデータと照合、分析され、肺活量が測定される。原理はシンプルだ。

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テストの結果、Spirocallの測定は商用医療機器である肺活量計の測定との誤差が6.2%であることが判明した。誤差の範囲として十分に実用的な数値だった。強く息を吐き出すことができない患者や十分に感度の高い電話にアクセスできない人々のために3Dプリンターで出力可能な一種のホイッスルも用意された。このデバイスは息を吐き出す音を増幅して診断に役立てる。

われわれの取材に対し、Goelはメールで「さまざまな種類の電話のさまざまなマイクに対応させることがシステムの精度を高める上で非常に重要な意味を持った」と書いている。このシステムは電話の種類と性能をその場で判断することができる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+