ブロックチェーンで経理効率化、複雑化するサプライチェーンに挑む、レジュプレスとPwC

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企業の送金コストを削減し、「サプライチェーンの複雑さ」に対応するためにブロックチェーン技術を投入する試みが登場した。ビットコイン取引所coincheckやビットコイン決済のビジネスを手がけるレジュプレスと、大手コンサルティングファームPwCコンサルティングが手を組み、ブロックチェーンを活用した企業間送金の実証実験を開始する(発表資料)。

実証実験の当面の狙いは、国境をまたぐ2社間の送金を合理化することだ。例えば一定期間の債権・債務を相殺するネッティングや請求書の電子化、請求項目の消し込みなどの合理化により、業務の効率化を図る。合わせて仮想通貨を活用し、為替交換手数料を削減する。レジュプレスは、仮想通貨を送金に活用することで「送金金額を数パーセント削減できる」と試算する。例えば、日本円と米ドルの間の送金では1円のスプレッドが上乗せされているし、他の通貨ではスプレッドはさらに開く。送金コスト圧縮は、企業にとってすぐ手に入る直接的なメリットといえる。

以上に加えて、セキュリティの検証、それに企業側の障壁(財務、法務的なリスク評価、採用の意思決定に至るステップなど)についても検証する。

「仮想通貨の本質的な価値はお金の移動(トランザクション)を低コストに素早く行える側面にある。海外送金のさい支払っているばく大な為替レート手数料と送金手数料を低コストにすることで、企業は利益率を向上できる」とレジュプレスCOOの大塚雄介は話している。

複雑化するサプライチェーンの透明化を目指す

送金の低コスト化はすぐ目に見える直接的なメリットだが、今回の実証実験はさらにその先のメリットも見据えている。サプライチェーンの透明化だ。特にアジアに進出している製造業分野で顕著だが、サプライチェーンの複雑化に伴い「あるはずの部品がない」といった契約不履行の事案が増えているとのことだ。企業の会計監査を手がけるPwCではこのような企業のニーズを把握し、この課題の解決策としてブロックチェーンに注目、不動産売買から大手Webサイトまでビットコイン送金で実績があるレジュプレスと組むことにした。なお、今回の実証実験で用いるブロックチェーン技術、仮想通貨の固有名詞は発表されていない。

ブロックチェーンは簿記と会計のイノベーションだとの指摘もある(Joi ItoのBlogエントリ)。ブロックチェーンや仮想通貨を使うことで企業の経理会計にメリットがあることが実証できれば、そのインパクトは大きい。金融業界に続き、会計経理業務を見ているコンサルティング大手からブロックチェーンへ取り組む動きが出てきたことには意味がある。実証実験の結果を待ちたい。