Apple、中国最大のタクシー配車アプリ、滴滴出行に10億ドル出資

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今日(米国時間5/12)、Appleは中国最大のタクシー配車アプリ、 滴滴出行(Didi Chuxing)(以前の滴滴快的、Didi Kuaidi)に10億ドルを投資することを発表して世界を驚かせた。

滴滴出行はアメリカでは「Uberの中国版」と説明されることが多いが、中国ではすでにUberをはるかに引き離してトップシェアを獲得している。同社は昨年1年で10億回配車しており、中国のタクシー配車サービス市場の87%を占めた発表している。

Reutersのインタビューに答えて、AppleのCEO、Tim Cookは「われわれが投資を決めたのはいくつかの戦略的な理由による。これにはこうした中国市場についてさらに実地の知見を得たいという動機も含まれている。もちろん投資自体も十分な利益を生むと信じている」と述べた。

一方、滴滴出行はReutersに対し、「(Appleの投資は)わが社として過去最大の資金調達ラウンドだった」と認めた。このインタビューによれば、同社は毎日1100万回の配車を実施し、このプラットフォームを利用するドライバーは1400万人に上るという。Apple以外の大株主にはTencent、Alibabaという中国の2大インターネット企業に加えて日本のSoftBankが含まれる。

2月のWSJ記事によれば、当時、滴滴出行は評価額200億ドルで10億ドルの投資を受け入れる交渉の最終段階にあるということだった。同社の幹部はAppleがこの投資ラウンドのメンバーであることを認めたが、会社評価額を明かすことは避けた。TechCrunchはAppleにメールでさらに情報を求めていた。

プレスリリースで滴滴出行のファウンダー、CEOの程维(Cheng Wei)は「〔10億ドルの投資という〕Appleからの信任を受けたことはわれわれの過去4年間の努力に対する非常に大きな激励であり、インスピレーションの源だ。信頼性が高くかつ柔軟な移動手段をあらゆる人々に提供すべく、滴滴チームはドライバーや世界のパートナーと共に日々懸命に努力している。また中国の都市が抱える交通機関、環境、雇用の問題を解決するためにも協力している」と述べた。

中国はApple最大のiPhone市場となる途上にあったが、最近そこで激しい競争と若干の後退を経験している。Apple中国でアメリカ企業としては比較的自由に行動できていたが、中国政府はiBooks Store、iTunes、映画の各サービスを現地でのスタート後わずか半年で閉鎖を命令した

それに加えてAppleの中国市場での売上は依然伸びているとはいうもの、中国経済の成長の減速にともなって、伸び率は大きく減少している。またスマートフォン市場そのものにも需要の減退が感じられていた。Appleが中国市場に強く依存していることは、カール・アイカーンのような「もの言う株主」の懸念を高め、Appleの持ち株をすべて手放すという行動を取らせた。

滴滴出行への出資でAppleは中国におけるスマートフォン以外のテクノロジー市場への足場を築くことができた。もし滴滴出行がCarPlayを利用するならAppleは中国でソフトウェアやサービスを販売する有力なチャンネルを手に入れることができる。またソフトウェアやサービスを中国市場に適合させるために欠かせない中国のユーザーに関する貴重なデータを入手することもできるだろう。もしApple版の自動走行車が実現した際には滴滴出行は有力なユーザーになるはずだ。

画像:: August_0802/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+