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ライセンス切れによるPayPalのトルコ撤退、数十万人に影響

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国内の技術事業に対する地域的支配を強めているトルコの新たな犠牲者となったのは、アメリカの大手オンライン決済企業PayPalだった。同社は、サービスライセンスの更新ができなかったことから、6月6日をもってトルコでの事業運用を中止すると発表した

PayPalはTechCrunchに対し、この事業撤退により数万社の企業と数十万人の消費者に影響すると語った。

広報担当者もTechCrunchに対して今回の撤退を認め、2回に分けて撤退の裏にある理由を明かした。

最初は、金融監督機間であるBDDKによるライセンス申請の却下についてPayPalのローカルサイトに掲載されたトルコ語のメッセージを忠実になぞった文書だった。

「残念ながら、Paypalがトルコでの事業を中止することになったことをお知らせします」と、同社の文書には述べられていた。「2016年6月6日付で、トルコのお客様はPayPalを利用した送金や金銭の受領ができなくなります。お客様は、引き続きPayPalアカウントにログインしてアカウント残高をトルコ国内の銀行に引き出すことができます」。

「PayPalは、お客様をサポートすることを非常に大切にしています。しかし、トルコにおける支払機間としてのライセンス申請が現地金融監督機間によって却下され、トルコにおける事業を中止するように指導があったため、トルコにおける支払い処理を中止せざるをえなくなりました」。

ライセンスが却下された理由を聞かれた広報担当者は、ITシステムがトルコにローカライズされることを求めた新しい規則が原因であるとした。PayPalは幾つかのグローバルハブにITを分散させている。

「当社のサービス撤退は、BDDKが監督する新しい国家規則により、PayPalがITシステムを完全にトルコ向けにローカライズすることを求められた結果です」と、広報担当者は言う。「PayPalは、国内でITインフラを展開させたいというトルコの意思を尊重しますが、200以上の市場で運用されているグローバルな支払いプラットフォームを利用しており、単独国家において専用の技術インフラを持つローカルな支払いプラットフォームを保持してはいません」。

2015年に親会社のeBayから独立し、現在は460億ドルの資産価値があるとされるPayPalが、世界に何個のデータセンターを持っているのか、あるいはトルコの事業を扱っているのがどこのハブなのかは明らかになっていない。現在同社に質問中であるため、詳細がわかり次第アップデートする。

ここ数ヶ月、技術に関連してトルコが話題になっているが、特にポジティブな理由からではない。4月には、トルコ国民およそ5000万人分(全人口8000万人の過半数)の個人データがオンラインで流出した。これはデータを公表することでトルコのITインフラの老朽化を強調し、この問題についてレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とその技術政策を非難しようとする、ある活動家(あるいは複数の活動家)の仕業とみられる。

もちろん、単純に技術の話というわけではない。トルコはテロ攻撃の標的となっており、それがエルドアン大統領の鉄拳制裁アプローチを正当化する理由となると考える人たちもいる。

エルドアン政権は、前任者たちよりも技術分野での支配力を強めようとしており、現在までのところ、特にその動きが顕著な分野がソーシャルメディアである。TwitterFacebookRedditなどのサイトは、ポルノ、ドラッグ、テロリズム、違法なファイル共有、その他トルコの初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルクに関するネガティブまたは疑義のあるコンテンツをホストするサイトをブロックする権限を監督官に与えるトルコの検閲法の対象となっている。

Twitterは、削除要請を拒否したツイートについて支払いを求められている罰金について抗議するため、トルコに対する訴訟を起こすに至っている。

TechCrunchでは、引き続きこの話題について他の企業に影響があるか、あるとすればどのようなものかを監視していく。PayPalの現地競合企業であるIyzicoは、現在もサービスを提供中である。

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(翻訳:Nakabayashi)