民泊営業「年180日以下」が閣議決定、事業者に影響を聞いた

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政府の規制改革会議が6月2日、個人宅の空室を有料で貸し出す「民泊」について、営業日数の上限を「年間180日以下」とすることを条件に解禁する方針を閣議決定した。今後は所管省庁である厚生労働省と観光庁で営業日数の上限を確定し、2016年度中に法案を提出する。

法的にグレー、黒に近いグレーと言われつつも急速に普及する民泊。今回の閣議決定で個人宅の民泊が解禁される一方で、民泊事業者からは営業日数制限に反発の声が上がっている。どんな影響があるのか? まもなく民泊物件仲介を開始するスペースマーケットCEOの重松大輔氏に聞いた。

――民泊事業への影響は?

民泊事業の発展を阻害するものだと思っている。投資の回収が困難になることで参入事業者が減る可能性がある。営業日数を規制せずに、問題があれば上限を設定するアプローチを取ってほしかった。

――そのほかに問題点は?

住宅の提供者は通常、Airbnbをはじめ複数のサービスに登録して部屋を貸し出している。われわれ事業者としては、他のサービスを通じて貸し出した宿泊日数を把握するのは難しく、どこまで厳密に営業日数を管理できるか不透明な部分もある。

――スペースマーケットとしてはどう対応する?

法律が施行されれば、上限にのっとってサービスを提供する。弊社はスペースの一時貸しが本業なので、民泊施設を(宿泊させずに)会議やパーティーなどの用途で貸し出すことになるかもしれない。

――政府に対して何らかの行動を取る?

(重松氏が代表理事を務める)シェアリングエコノミー協会として意見をとりまとめ、反対意見を表明する予定だ。今までグレーな部分があった民泊が白になったのは大躍進ではあるが、やはり上限規制はよろしくない。

日本は旅館業法上、原則として宿泊業はホテルや旅館に限定されている。家主が不在にもかかわらず、不特定多数の人を対象に、継続的に宿泊費を徴収する場合、営業許可がなければ違法となる。

閣議決定では、住宅提供者や不動産業者がネットを通じて届け出をすれば、旅館業法上の許可なしで部屋を貸し出せるようにするとともに、宿泊者名簿の作成や衛生管理を義務付ける内容などを盛り込んだ。(2日に閣議決定した「規制改革実施計画」のPDF、民泊に関する記述は23〜24ページ)

日経新聞によれば、民泊の営業規制をめぐっては、シェアリングエコノミーを推進する新経済連盟の三木谷浩史代表理事も「過剰規制は不要だ」とコメント。その一方、ホテル・旅館業界からは「宿泊者の安全が担保されない」などと規制強化を求める声が上がっている。TechCrunch Japanが内閣府に確認したところによれば、営業日数の上限は年90日の英国、年60日のオランダなどの例を参考に調整を図るという。