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$30Mを投じたスーパーコンピューターStampede 2は18ペタフロップスを誇り利用は研究者向けに一般公開へ

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世界のスーパーコンピューターの上位5機たちの、地位が危うくなってきた。テキサス大学が3000万ドルを投じたStampede 2が、追い上げている。そのピーク時処理能力18ペタフロップスは、CrayのTitanやIBMのSequoiaと肩を並べる。中国のTianhe-2(天河二号, 33.86pFLOPS)には、まだ及ばないが。

その建造目的は、大規模な数値処理を必要とする研究者が誰でも利用できる、世界クラスのスーパーコンピューターを作ることだた。たとえば原子力工学や環境科学の分野では、シミュレーションに膨大な計算力を要する。それらはデスクトップコンピューターなら数年かかるが、スーパーコンピューターなら数日で完了する。

たとえば下図のコロイド状ゲルのシミュレーションでは、75万個の粒子類似体のすべての動きと相互作用を究明しなければならない。

Zia_Colloidal_Gel_Panel2[1]

あるいは下図の、創始期超新星のレンダリングでは、2000立方キロメートルの一般相対論的電磁流体中のすべての擬粒子(?)のエントロピーを追跡しなければならない。

magnetohydrodynamics

お分かりかな?

テキサス大のプレスリリースで、Texas Advanced Computing Center(TACC)のディレクターDan Stanzioneが語っている: “StampedeやStampede 2のような大規模なコンピューティングとデータ能力は、どんな研究開発分野においてもイノベーションのために必要不可欠だ。Stampedeは、住宅および商用建造物の耐震基準の策定のために、これまででもっとも大規模な数学的証明を提供してきた”。

その2013年3月に稼働を開始したStampedeの2倍の能力を持つのがStampede 2だ。それらは、どちらも、米国科学財団(National Science Foundation, NSF)の助成金によりテキサス大学オースチン校で作られた。

2倍というのは、必ずしもコア数のことではない。製造技術がStampedeの22nmから14nmのXeon Phiチップに(コードネーム”Knights Landing”)に進化し、そのほかの“将来世代的な”プロセッサーも使われている。コア数は、61コアから72コアに増えた。

RAMもストレージもデータの帯域も倍増した。いくら処理能力が速くても、データの移動が遅ければ無意味だ。Stampede 2は毎秒100ギガビットへと高速化し、そのDDR4 RAMは十分に高速でかつ巨大な第三段キャッシュと、通常のメモリの役を担う。

また、Intelの最新のメモリ技術3D Xpointによる不揮発メモリも採用している。それはNANDよりも高速でDRAMより安いと言われ、高性能を要求されるストレージの理想の媒体と見なされている。Stampede 2はそれを本格的に採用した初の実用機となるが、いずれはわれわれデスクトップのユーザーにも恩恵が回ってくるだろう。

しかしその十分すぎるスペック(参考記事)は、正当な開発動機があったとはいえ、ポルノのように誘惑的だ。テキサス大のプレスリリースによると最近の10年間で、TACCを利用する機関の数は倍増、上級研究者たちの数は三倍増、一般のアクティブユーザーは五倍増した。自然を研究調査する分野と、新しいツールやサービスを開発する分野の両方で、ディープなデータ分析の新たに発見される用途が増え続けているから、ユーザーの数は今後ますます増え続けるだろう。

Stampede 2の稼働開始がいつになるのか、それはまだ決まっていないが、資金には問題がないようだから、あと一年あまり、というところか。もちろんその間に、スーパーコンピューターの上位5機は、競争がますます混み合ってくるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))