英国のEU離脱から生まれた、欧州スタートアップのための新しい語彙

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【編集部注:本稿の執筆者、Adeo Ressiは、Adeo Ressi Founder Instituteのファウンダー。】

英国はヨーロッパのスタートアップ環境に強烈な一撃を与え、果たしてヨーロッパが復活できるのかどうか注目される。

問題は、離脱の投票結果がヨーロッパ全体に予期せぬ影響を与えることだ。しかし、あらゆる騒然とした変化において最も大きな被害を受けるのは弱者であり、ビジネスの世界で最も離脱の影響を受けるのは、もちろんスタートアップだ。

ここに、ヨーロッパのスタートアップが将来を検討するために知っておくべきBrexit[英国のEU離脱を表すBritainとexitから成る造語]風の用語をいくつか挙げてみた。

Eurogeddon:ヨーロッパのスタートアップ向け資金は今年末までに20%以上縮小される。ヨーロッパの資金の50%近くはロンドン発であり、後期ステージの調達ラウンドはロンドンが支配している。

規制の影響が正しく理解されるまで、ロンドンのVCらがどうやって「通常のビジネス」を続けられるのか私にはわからない。ロンドンからの出資が、特に後期ステージで減速すれば、早期ステージのヨーロッパVCも減速する。ヨーロッパでベンチャー資金を集めることは忘れた方がいい。

Eurogration:数百万人の難民がヨーロッパに集まるにつれ、トップ起業家たちは、もっと明るい資金調達環境を求めて逃避する。

ヨーロッパでも英国でも、全ステージにわたって資金提供が鈍化すれば、18~24箇月以内に資金調達が必要に経験ある起業家は、金のある場所を求めて出かけていく。シリコンバレー、ニューヨーク、シンガポール等々だ。私は、トップ5%の起業家の半数が2年以内にヨーロッパを離れると予想している。ヨーロッパで資金が必要なら、今すぐ出ていくべきだ。海外移転は外資も流出させるからだ。

Berlinifacation:もしロンドンでなければ、滅びゆくヨーロッパのスタートップシーンを誰が支配するのか。もちろん、ベルリンだ。

5年以内に、ベルリンは貧しくてクールな都市からヨーロッパのITハブへと変わる。かつて英国ベンチャーキャピタルに集まった数十億ドルは、ドイツの基金へとゆっくり移り、ドイツの効率性が力を発揮する。10年以内に、ドイツの傘の下でヨーロッパ初の本格的ユニコーンが登場するだろう。今すぐヨーロッパで資金を集める必要のない人は、ベルリンへ行こう。

Corpacolapse:英国の企業に対するアピールは一夜にして消滅する。市場がなくVC業界が停滞する雨の多い島で会社を設立しようとする、正気のスタートアップはいない。

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Photo courtesy of Flickr/muffinn

英国は、法規制、資金、市場へのアクセスのおかげで、会社設立のための世界三大スタートアップハブ(デラウェア、シンガポール、英国)の一つになった。3つの利点のうち2つが今やなく、法制も変わりつつある。今、英国で設立すべきスタートアップは存在しない。もし英国での設立を考えているなら今すぐやめるべきだ。ヨーロッパで会社を作る必要があるなら、ドイツへ行こう。

スタートアップはそもそも多くの問題を抱えている。経済レベルの構造的リスクがあるとき、優れた起業家はそれに応じて行動する必要がある。厳しい時代に生まれたことはスタートアップにとって良いことかもしれない。空腹で細身になるからだ。スタートアップの苦境に不必要な困難を加えることは、一般によい考えではない。ヨーロッパのファウンダーにとって、今は転換の時だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook