分身ロボット開発のオリィが、ALS患者向け透明フィルム文字盤をデジタル化

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2014年にソーシャルメディアで爆発的に広まった「アイス・バケツ・チャレンジ」を覚えているだろうか?

そう「筋萎縮性側索硬化症」(ALS:Amyotrophic lateral sclerosis)への理解を広めて研究資金を募ることを目的とした慈善活動の一環として草の根的にネット上で広まった運動だ。ALSといえば、車いすの理論物理学者スティーブン・ホーキング博士や、かつてテレビのクイズ番組で活躍した篠沢教授などの著名人が罹患して講演することで知られるようになってきているかもしれない。ただ、日本人の2人に1人が罹患して3人に1人が死に至るガンなんかに比べると、10万人に1〜2人程度の低い発症率ということもあってALSという難病への注目度は決して高くないのではないだろうか。ALS患者数は日本では約1万人だ。

ALS患者は病状が進行するとともに、徐々に随意筋のコントロールを失う。手足を動かせなくなり、やがて声を失う。運動能力を失うものの知性や感覚はそのままなので、問題となるのは患者と家族や介護者とのコミュニケーションだ。これは今のところ透明フィルムにひらがなを並べて書いた文字盤を使ってやるのが一般的。患者と家族が透明フィルム越しに視線の動きを合わせることで、どの文字を伝えようとしているのかを読み取る。視線の動きは最後まで残るため、透明文字盤は広く使われている有効なツールだそうだが、とてもアナログだ。

「存在感を伝える」ことを目的として小型の分身ロボットを開発しているオリィ研究所は、この透明文字盤をデジタル化して、「OriHime eye」というソフトウェアとして今日リリースした。音質や画質を向上した新バージョンの分身ロボット「OriHime」とともにリリースするもので、実際の動作は以下の動画の通り。入力はスイッチや視線入力で行える。視線の検出にはTobiiなどの視線入力センサーが必要だ。

OriHimeについては以前の記事で紹介しているが、これは2015年7月にリリースした遠隔操作ロボット。企業のリモートワークや学校の遠隔授業、難病患者のコミュニケーション補助などで使われている。新OriHimeは七夕の今日からレンタル用で100台をリリースし、向こう1年で500台の製造を計画している。オリィ研究所は2016年5月にBeyond Next Ventures、リアルテックファンドなどから総額2億2977万円の資金を調達している。