サブプライム融資を行うElevateが5億4500万ドルをVictory Park Capitalから借入れ、IPOも視野に

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IPOの兆しが見えてきたサブプライムレンダーのElevateは、新たに5億4500万ドルの貸出枠を設定し、拡大する顧客層のサポートにあたる予定だ。

Elevateが現在融資のターゲットとしているのは、クレジットスコアが575から625の間にある借り主だ。拡大にあわせて、Elevateは現在の顧客層よりもさらにクレジットスコアの低い層への貸出を考えている。

Elevate CEOのKen Reesは、アメリカ人の65%がクレジットスコアが低いせいで、必要なサービスを受けることができていないと既に気づいている。貸出に関する追加情報のおかげで、もしかしたらこの65%にあたる人々に対しても自信を持ってローンを提供することが可能になるかもしれない。Elevateの誕生以前、現在の顧客にあたる人たちは、タイトルローン(車などの所有権を担保に借り入れるローン)かペイデイローン(短期の小口ローン)で借り入れを行わなければならなかった。

「タイトルローンを利用している人の20%が最終的に車を失っています」とReesは述べた。

年間借入コスト(APR)の顧客平均が減少しているにも関わらず、Elevateの売上ランレートは、5億ドル付近をただよっている。さらに、貸倒償却率が2014年初頭の17〜20%から今では10〜15%まで減少しているにも関わらず、ローン残高は昨年一年間で80%も増加した。貸倒償却率は、貸し出しを行っている企業が回収を見込めないと考えるローンの割合を示している。

このニュースが、サブプライム層を搾取するような貸し出しについて心配しているアナリストの気持ちを少し和らげることだろう。Reesが以前関わっており、SequoiaとTCVから資金調達を行っていたThink Financeは、昨年裁判沙汰に巻き込まれ、不法なローンの回収や脅迫で非難されていたのだ。

Elevateとその前身にあたるThink Financeの間には2つの大きな違いがある。ひとつ目は、Think Financeのモデルは、顧客への直接の貸し出しと、サードパーティーレンダーへのライセンシングの両方から成立していた。裁判で不良債権の原債権者として名前があがっていたペイデイレンダーのPlain Green, LLCは、Think Financeのサードパーティーレンダーだったのだ。一方、Elevateは顧客への直接貸し出しモデルのみで成り立っている。ふたつ目に、Elevateは、借り主の経済状況を向上させるような努力をすることで、持続可能な貸し出しを行っている。

Elevateの顧客は、金融リテラシーに関するビデオを見ることで、資金繰りの改善を目的とするRISEのような商品をより良い利率で利用できるようになる。同社はさらに、無料の与信モニタリングサービスも提供している。RISEの加重平均APRは160%と高いが、旧来のペイデイローンの500%という数字と並べると比較的低いといえる。RISEローンでは、借入開始から24ヶ月後にAPRが50%減少し、36ヶ月後には定額の36%までAPRが下降する。

ElasticやSunnyは、それぞれアメリカとイギリスで提供されている、その日暮らしをしているような人たちを対象とした商品で、Elasticも持続可能な金融を柱として作られている。借り主は、金融リテラシーに関する情報へもアクセスすることができ、実際に借入を行うまで手数料がとられることもない。

Elevateからお金を借りている人の65%がこれまでに利率の減少を経験している。このようなElevateの貸し出し方法で顧客の保持率が向上し、ローン返済を終えた人の60%が再度Elevateから借入を行っているのだ。そしてほとんどの場合、新しいローンの利率はさらに低くなる。

Elevateは以前にもIPOを考えたことがあったが、先送りにせざるを得なかった。最近の株式市場ではフィンテック恐怖症が巻き起こっており、C2Cの貸出プラットフォームを運営するLending Clubが、融資活動を行うスタートアップ固有のリスクを体現している。

しかしReesは、ElevateをLending Clubと比較するのは誤りだと考えている。Elevateと400人におよぶ従業員は既に上場企業のように機能しており、約1年にわたって定期的にディスクロージャー誌も発行されている。

「IPOで享受できる私たちにとっての主要なメリットは、デットファイナンスへの依存度が下がることです」とReesは付け加えた。「Victory Park Capitalは素晴らしいパートナーですが、無料で借入はできません。IPOでの資金調達によって、Elevateの成長をサポートすると共に資本コストを下げることができるのです」

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter