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NSFが科学と教育に利用するソフトウェアの改善のために3500万ドルを投入

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ビッグデータは、ほぼすべての科学分野でこれまでになく重要になっている - そしてデータそのものも今まで以上に大きくなっている。そうしたデータを管理し、科学者と学生たちの手の中に渡す手助けをするために、全米科学財団(NSF)は、2つのソフトウェア研究機関に3500万ドルを投入し、21世紀の研究に必要なツールを作らせることにした。

Molecular Sciences Software Institute(MolSSI – 分子科学ソフトウェア研究所)は - 名前から想像できるように - 分子科学に注力している。量子化学と材料科学から薬理学と分子生物学までの全てを含んでいる。

このレベルの組織で行なわれている研究は、コンピュータのモデルに大いに助けられている。しかし、そうしたモデルは現在、正確なシミュレーションのために必要な要素数、原子数、空間あるいは時間に制約が課されている。MolSSIは、バージニア工科大のコンピュータ化学者Daniel Crawfordによってリードされ、Blacksburgにある同大学のCorporate Research Centerに設置されている。

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計画が狙うのは、対象分野で使われるソフトウェアとインフラを改善し、そのリソースを世界で共有することだ。曖昧な目標に聞こえるだろうが、内容を詳細に記述することはおそらく科学者たちが取り組んでいる問題を記述する位難しいことだろう。

「当研究所は、現在世の中で取り組まれているものよりも、遥かに大規模で複雑な問題に、コンピュータを活用する科学者たちが取り組めるようにしていきます」とCrawfordはNSFの発表で述べた。

その他の幾つかの大学も運営委員会に加わる予定である:ライス大、アイオワ州立大、スタンフォード大、ラトガース大、ストーニーブルック大、カリフォルニア州立大学バークレー校そして南カリフォルニア大である。Crawfordはバージニア工科大のニュースサービスに対して、開始までにヨーロッパとアジアからも、さらに協力大学を募る予定であると話した。

MolSSIは5年間で1940万ドルにのぼる資金を供給される、そして今日公式に与えられた最初の580万ドルの多くが、創設科学者メンバーとコーダーを発掘、雇用するために使われる。

全ての原子が考慮されたイオンチャネルのシミュレーション。MolSSIの成果によって可能になることが期待されるものの例のひとつ。

残りの1500万ドル少々の資金はScience Gateways Community Institute(SGCI)に供給される。この研究所はカリフォルニア州立大学サンディエゴ校(UCSD)によって主導される。そのゴールは、学生たちから最先端の研究者までのすべてのレベルで、科学的リソースへのアクセスを改善することである。

Science Gateways Community Instituteが提供を狙うサイエンスゲートウェイは、誰もが例えばウェブを通してアクセスできるツール、サービス、アプリケーションの集まりである。例えば、ある大学がその所有するMRIあるいは天文学実験の全データを、抽出とダウンロード可能なものにしたいとき、ゲートウェイはそのデータと利用者を管理し、その同時にデータを視覚化したり分析したりするツールを提供するだろう。科学データを他の専門家たちや好奇心あふれる一般人たち(納税者たち)が照会し精査できるようにすることは、重要なステップである。

「ゲートウェイは研究者同士のコラボレーションとアイデアの交換を促進します、そして先端的な研究所にいない人たちがしばしば手の届かないリソースへのアクセスを提供することによって、アクセスを民主化することができます」、とプロジェクトの主任調査官であるUCSDのNancy Wilkins-Diehrは言う。

SGCIは2015年に行われた一種の予備的研究結果を受けて設立された。この研究ではリサーチコミュニティの5000人にサーベイが行われ、研究所が焦点を合わせるべき5つの主なエリアが提案された。

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手短かに述べれば、以下のようなものだ:アイデアをビジネスに育てるインキュベーション;関連するプロジェクトへの有意義な技術サポートの提供;ゲートウェアイを開発し機能させるための共有され拡張可能なフレームワークの開発;そしてゲートウェイ開発者の発見と訓練 - なお最後の項目には門戸の解放が強く謳われているということを、喜んで付け加えておきたい。更なる詳細はNSFのグラントページSGCIの研究ページで読むことができる。

このプロジェクトも多くのパートナー校を抱えている:ノートルダム大、パーデュー大、テキサス州立大学オースティン校(特にTACC)、ミシガン州立大学アンアーバー校、インディアナ州立大そしてエリザベスシティ州立大。

これはNSFによる大規模な投資であり、とても興味深い参加者たちへの広がりを見せている。彼らの仕事はこの派手な発表に比べると目立たないかも知れないが、とても重要なものだ。科学向けソフトウェアの革新を行うこれらの研究所の成長と成熟の様子を、私たちもしっかりフォローしていきたい。

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(翻訳:Sako)