Facebookの新アルゴリズムはクリックベイトを判定―トラフィック稼ぎの釣り記事は排除へ

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Facebookはニュースフィードの表示アルゴリズムに新しくアンチ・クリックベイト機能を追加し、順次公開していく。この新機能のおかげで、 重要な情報を歪めたり、隠したり、誇張したりするページや記事へのリンクはニュースフィードに表示されなくなる。

Facebookは人力で何万という記事のクリックベイト指数 〔clickbaitiness score〕を算定し、このデータを用いて新しいアルゴリズムを訓練した。これにより、システムは「ベッドの下を覗くとなんとこれがいました! 大ショック!」、「ニンニクを靴に入れた結果が信じられないことに」、「犬が配達人を吠えた―その結果が大爆笑もの」といった記事を自動的に発見できるようになった。

このアルゴリズムは単なる二分法で「これはクリックベイト」、「これはクリックベイトではない」とラベルを貼るのではなく、記事の悪質さの度合いに応じてクリックベイト指数を付与する。仕組みはメールのスパムフィルターと似ており、主として通常の記事にはめったに使われない迷惑記事特有の表現を探す。

個々の記事のクリックベイト指数が高いほどアルゴリズムはその記事へのリンクを掲載、共有したFacebookページ、あるいはウェブサイトを全体として罰する。つまりこうしたページやサイトの表示順位がダウンする。Facebookのニュースフィード・プロダクト・マネージメント担当副社長、Adam Mosseriは私の取材に答えて、「毎日50回も投稿している場合、1回くらいクリックベイトが混じっていても問題はない。逆に一日中クリックベイトをアップしているスパマーの場合影響は非常に大きいはずだ」と説明した。

さいわい「パブリッシャーがクリックベイトを投稿するのを止めればリンクのトラフィックも元に戻る」とMosseriは言う。アルゴリズムはFacebookページとウェブサイトのドメインの双方のレベルで違反者を特定するので、スパマーはページに掲載する記事のURLを細かく変えることでクリックベイト発見アルゴリズムを逃れることはできない。

これまでもクリックベイトはニュースフィードで最大の苦情の原因だった。一部のユーザーはこれをニュースフィードの表示アルゴリズムのバグとしてレポートを出している。今回のアルゴリズムのアップデートはFacebookが最近発表したニュースフィードの価値〔News Feed Values〕という考え方に沿ったものだ。 価値の判定に用いられる5つのカテゴリーのひとつは「コミュニケーションの正統性(“Authentic Communication)」だ。これは「友達と家族を優先」する。先月のフィード・アルゴリズムの変更で新たなパブリッシャーの表示順位が下げられたのもこの考えに基づくものだ。

Facebookはクリックベイト対策の詳細を他のソーシャルメディアやサービスのデベロッパーと共有していくという。「われわれがどういう方法を採用しているか他社が研究し、採用することを歓迎する」とMosseriは語った。

しかしFacebookはこの情報を一般に公開するつもりはないという。「ドキュメントの大部分はクリックベイトと判定されるタイトルの例なので、スパマーに悪用されるおそれがあるからだ」という。

以前、Gizmodoは匿名の情報源のデータを基に「Facebookはトレンドから保守的な記事を不当に排除している」と主張したことがあった。それと関係があるのかどうか、Facebookの文書中のクリックベイトのサンプルのドメイン名はGizmotecho.comだった。〔下のポールペンの画像。誇大宣伝の例としてFacebookが作ったもの〕

Facebook Clickbait

Facebookは2014年にもユーザーのリアクションに基づいたアンチ・クリックベイト・アルゴリズを導入している。このアルゴリズムはユーザーが「いいね!」をして記事を見に行ったものの、すぐにFacebookに戻って「いいね!」を取り消したリンクを探すものだった。

この2月のアップデートではユーザーがクリック先のサイトに滞在した時間をクリックベイトの判定に用いるようになった。多数のクリックがあるのに滞在時間の合計が少なく、後まで残った「いいね!」の数も少ないサイトが対象だった。今日のアルゴリズムの改良は、個々の記事がクリックベイトであるかどうか判断するだけでなく、パブリッシャーそのものをスパマーとして特定するところに主眼がある。

Facebookはパブリッシャーがクリックベイトと判定されることを避けるための方法を紹介している。 Facebookは「赤絨毯の上でつまづいて転んだのはなんとあの人」などという情報の重要部分をタイトルから隠し、続きを読むためにクリックさせる手法を避けるよう求めている。また「このボールペンは絶対、決してインクが切れません。購入は早い者勝ち!」といった誇張もクリックベイトと判定される可能性があると警告している。

当然ながらニュースのパブリッシャーはニュースフィードのアルゴリズムの変更に神経質になっている。リンクのトラフィックに大きな違いが出てくるからだ。先月、「ページより友達を優先する」という方針が発表されたことはパブリッシャーを不安にさせていた。

今回のクリックベイト対策が功を奏するなら、正当と認められたパブリッシャーの掲載するニュースへのトラフィックはアップするだろう。投稿されたURLがクリックベイトではないと安心できればクリックするユーザーは増えるはずだ。

9月12日から14日にかけて開催されるのTechCrunch Disrupt SFでFacebookのAdam Mosseri副社長がニュースフィードについて講演する予定。

画像: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+