カーボンナノチューブを使って、高速CPUと長寿命バッテリーを作る

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カーボンナノチューブは、いわゆる超素材の一つであり ― 直径1~2 nmの管 ― スーパーコンピューターから超低消費電力スマートフォンまで、夢見る応用分野が山ほどある。問題は、製造が困難なことで、こうした応用分野の商品化には10~15年は必要だ。

ナノチューブは管状の分子構造で、単一の元素(通常は炭素)から成る。中でもカーボンナノチューブ(1991年に偶然発見された)は、並外れた電気特性と機械的特性で知られている。

こうした特性はナノチューブの構造に起因する。ナノチューブでは、炭素原子が六角形配列から成るらせん状に配置されている。よく見るハチの巣を思い浮かべてほしい。あのロウでできた六角形の小部屋の集まりだ。次にこのハチの巣構造を小さな円筒形のロールにしたところを想像してほしい。のり巻きの2500万分の一以下の大きさだ。こうしてカーボンナノチューブのワイヤーが出来上がる。

この「ハチの巣状ロール」の対称性と極小の直径が相まって電子状態密度に著しい変化をもたらし、ナノチューブに独特な電子的性質を与える、とPulickel M. Ajayan、Otto Z Zhou両教授は書いている

応用の可能性は膨大だ。例えばMITの研究者らはウェアラブルな毒物センサーをカーボンナノチューブ満載の回路を基に開発した。コンピューターが少ない消費電力で高速に走らなくてはならない世界で、カーボンナノチューブは、極小トランジスタとしてシリコンよりも高い性能を約束する。

「カーボンナノチューブは、シリコンを補完する候補として理想的」とスタンフォード大学コンピュータ・サイエンス学科で電子工学を教えるSubhasish Mitra准教授は言う。

Mitraは同僚で同大学電子工学教授のH.-S. Philip Wongと共に、IBMをはじめとする共同研究先と協力して、カーボンナノチューブを用いた新世代のコンピュータを開発している。目標は、カーボンナノチューブを利用して、電力消費効率を高めたコンピュータのプロトタイプを作ることだ。

「シリコン製トランジスタをカーボン製トランジスタで置き換えれば、エネルギー効率が最大1000倍向上する」とMitraは言った。

スマートフォンもコンピュータである、とMitraは言う。「理想的ワトソンマシンの計算能力を持つスマートフォンが実現するかもしれない。何百万ものセンサーがデータを収集し、それを使ってスマートフォンが膨大な計算を行う場面も考えられる」。もし大規模なコンピューター能力を提供できればそのために金を出す人はいる、とMitraは言う。この新世代スマートフォンは、今より30倍速く、充電は月に1回でよくなるかもしれない。

「モノのインターネットとそれ以降」への応用に言及した後、Mitraはカーボンナノチューブの基礎研究と、製品化との相違を強調した。研究は進んでいるものの、おそらくスマートフォンメーカーは、「絶対的確信」がない限り新しい物には飛びつかない。メーカーが早くこれを使って実験を始めてくれることを願っている」とMitraは言った。

10~15年が、商品化の現実的なスケジュールだ、とMitraは言った。

カーボンナノチューブの製造方法は大きな課題だが、他の大学が実現に向けて動いている。例えばライス大学の研究所では、Teslaforesisと呼ばれるプロセスでカーボンナノチューブを自己生成させる方法を発見した。

「私たちはこの電界の中でナノチューブ同志が自らつながってワイヤーを作ることを発見しました」とライス大学の化学准教授、Paul Cherukuriが同大学の公開しているビデオで語った、「これからここで新しい科学が生まるのです」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook