翻訳支援ツール
機械翻訳

オンライン翻訳の八楽、コニカミノルタなど大手3社と資本業務提携

次の記事

Windows 10、ついに冷蔵庫のドアになって登場

オンライン翻訳ツール「ヤラクゼン」を提供している八楽は9月5日、コニカミノルタ、ソニーネットワークコミュニケーションズ(旧ソネット)、アドバンスト・メディアの3社と資本業務提携を行ったと発表した。八楽は2013年5月、ニッセイ・キャピタルや日本ベンチャーキャピタルなどから1億800万円の資金調達を実施している。今回の調達金額は非公表。

3年ほど前にTechCrunchが取材を行った際、同社のサービスは「ワールドジャンパー」という名称でウェブサイトの多言語化に特化していた。昨年10月のヤラクゼンのローンチ以降、HTML以外にもワード、エクセル、パワーポイント、CSV、PDFとビジネスシーンで広く使われているファイル形式に対応。日本語を含む翻訳可能言語数は、21言語まで増加した。

メールやプレゼン資料といったビジネス文書のほか、ウェブサイトやマニュアルなどを翻訳する際の利用を想定しており、メールにいたっては280種類もの英文テンプレートまで準備されている。

Top

ヤラクゼンのトップ画面

ヤラクゼンの使い方は極めてシンプルで、まずボックス内に翻訳したいテキストを直接入力するか、翻訳したいファイルをドラッグ&ドロップすると、テキストの解析・機械翻訳がスタートする。その後、原文と機械翻訳文が隣り合わせに並べられた画面に移動し、ユーザーは好みに合わせて訳文の修正ができる。

翻訳の精度を高めたい場合は、クラウドソーシングサービスを利用したクラウド翻訳(言語や内容に応じて文字/ワード当たり6円〜18円)や、プロの翻訳家にお願いするプロ翻訳(言語に応じて文字/ワード当たり15円〜20円)を1文単位から利用可能だ。

機械翻訳時には数百万件におよぶフレーズ集(翻訳メモリ)が参照されるため、メールなど簡単な内容のテキストであれば、機械翻訳だけでも実用に耐えうるレベルの訳文が生成される。さらに自分で修正を加えた訳文の情報もデータベースに保存されるため、以後の翻訳時には修正が加えられたフレーズが参照され、翻訳の精度がさらに高まる仕組みになっている。ブランド名や商品名、社内用語など、異なる文書間で統一したい訳語についても単語集に追加できる。

translation-screen

翻訳作業画面

翻訳メモリや原文・訳文のパラレル表示、文章のセグメンテーションなどは、翻訳業界標準のTradosやWordfastといった翻訳支援ツールに採用されている機能にも関わらず、基本機能だけのフリープランであれば、ヤラクゼンを無料で利用することができる。その他にも、自動翻訳の文字数や、フレーズ集の最大保存可能数、ユーザー間のファイル共有などの条件に応じて月額980円(月ごとの契約の場合は1280円)のプレミアムプランや、月額3980円(同4800円)のカンパニープランが用意されている。

八楽で取締役COOを務める湊幹氏によれば、現状のユーザーは外国語でのコミュニケーションが必要になる機会の多い、ITやインバウンド(宿泊施設・飲食店)、メーカーといった業界で働く人がメインだ。具体的な数値は公表されていないものの、現時点ではフリープランを利用しているユーザーの数が圧倒的に多く、プレミアム・カンパニープランの利用者はそれぞれ数%程だ。そのため、今回発表された業務提携を通じて、プレミアム・カンパニープランのユーザー数を増やしていきたいと同社代表取締役の坂西優氏は語っていた。

さらに、提携先のひとつであるアドバンストメディアは音声認識技術で知られていることから、今後モバイル分野へも注力して行き、会話の内容を認識して翻訳まで行う”翻訳機”アプリや、複数言語対応の議事録自動作成ツールなどの開発を検討していると湊氏は語る。

外国語に対応したPOPを作成するなどのインバウンドサービスに取り組むコニカミノルタとは、共同で法人向け多言語コンテンツ制作サービスを新たに公開する予定だ。

もうひとつの提携先であるソニーネットワークコミュニケーションズとは、ヤラクゼンの法人向け販売で協力していく。

WordPressのオフィシャルプラグインが公開されているように、八楽はAPIの導入にも力を入れており、今後提携先のネットワークや調達資金を利用して、法人向けサービスのマーケティングや営業力の向上に努める予定だ。