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写真をアートに変えるアプリPrismaから動画フィルターが登場

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写真のアートフィルターアプリPrismaはiOSアプリに新機能をつける。今日から、動画フィルター機能を展開する。

このアプリは、機械学習アルゴリズムを用いて、自撮り写真をアニメ風などに変換することができる。写真を多用なグラフィックアートに変換するこのアプリは、夏にローンチして以来バイラルに広がって、何千万というダウンロード数を達成した。早くも、彼らの後を追うクローンアプリが次々と誕生している。

アートなセルフィーを作る以外に、PrismaのiPhoneアプリでは、15秒以内の短い動画をアニメーションに変換することができるようになる。現在、9つのスタイルのフィルターが利用でき、フィルターを選択すると、アプリのAIアルゴリズムが1フレームずつ動画を変換していく。

退屈な家の廊下の動画も、数分でまるで動くコミックのようになる(この動画クリップに関しては)。

動画はアプリから撮影するか、カメラロール内の動画を選択することができる。Prismaの動画フィルターを利用するためにはiOS 10が必要だ。また、動画の長さや解像度、使用しているiPhoneモデルによってはフィルターをかけるのに1分以上かかる場合もあり、それを待つ忍耐力が求められる。

Androidユーザーはもうしばらく待たなくてはならない。Androidアプリの動画対応はこれからだ。

Androidアプリにはまず、オフラインで写真にフィルターをかける機能を追加すると、共同ファウンダーのAram Airapetyanは言う。「その後動画開発をします」という。「Androidは手強いのです」と付け足した。

iOSのPrismaアプリで動画にフィルターをかけるには、iPhone 6で約2分、iPhone 6sで55から60秒、iPhone 7で30秒ほどとAirapetyanは言う。ただ、私が試した動画は、彼の言う平均時間よりたいてい少し早く完成した。

全ての処理は、デバイスのローカルで行うので、モザイク調、ムンク調、漫画風アニメ調など、色々な動画リミックスを楽しむとiPhoneのハードウェアが多少熱を持つことになる。

今後iOSアプリには、GIF作成機能を搭載するとPrismaはいう。これは、動画をループ再生するもので近々公開するという。今月後半という話だ。

荒削りな部分も

iOS版におけるPrismaの動画フィルター機能は、現段階ではベータローンチだ。Airapetyanは、動画の品質を改善させたバージョンを展開すること、そして動画クリップを彩るアートフィルターの種類も直に増やすと話す。Prismaの写真で使用できるフィルターを動画でも利用できるようにし、それに加え新しいフィルターも追加する考えだそうだ。

動画フィルターを展開しているのは、もちろんPrismaだけではない。写真加工アプリのPicsArtを手がけるスタートアップは、Prismaより先に動画フィルターを出した(ただ、PicsArtの場合、動画フィルター機能は、彼らにとって2つめのスタンドアローンアプリとなるMagic Videoとして展開している)。

しかし、Airapetyanはライバルの施策は特に気にしていないという。「私たちのアプリはより早く、良い仕上がりです。現段階でローンチする動画フィルターはまだベータ版で、最終的な品質はもっと良くなります」とPrismaの動画フィルターはPicsArtとどのように対抗するかについて聞いた時、彼はそう答えた。

「また、数週間内に写真フィルターの品質も向上させる予定です」と彼は言う。

売り言葉に買い言葉だが、Prismaは最初にバイラルな広がりを獲得したものの、今は競合の機能展開に追いつかなければならない。

Prismaのベータ版の動画フィルターは、品質にまだ荒削りの部分もある。Magic Videoではより洗練された動画が期待できる。ただ、個人的にはたくさんの設定やレイヤーを選択するMagic VideoよりPrismaのシンプルなインターフェイスの方が好みだ(もちろん動画編集の選択肢やツールは多い方が良いと思う人は反対意見だろう)。

ローンチ前にPrsimaの動画フィルターを試してみたところ、いくつかの仕上がりはまだ多少荒く、Prismaの写真のアートフィルターに比べると一目で惹かれるような結果ではなかったように思う。動画もややチカチカする印象だ。

とはいえ、写真のアートフィルター同様、フィルターによって動画の仕上がりがかなり違うので、良い仕上がりになったフィルターもある。いくつか違うスタイルを試して遊んでみるといいのが見つかるだろう。

私の場合少なくとも1つは満足できたり、面白いと思えるフィルターを見つけることができ、動画加工を楽しめた。ただ、撮ったセルフィーにすぐにアートフィルターをかけてシェアする楽しさに比べると、一気にバイラルで広がる力は劣るかもしれない。

ここにいくつか作ったテスト動画を載せた。上から「Gold Fish」と「Scream」のフィルターを使用している。


音楽グループTweedはPrismaの技術を使って長い動画を制作している(ただ、アプリでは15秒できっかり処理が止まる仕様なので、今の段階でPrismaアプリから直接長編動画を加工することはできない)。

Prismaのアプリは動画でも写真でも、PicArtの2つのアプリが提供するような細かい設定はできない。しかし、私が思うにPrismaのシンプルさがバイラルな広がりを実現した要因であると思う。また、いくつか写真を加工するのに登録する必要もない。ただ、これも好みによるもので、もっとたくさんの機能を備えた写真加工アプリが欲しいのならPrismaは適していないと言えるだろう。

写真のフィルター効果に関しても、私はPrismaの仕上がりの方が好きだ。PicArtの仕上がりは少し派手になりすぎると感じているからだが、これもまた個人の好みによる。

Prismaは1つの機能に特化したアプリにも関わらず(あるいは、特化しているからこそ)、ダウンロード数を引続き増やすことに成功している。TechCrunchに対し、ローンチから3ヶ月で7000万ダウンロードを突破したという。

8月の時点では5500万超のダウンロードだった。Prismaは開発を継続するためにVCからの資金調達を行うのではないか、あるいはInstagramやSnapchatといったソーシャルプラットフォームが自社のコンテンツ制作人材を強化するために彼らを買収するのではないかという噂が早くも流れていた。

現時点までにPrismaはどちらも行っていない。その代わり、彼らはアプリで利用できるスポンサードフィルターでマネタイズを図っている。

現在、1つのスポンサードフィルター「Gett」をローンチしている。また、他のフィルターも今月には追加する予定だ。Prismaのチームは大型の資金調達を行なっている様子もない。

「調達しなくても大丈夫だと思っています」とAirapetyanは、資金調達は検討していないのかという単刀直入な質問に対して回答した。数千万ダウンロードを達成した新入りアプリは、自社のソーシャルプラットフォームを持っておらず、他のパクリアプリが彼らの牙城を狙っている。クールな機能を持つアプリが持続可能なビジネスに転換できるかはまだ分からない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website