スマートウォッチの出荷台数が急落

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AR・VR業界で起きている競争の実情

スマートウォッチが自分にとって必要だと感じている人は少ないのだろうか?今朝(米国時間24日の朝)発表されたばかりのスマートウォッチ業界に関するIDC社のレポートによれば、2016年第3四半期のスマートウォッチの出荷台数が「急激に」減少したようだ。昨年の第3四半期に比べ、業界全体の出荷台数は51.6%減少している。昨年の3Qにおける出荷台数が560万台だった一方で、今年の3Qはたったの270万台だ。IDCはこの出荷台数の激減の理由として、製品発売のタイミングが悪かったこと、Android Wearのリリースが延期されたことなどを挙げている。だがその一方で、この数字は大半の消費者がスマートウォッチに魅力を感じていない証拠であるとも言えるだろう。

もちろん、Apple Watchがスマートウォッチ業界のマーケットリーダーだということは留意しておく必要がある。今年の3Qにおける業界全体の出荷台数の大半を占めるのがApple Watch Series1の出荷台数だ(出荷台数1100万台、昨年比72%ダウン)。つまり、業界全体の出荷台数の増減はApple Watchの出荷台数の増減に大きく左右されるということだ。

まず第一に、それまでオンライン販売のみだったApple Watchが昨年初めて店頭でも販売されるようになったことをIDCは指摘している。これが昨年に販売台数が急増した要因となったのかもしれない。

また、情報のリークやレポートのおかげで消費者は今年の9月にApple Watchの第2世代が発売されることをそれ以前から知っていた。そのため、Appleのウェアラブル端末を待ち望む人々はその第2世代が発売されるまで購入を控えていた可能性がある。しかも第2世代のApple Watchの購入が可能になったのは9月後半に入ってからのことだとIDCは説明している。

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言い換えれば、新型のApple Watchがスマートフォン市場全体に与えているインパクトを私たちはまだ知らない。このApple Watchには防水加工が施されており、それによって同製品が幅広い消費者層から受け入れるようになった可能性もある。また、新型Apple Watchでは第1世代の数々の問題点が改善されている。アプリの起動速度の改善や新しいインターフェイスのデザイン、GPSの追加などがその例だ。

それに、年末商戦がすぐそこに迫っていることを踏まえれば、Apple Watchがギフトして選ばれることで第4四半期の販売台数が回復する可能性も考えられる。

しかし、GoogleがAndroid Wear 2.0のリリース時期を遅らせたことが業界全体の出荷台数に悪影響を与えていることは確かだ。メーカーは年末に合わせて新しいデバイスを発売するか、または古いOSを搭載した既存の端末で消費者を満足させるべきかどうかまだ決めかねている。今年9月に発表されたSamsungのGear S3もいまだ発売されていないことをIDCは指摘している。

Apple Watch Series 2によってApple製スマートウォッチの販売台数が回復する可能性は残されているものの、IDCがたどり着いた結論は、スマートウォッチは大多数の消費者から受け入れられていないというものだった。

IDC Mobile Device Trackersのシニア・アナリストであるJitesh Ubraniは、「この結果は、スマートウォッチが現時点ではすべてのユーザーに受け入れられていないという証拠でもあります」と話す。「デバイスの目的や用途を明確にすることは最も重要であり、それが多くのメーカーがウェアラブル端末のシンプルさを利用してフィットネス用途に特化してきた理由でもあります。しかし、そこから一歩踏み込んでスマートフォンとスマートウォッチの違いを明確にすることが鍵となります。その初期兆候として電話機能が統合されたウェアラブル端末が生まれつつあり、企業はその種のデバイスの試作を始めています」。

その他の重要なスマートウォッチ業界の動向として、ConnectIQを搭載したスマートウォッチとfenix Chronosの好調な売れ行きから、Garminの販売台数が昨年比で最大の増加率を記録したことが挙げられる。一方で、新型がいっこうに発売されないままのLenovoの販売台数は昨年比で最大の下落率を記録している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter