遠隔医療のPlushCareがシリーズAで800万ドルを調達

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本日、遠隔医療のPlushCareがシリーズAで800万ドルを調達したことを発表した。リード投資家を務めたのはGGV Capitalで、他にもLightspeed Venture PartnersExponentの2社が本ラウンドに参加している。

遠隔医療という分野はなにも新しいものではない。2002年に創業し、今では上場企業となったTeladocもビデオ通話による遠隔治療サービスを提供している。しかし、PlushCareはこれまで同業他社ができなかったことを成し遂げようとしている。快適に遠隔治療というサービスを利用してもらおうという試みだ。

AirbnbやUberなどのアプリと同じように、PlushCareのアプリでは自分で好みの医師を選ぶことができ、その医師からオンデマンドで遠隔治療を受けることができる。扱われるのは緊急性の低い病状だ。PlushCare CEOのRyan McQuaidは、医師の緊急治療室への呼び出しの7割が不必要なものだと説明する。

増加し続ける医療費に健康保険業界が苦しめられているという現状を考えれば、PlushCareのサービスが与える価値が大きいことは明らかだろう。だが残念なことに、OG Teledocを含めた既存の遠隔医療サービスは、そのサービスの経済性を証明することができず、そのために重要なパートナーシップを維持することができていない。CVS Minute Clinicなどのサービスと遠隔医療サービスが提携を結ぶと、両者の収益を共食いしてしまうとMcQuaidは主張する。

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PlushCareの共同創業者の2人。左からRyan McQuaidと、James Wantuck博士。

「遠隔医療というマーケットが大きくなるにつれて、他のカテゴリーとの関係性も深まり、診断医療や調剤業界などに与える影響も大きくなります」と語るのは、CGV Capitalでマネージングパートナーを務めるJeff Richardsだ。

しかし、PlushCareの場合、他社とパートナーシップを結ぶことにフォーカスするよりも、顧客の獲得に直接フォーカスすることが今後しばらくの彼らの方針のようだ。また、彼らは自分たちがコントロール出来ないものの優先順位を考える代わりに、医師のネットワークを構築することに専念してきた。他社との差別化を図るために、彼らはTOP50のメディカルスクールを卒業した医師としか契約を結んでいない。

風邪や腰痛など、緊急性の低い病状しか扱わないサービスとしては、これはいささかやり過ぎの感があるが、それだけ同社は顧客から信頼を獲得することに注力しているということだろう。大学受験予備校など、他の業界もコスト以外の面で差別化をするために、これと似たモデルを採用せざるを得ない状態だ。PlushCareはコスト面での差別化も図るため、ネットワークへのアクセス料金を取っていない。遠隔治療を受ける回数が少ないユーザーにとっては朗報だ。

「今後、この分野に対する規制が緩和され、低コストで満足度の高いヘルスケアを提供するという消費者中心型のヘルスケアがもつチャンスがさらに広がると確信しています。PlushCareは、コストと消費者満足度という両方の側面で優れたサービスなのです」とRichardsは語る。

PlushCareは積極的なマーケット進出戦略をとっている。これまで数十年間、数々の規制によって遠隔治療サービスが全国的にビジネスを拡大するのは困難だった。しかし、すでにPlushCareは15の州でビジネスを展開中だ。これまでは米国東部と西部の州への拡大を中心的に行ってきたが、今後は米国全土の他の地域へも拡大していく予定だと同社は話している。

今のところ、医者のカルテはそれぞれの医療機関にバラバラに保存されていて、それがシームレスな医療を実現する妨げになっている。つい先日、臨床研究サービスのQuest DiagnosticsとPlushCareがパートナーシップを結ぶとの発表があった。これにより、何百人もの患者の臨床検査の結果がPlushCareに提供されることになる。だが、PlushCareのプラットフォームに加入している医師と、外部の医療機関の一部はそのデータにアクセスすることが可能にはなったが、主要な医療機関と遠隔医療サービスとの間のデータの共有はまだ十分ではない。

これは同社にとって解決すべき重要な課題だ。なぜなら、McQuaidは同社を単なる遠隔医療サービスではなく、ハイクオリティな医療データのポータルにすることを目指しているからだ。それを実現するためには、エコシステム全体に眠るデータの所有権をこれから獲得していく必要がある。

[原文]

(翻訳:木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter