これからの企業を支える新しいコラボレーションプラットフォーム

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JIRAに死を

【編集部注】著者のPeter Yaredは、Saphoの共同創業者兼CTOである。

私たちはエンタープライズソフトウェアの新しいフェーズに近づきつつある。そこでは、Software-as-a-Serviceによってあらゆるニッチが満たされ、クラウド企業が大企業に統合されていく。マーケットは、バンドリング(集中)からアンバンドリング(分散)に移行する傾向にあり、そこでソフトウェアはイベントをバンドリングする(束ねる)方向へ向かっている。クラウド、オープンAPI、次世代メッセンジャー、そして機械学習が組み合わされて、エンドユーザーインターフェイスからエンタープライズソフトウェアまでを巻き込み、統一されたエクスペリエンスを生み出している。

Portal Softwareのようなポータルサーバーから、Jive Softwareのような “Enterprise 2.0″コラボレーションソフトウェア、そしてYammerのような通信プラットフォームに至るまで、さまざまな試みが行われている。しかし、これらはいずれも問題の一部を解決するだけで、さまざまなバックエンドを統合するのは難しく、企業の外にいる人々と連携することも難しく、ユーザーを肩代わりしてすべてのデータを調べてくれる機械学習も存在していない。

さて過去数週間のうちに、Microsoft、IBM、Facebookが、企業向けの次世代コラボレーション・インターフェースを発表した。Slackが2、3年前にYammerとChatterの再始動に火を着け、それらはいまや大きくなって復活し咆哮を始めている。

これらの新しいメッセンジャーの主な変更点は、メッセージを機械学習に「プッシュ」して、エンドユーザーが関連するデータのみを取得できるようにするサードパーティのソフトウェアを統合できる能力である。こうしたことの全てが、レガシーシステムを含むほとんどのシステムに簡単にアクセスできるマイクロサービスの急速な普及に基づいている。一部のプラットフォームでは、従業員が特定のタスクを迅速に実行できるようにするシンプルで単一目的のマイクロアプリを完全統合することも可能だ。

最も便利な機能は、エンドユーザーがマイクロフローを駆動できるようにすることだ。例えばそれを用いれば購入申請を承認するなどの簡単な処理を実行できる。以前TechCrunchに書いたように、マイクロフロー、マイクロアプリケーション、マイクロサービスの独自の組み合わせによって、私が「マイクロウェーブ」アーキテクチャ と呼ぶ新しいアーキテクチャが可能になっている、

私たちはSaphoで、これらの初期のプラットフォームのほとんどを使って作業できる機会に恵まれた;以下に私たちの印象を述べよう。

Microsoft Teams

強み:Office365に同梱。

長所:この市場への最近のMicrosoftの取り組みは、非常に包括的で、よく考え抜かれた製品である。サードパーティの統合はクラス最高で、サードパーティシステムが提供するマイクロアプリをタブを使って完全にサポートすることが可能である。 Skypeの音声と映像機能の統合は、シームレスで完璧に機能し、チャネルの会話フローに統合することさえ可能だ。チャネルあたりのアクティブユーザー数はSlackの5倍になる。これは本当に新しいMicrosoftだ:デスクトップ版のMicrosoft TeamsはElectronとChromiumを使用し、発表時点でWindows、MacOS、iOS、Android、そしてもちろんWindows Phone上での利用が可能である。

短所:インターフェイスは少々煩雑だ;メッセンジャーフレームワークに多くを詰め込んでいる。Microsoftはいつものようにしつこく改良を繰り返し、インターフェイスをクリーンアップするだろう。

IBM Watson Workspace

強み:要約とアクション項目の抽出を伴うメッセージの認知的なグループ分け。

長所:Watson Workspaceは、新しいメッセンジャーたちの中で最もすっきりとしたインターフェースを提供する。この製品は十分に計画され、設計されてて、IBMのテクノロジーから期待されるように、柔軟に拡張することができる。IBMは、認知技術を企業にもたらすリーダーである。Watson Workspaceでは、情報を簡単に見つけることができないという、メッセンジャーの最も苦痛を感じる側面の1つをターゲットにしている。 Watson Workspaceは過去のメッセージを魔法のようにクラスタ化し、サマリーやアクション項目までも抽出する。それは実際に目にするまで、とても信じることができないほどだ。またIBMを初めて使うユーザーに対してはプロダクトが無償で提供される。

短所:サードパーティの統合は優れているが、マイクロアプリケーションをインターフェイスに統合する機能はまだまだである。IBMは、次世代のコラボレーション・ツールを探しているバイヤーたちの、心の一番上に飛び込むことはない。しかし、IBMはこれまで伝統的なバイヤーとの間にしっかりとした足跡を残しており、バイヤーたちが次世代ソフトウェアを模索する中で実際に注目を始めているので、ワトソン製品ラインのブランドを活用することは賢明だ。

Workplace by Facebook

強み:コンテンツをアルゴリズムを使って浮上させる使い慣れたユーザーインターフェイス。

長所:Facebook Workplaceの最大のメリットは、誰もがそれをどのように使用するかを既に知っていることだ。インターフェイスは、Facebookのコンシューマー版と似通っている。使い慣れたフィードでコンテンツを表示するFacebookの魔法のアルゴリズム。FacebookメッセンジャーはDavid MarcusとStan Chudnovskyの統率の下で強化されている。Facebookは、現代のコラボレーションツールの主なユースケースの1つである外部のチームメンバーのサポートがすぐに可能である。

短所:Facebookのアルゴリズムは、仔犬の動画であろうがドナルド・トランプ尽くしであろうが、あなたが望むものを見せるように調整されている。しかし仕事の場では、人びとは特に好きではないデータに触れる必要もある。Facebookはこれまでの歴史で、プライバシーにはあまり気を配って来なかった。エンタープライズシングルサインオンをサポートしたとしても、Facebookでホストされているコンテンツが今まで以上に安全になることはない。Facebookはサードパーティの統合をサポートすると発表したが、生態系を展開する切迫性を感じてはいないようだ。

Slack

強み:第2世代の1番手、SMB(Small and Midsize Business)での利用に強み。

長所:Slackはクリーンで楽しいインターフェースを提供し、無償で使い始めることができる。コードがチャネルに貼り付けられたときに自動検出して綺麗に整形するといった、クールな機能を備えた次世代メッセンジャークライアントの先がけだ。サードパーティとの統合はかなり優れているが、メッセンジャーにマイクロアプリケーションを直接統合する計画はない。競争は通常、企業の意思決定者に対するトップダウンで行われるのだが、Slackは純粋なボトムアップの売り上げモデルを使う期待の新人だ。

短所:Slackはエンタープライズクラスの製品の提供ができなかった。それぞれのSlackチーム(グループのこと)はすべて、PHPを実行する別個のAmazonサーバー上で動作し、150人を超えるユーザーをサポートすることは現実的には難しい。ユーザーは別のウィンドウを開いて、利用するそれぞれのスラックチームに対して個別のユーザー名とパスワードを保持する必要がある。これは、すべてのスラックチームがslack.comドメインで動作することを考えると特に厄介だ。お願いだからSlack、ユーザーデータベースをAmazonのRedisに移行して、サーバー間で認証クッキーを渡すようにしてくれ、1ヶ月位で出来ちゃうプロジェクトだぞ!どこかの時点で、kumbayaカルチャー(キャンプファイヤーを囲んで話をするように、お互いに腹を割って話すこと)が発動されなければならない;エンジニアリング部門の人びとと率直な話をする機会を持たなければならないのだ。それはミレニアム世代の一部の者にとっては悲しい経験となるだろう。

Google            

強み:G SuiteとHangoutsにバンドルすることができる。

Googleはこのレースのダークホースだ。Hangoutsに永続的なチャットグループを丁度加えたばかりである。

それらは皆どこに向かうのか

最大のエンタープライズ・プレイヤーのうちの2社であるMicrosoftとIBMが、今この市場を狙っている。マイクロソフトはOffice 365へのバンドルという優位性を持ち、IBMはコグニティブコンピューティングに優位性がある。 Facebookは、そのよく知られたインタフェースと表示アルゴリズムで、企業の抵抗を克服しなければならない新規参入者だ。スラックはその栄誉の座を占めて来たが、今やそれを上回ろうとしている大企業に追いつかなければならない。Googleの市場参入は、主にG Suiteを使用するSMB市場のローエンドをターゲットとし、Slackにさらなる課題をつきつけるだろう。

これらのすべてのプレーヤーのエキサイティングな部分は、メッセージングを超えて新しいモダンなインターフェースでエンタープライズワークフローを再発明することが急速に可能になって来ていることだ。特に大企業では、従業員が情報に圧倒され、古いソフトに縛り付けられているために、こしたものが本当に必要とされている。さあ前へ進もう!

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(翻訳:Sako)