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人工知能が企業のセールス業務に利用される例が増えている

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2016年は人工知能(AI)が非常に注目された年だった。人工知能の開発は何十年も前からはじまっていたが、パワフルなコンピューターを安価で利用できるようになったことと、アクセスできるデータの量が飛躍的に伸びたことで、今年になってやっと人工知能の時代が訪れたようだ。

AIによるビジネスの効率化が最初に始まったのは企業のセールス業務だった。毎日のように繰り返される営業ワークフローをAIによって効率化させようという試みだ。考えてみれば、企業の収入を直接的に左右するこの分野でAIの応用がはじまったのは、当然の成り行きだったと言えるだろう。AIがビジネスに与える影響を調査する、Constellation ResearchアナリストのAlan Lepofskyは、ベンダーたちがこの動向に注目しているのは確かだと話す。

彼によれば、人間は情報オーバーロードに苦しめられているという。私たちがより多くのデータを集めるにつれて、そのデータがもつ意味を理解するために私たちはコンピューターの処理能力に頼らざるを得なくなる。「AIが情報をフィルタリングしたり、タスクを自動化することで、その負担を軽減してくれることが期待されます」とLepofskyは話す。

AIはスタートアップ・コミュニティにも多大な影響を与えている。TechCrunchでも今週、AIによる営業アシスタントを開発するConversicaが3400万ドルを調達したことを報じたばかりだ。このAIアシスタントには自然言語処理(NLP)、推論エンジン、自然言語生成などの技術が使われている ― なかなか洗練されたテクノロジーだ。このAIが見込み客との初期コンタクトを自動化し、その後に人間の営業員に引き継ぐという仕組みだ。

一方、CRM業界のベテランが創業したTactは、営業員のスケジューリング管理などにAIを活用するスタートアップだ。同社もまた、今月初めに1500万ドルを調達したことを発表している。営業員が「CRMの奴隷」になってしまうことを防ぎ、AIを活用して彼らにロジカルで効率的な営業法を提供するというアイデアだ。

これらのスタートアップは、営業という分野のなかにある様々な側面をAIによって効率化させようとしている一方で、SalesforceOracleBaseなどといったCRM業界の巨人たちは単に顧客情報を記録するためのツールではなく、それに内蔵された「知性」によって営業活動を強化するというCRMツールを開発している。

従来型のCRMは顧客と営業員とのやり取りを記録するためのツールだったが、AIによってそれ以上のことが可能になったと話すのは、Bluewolfでカスタマー・エクスペリエンス部門のSVPを務めるVenessa Thompsonだ(BluewolfはSalesforceと提携するコンサルティング企業である)。

「AIはカスタマー・インタラクションがもつ力を引き出し、新たなデータが追加されるたびにツールはより賢くなります」と彼女は語る。

プラットフォームがもつ力を有効活用することで、営業員は顧客と接する時間を増やし、契約を獲得することだけに集中することができる。「営業員がどこに時間を費やすべきか、そして次に何をすべきかを予測するためには ― 彼らに適切なデータを、適切なときに与える必要があります。営業員はあらゆるソースからデータを取得する必要があり、彼らがそのデータを利用して意思決定をするためにはコグニティブなプラットフォームが必要なのです」と彼女は説明する。

AIをカスタマーサービスの分野に適用する企業も増えている。ボットを利用した初期コンタクトの自動化などがその例である。シンプルなタスクはボットにまかせ、より複雑なタスクは人間のオペレーターが対応するというアイデアだ。今週、SalesforceはLiveMessageをリリースした。これは、同社のService Cloudプラットフォームにメッセージング・アプリを組み込み、人間のオペレーターとボットの力を組み合わせるためのツールだ。

AIを営業やカスタマーサービス分野に適用する動きは、AIによるビジネス効率化の初期事例にすぎないだろう。コンピューターによって従業員の能力を拡張することが主流になりつつある今、今後数年間のうちにAIがさまざまなビジネス分野に適用される事例が増えていくことだろう。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter