FCA

フィアット・クライスラーとGoogle、Androidを車載システムに統合へ―CESでデモ展示

次の記事

新生Microsoftの展望―市場は引き続きサティヤ・ナデラのリーダーシップに好感

今日(米国時間1/2)、FCA(フィアット・クライスラー・オートモビル)はAlphaebetの新会社、Waymoが協力を進めていることを発表した(Waymoは以前のGoogle自動運転車事業部)。

GoogleはWaymoを通じて、自動運転テクノロジーだけでなくAndroidを利用した車載システムもFCAに提供する。Androidベースのシステムは標準的車載機器をコントロールし、インターネットに接続して情報やエンターテインメントを乗員に届ける。 FCAの新しい車載システムはUconnectと呼ばれ、Android 7.0がベースとなる。新システムはAndroidアプリと互換性があるのはもちろん、エアコンその他の車載デバイスを動かし、地上波ラジオ局を受信するなどきわめて多機能だという。.

GoogleとFCAの協力はAndroid Autoを含めて非常に広範囲となるはずだ。Android Autoは操作がシンプルでドライバーの注意力を補ってくれるドライバー・フレンドリーなレイヤー化されたAndroidシステムだ。表示には車載ディスプレイまたは所定のマウントに挿入されるスマートフォン(自身の電源で作動)が利用される。Googleは検索事業の巨人だが、自動車産業への進出に高い優先順位を与えることにしたようだ。今回の動きはGoogleが自動車メーカーの車載システムに自社のテクノロジーを基本的なレベルで組み込もうとしてることの現れだ。

FCAのプレスリリースによれば、GoogleのAndroid Engineeringの責任者Patrick Bradyは「われわれはAndroidをすべての機能が備わった本当の意味でのターンキー車載システムにする。これは自動車自身のシステムと安全性を確保しつつシームレスに結合したものになるだろう」と述べている

フィアット・クライスラー側にとってGoogleとAndroidは非常に魅力的な機能と柔軟性を提供する。つまり自動車メーカーとしての車載システムの独自性を失うことなくユーザーにAndroid互換性を提供することができるわけだ。

FCA の電気工学の責任者、Chris Barmanはリリースで「Uconnect車載システムはAndroidをベースにすることで、ユーザーが見慣れたUIを通じてシンプルな操作が可能になり、Androidエコシステムに含まれるすべてのアプリがそのまま利用可能になる」と述べている。

自動車メーカーが車載システムの独自性やコントロールを保持できるというのはGoogleがもつ大きな優位性だ。AppleもCarPlayを通じて車載システムへの進出を図っているが、Appleがブランドはもちろん、UIのルック・アンド・フィールを含めてCarPlayに対するコントロールを手放すとは考えられない。対自動車メーカーにかぎらず、iOSや最近のOS
X/macOSを含め、Appleはこれまでサードパーティーに基本ソフトウェアの改変を許したことはない。

なるほど、自動車メーカーはUIの専門家ではないので、ルック・アンド・フィールのデザインを任せることは理想的な解決策とはいえない。過去の例をみても、不細工なUIが作られるリスクが多いにある。しかし自動車メーカーはドライバーの注意を散漫にしないよう当局が設けた厳しい規制に従わねばならない。つまり自動車メーカーが車載システムのUIデザインの主導権を外部のソフトウェア・メーカーに完全に譲り渡すことはないだろう。ここで述べたような安全上の理由に加えて、ユーザー体験の主導権を手放したくないというメーカーとしての理由もあるだろう。

GoogleのAndroid OSに対しての柔軟性が車載システムでのシェアを獲得する際の切り札となる可能性がある。さまざまなレベルの自動運転システムが普及するにつれて、ドライバーの車内での時間は根本的に変化するだろう。インターネット企業にとってさらに価値の高いものになるはずだ。今週ラスベガスで開催されるCESでAndroidと統合されたUconnectがデモ展示されるという。私もCESに行くので実地に試してみたい。しかし現時点でのユーザー体験のレベルとは別に、FCAとの提携はGoogleにとって非常に有効な一手となったと思う。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+