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FraugsterはAIでクレジットカード詐欺を防ぐスタートアップ―すでにVISAが採用

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ドイツ人とイスラエル人の共同スタートアップ、Fraugsterは人工知能((AI)テクノロジーを利用してオンライン詐欺を防止する。

2014年にFraugsterを共同で創立したドイツ人、Max Laemmleはオンライン支払いのポータル、Better Paymentの共同ファウンダーだ。LaemmleによればFraugsterのもう一人の共同ファウンダー、Chen Zamirは PayPalに5年勤務したのを始めとしてアナリティクスとリスク管理の分野で10年以上の経験があるという。Fraugsterによると、同社はVISAを含め世界で数千のクライアントを持ち、総額150億ドルの支払を処理したという。

FaugsterはこのほどEarlybirdがリードするラウンドで500万ドルを調達した。今回のラウンドには既存の投資家であるSpeedinvest、Seedcamp、匿名のスイスの資産家ファミリーが加わっている。調達した資金はFraugsterの国際展開のための人材獲得にあてられる。

FraugusterのAI利用のオンライン詐欺検出テクノロジーは取引を個別にリアルタイムで監視することにより発生する以前に攻撃を予知することが可能だという。その結果、Fraugsterは不正な支払を最大70%減少させると同時に、コンバージョン率を35%アップさせることが可能だという。AIを利用するかどうかはとは別に不正発見テクノロジーの重要なポイントは単に詐欺を警告するだけでなく、誤った警告によってコンバージョン率を低下させないことにある。

共同ファウンダー、CEOのMax Laemmleは私の取材に対して次のように語った。「われわれがFraugsterを創立した理由は、現在のオンライン支払リスク管理システムがまったく時代遅れのテクノロジーに基いていることに気づいたからだ。既存システムは単純なルール・ベースあるいは旧式の機械学習を利用しており、運用が極めて高くつく割に処理スピードが遅すぎる。そのため新しい詐欺のパターンをリアルタイムで発見することができない。われわれは自己学習可能なアルゴリズムを開発した。これは人間のリスク管理アナリストの思考過程の再現を試みたものだ。しかもコンピューター・ベースであるために大規模に拡大でき、判断に0.15秒しかかからない」。

Fraugsterは、支払請求の分析にあたって、氏名、メールアドレス、支払者住所、発送先住所、などのデータポイントをチェックする。これに加えてIPレイテンシーが正常か(支払請求者の住所とマッチしているか)、IPの接続形態、キー入力の間隔など2000以上のデータポイントが収集される。このデータポイントがAIエンジンに送られて正常か否かが判断される。

「AIエンジンそのものは人間のリスク管理専門家の思考を再現した非常に強力なアルゴリズムだ。その結果、われわれは個別取引の背後にどういう事情があるかを前例のない正確さで判定できるようになった。これによってどれが不正でどれが不正でないかを確信を保って判断できる」とLaemmleは語った。

「われわれのエンジンはそれぞれの処理の結果ないし点数を表示する。きわめて透明な仕組みだ。ブラックボックスはどこにもない。運用者はある支払請求が不正と判断されブロックされた場合、その根拠を正確に知ることができる。これに加えてそれぞれの処理にかかる時間が15ミリ秒ときわめて速い。これほど高速に処理できるのはFraugsterがメモリ内にロードできるデータベースの開発に成功したからだ」

FraugsterはライバルとしてFICOやSASのような巨大企業を挙げ、しかしこうした企業は「時代遅れのテクノロジーを使っている」と主張する。

Laemmleは 「Fraugsterでは不正を検知するために固定したルールやモデルをソフトウェアに組み込んでいない。単一の固定的アルゴリズムはいっさい用いていない。われわれのエンジンは取引を処理するごとに自分自身をアップデートしていく。つまりオンラインでの支払を1件ごとに解析し、それが不正であるかどうかを判断する。その結果、従来にない精度を実現できるようになった。実際の攻撃が行われる前に発生を予知できるほど高い精度だ」と付け加えた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+