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Slackが会話にスレッド化を導入―エンタープライズ・チャットが大きく進化

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今日(米国時間1/18)、Slackはついに会話のスレッド化という大きなアップデートを行った。ユーザーはスレッドを用いるとメッセージのカオスから離脱して、特定の投稿に対する受け答えを着実に続行することができる。スレッドの利用は簡単で、既存のチャンネルやダイレクト・メッセージと同様、スレッドの開始も参加も簡単にできる。新しいコメントをメインのストリームでも共有したい場合、メッセージの下部に表示される小さいチェックボックスをクリックしておけばよい。

Slackは誕生以来ずっとこの上なくシンプルな企業向けコミュニケーション・ツールとして人気を集めてきた。あちこち改良が行われたが、全体として変化は少なかった。こうした「シンプルで使いやすい」ことがセールスポイントのサービスが大きなアップデートを行うときには―たとえ多くのユーザーが望んでいる方向への変化であっても―慎重にならざるを得なかったのだろう。

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スレッドが表示されるのはSlackがFlexpaneと名付けた右側の多機能サイドバーだ。従来この部分にはメンバーのディレクトリ、最新のアクティビティーなどを表示させることができた。スレッドを開始するのはごく簡単だ。投稿されたメッセージの上にマウスを乗せると、投稿右上部に「リアクションを追加」などのアイコンが表示される。今回ここに「スレッドを開始」のアイコンが追加されたので、クリックすればよい。右側にサイドバーが開き、ここでスレッドによる会話を続行することができる。【略】

スレッドは多くのユーザーが長いあいだSlackに要求していた機能だった。Convoなどライバルの企業向け共同作業ツールにはスレッドをサポートしているプロダクトも多い。スレッド化はSlackの競争力を高め、Slackを少し試しただけで離れてしまったユーザーを引き戻す上でも重要だと考えられていた。スレッド機能の開発には1年以上かかったものの、Slackはこれで単に使いやすいチャット・ツールというだけでなく、企業向けのフル機能の共同作業プラットフォームとなった。

Slackはスタート以来、ユーザー体験を変えるような大きな変更を行ってこなかった。シリコンバレーのスタートアップとしては希なことで、Skackが高い人気を得ている理由のひとつにもなっている。昨年4月に2億ドルを調達したときのSlackの企業評価額は38億ドルにも上った。最近の大きなアップデートといえば、サードパーティーのデベロッパーがボットを開発することができるプラットフォームが提供されたことぐらいだった。

騒がしいメインストリームの会話から離れて個別の話題をスレッド化できる機能の提供は、Slackの規模が拡大するにつれて必要性を増していた数多くの新たなユースケースを提供するだろう。Slackにスレッド機能がないことは小人数のチームが利用するだけならあまり気にならなかったかもしれない。しかし大企業が全社的に採用するようになるとユーザーのメイン・パネルは会話の奔流となり、理解が難しくなっていた。Slackではチャンネルの追加やプライベートな会話も可能だが、これも開いてみるとどこかで拾ってきたつまらないGIFしかアップされていないことがある。スレッド化は使い方をシンプルに保ったままメイン・パネルのノイズを脇に追いやることができる機能として歓迎されるだろう。

スレッドはモバイル・アプリからも利用可能だ。Slackは企業内のわれわれの現実のコミュニケーションの行動をオンラインで再現する試みだ。それだけにSlackのプロダクト責任者、Paul Rosaniaは「スレッド機能はSlackのメイン・パネルの機能をすっかり代替するものではない」と注意する。

「われわれはスレッドをメッセージの中心にしようとしているわけではない。もしそうならスレッドを〔必要に応じて表示される右サイドバーではなく〕もっと目立つ位置に実装しただろう。スレッドは従来の機能では対処が難しいユースケースに対処するためのものだ。メインのパネルに流れる情報量が多すぎる場合、会話が困難になることがある。メイン・パネルの情報量には適正な上限があるのだろう」とRosaniaは述べた。

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スレッド機能はまだ全ユーザーに公開されているわけではない。【略】 「ユーザーがこの機能を実際にどのくらい利用してくれるかまだわれわれには判断できない。しかしこういう機能をユーザーが必要としていたことは確かだ」とSlackの副社長、April Underwoodは語った。

〔日本版〕Slackのヘルプセンターのスレッド機能の説明によれば、「スレッドはここ数日かけて徐々に全ユーザーに公開される予定。 Slackをアップデートしてもスレッド化機能が表示されない場合はもう少しお待ちください」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+