Walmartがアウトドア用品大手のMoosejawを5100万ドルで買収

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Walmartは現地時間15日、アウトドア用品大手のMoosejawを約5100万ドルで買収すると発表した。買収費用はすべて現金で賄われる。ミシガン州マディソンハイツに拠点を置くMoosejawは、オンラインで大きなプレゼンスをもつとともに、ミシガン州をはじめとするアメリカ中西部に10の実店舗をもつ。Walmartによれば、同社による他の買収先と同じく、Moosejawは今後も独立した経営を維持される。そして今後、両社が互いに補完し合うようなブランドを開発していくという。

Walmartは、先月もオンラインの靴販売店であるShoeBuyを買収している。さらに、それ以前の昨年夏には30億ドルのjet.comの買収もあった。今回から加わるMoosejawをはじめ、Walmartは傘下にいくつかの独立ブランドをもつ。jet.comが買収していたHayneedle.IncやSam’s Clubなどがその例だ。

Moosejawは先日、Internet Retailerが発表した「2017年に『ホットな』小売店100」にも選ばれている。しかし、Walmartが注目したのはMoosejawのビジネスカテゴリーと、同社の業界との関係性だ。それに加えて、Moosejawは若い顧客を引き込むためのソーシャルメディア戦略に長けているという点も挙げられる。

Moosejawの買収によりWalmartは、アパレルというオンラインショッピングで人気のカテゴリーに新たなエントリーポイントを獲得することとなった。Patagonia、the North Face、Marmot、Arc’Teryxなど400のブランドから発売される12万以上のSKUが新たにWalmartに加わることとなる。Moosejawは服やアクセサリーの他にも、登山、ハイキング、キャンプ、スノースポーツ、ヨガ、水泳、サイクリングなどに使われる装備品も取り扱っている。

comScoreの調査によれば、2015年にはじめて、服とアクセサリーがオンラインショッピング最大のカテゴリーとなった。そして、今後そのカテゴリー内の競争が激しくなっていく。

Amazon Fashionというアパレル専門ストアももつAmazonは、ファッションカテゴリーの拡大を急速に進めている最中だ。また同社は、いくつかのプライベートレーベルブランドを通してファッションアイテムの販売もしている。Amazonが独自ブランドのトレーニングウェア女性用下着の販売をはじめるという報道もあった。加えて、Amazonがイギリスで独自のファッションブランドを立ち上げるというニュースもある。

Robert Wolfe氏とDavid Jaffe氏が1992年に創業したMoosejawは、現在350人以上の従業員を抱えている。今回のディールは2月13日午後に締結。Moosejaw CEOのEoin Comerford氏および同社の役員は、今後Walmartの北米向けEコマースチームに加わることになる。Moosejawの従業員たちは今後もミシガン州を拠点に活動を続けるが、Comerford氏はScott Hilton氏が率いるWalmartのアウトドア用品チームの監督を務める予定だ。

Moosejawの実店舗も通常通り営業を続けていく。しかし、同社はその収益の大半をオンラインから得ている ― その割合は85%にものぼるそうだ。

「WalmartのEコマースチームに加わることができ、とてもワクワクしています。そして、彼らのアウトドア用品ビジネスを率いることができるチャンスを楽しみにしています」とComerford氏は話す。「MoosejawとWalmartの新しい関係により、ブランドパートナーのためにマーケットプレイスを運営するという私たちのビジネスはユニークなポジションを獲得することになります。ただし、これまでMoosejawで取り扱ってきたブランドをjet.comやWalmartで取り扱うかどうかは、各ブランドの裁量次第です」。

Jet.comと同じく、Moosejawは独立したコンシューマー向けブランドとして経営を続けていく。しかし、これらのブランドを統合することでWalmartは恩恵を受けてきた。Jet.comとWalmartは、それぞれがもつ倉庫やサプライチェーンを統合することで、今年1月から商品を2日以内に届ける手数料無料のサービスを開始することが可能になった。

Mossejawとのケースでは、同社がこれまでに培ってきたトップブランドとの良好な関係性を引き継ぐことができる。これは、Walmartがそれらのブランドの商品をWalmart.comやJet.com、そしてShoeBuyなどのストアで取り扱うための交渉力につながるだろう。

「バックエンドでは広範囲な統合が行なわれることになります」と、WalmartのスポークスパーソンであるRavi Jariwala氏は今回の買収が与える影響について説明する。「より大きくなるスケールを利用することで、配送コストやクレジットカード利用料、各種取引にかかるコストなどを圧縮することもそれに含まれます」と彼は加えた。

またJariwala氏は、Jet.com傘下であるHayneedleの独立性を維持したことは成功だったとした上で、Moosejawに関しても同様の方針だと語った。

「それが、私たちが再現しようとしているモデルです」と彼は話す。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter