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Facebookで職探し―、LinkedInの牙城を崩す新機能

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Facebookは、これまでLinkedInが注意を払ってこなかった2つのグループをターゲットに、種々の求人機能をローンチしはじめた。彼らがターゲットにしているグループとは、単純労働者と積極的に職探しをしていない人たちだ。昨年TechCrunchがテスト中にあったのを報じたこの機能によって、FacebookはLinkedInの成長を妨げるばかりか、彼らから広告収益の一部を奪うことになるかもしれない。

新機能を使えば、ビジネスアカウントを持っている企業は、Facebookページのステータスアップデート機能を使ってフィード上に求人票を投稿できるほか、「Jobs」タブにもその情報を掲載できる。一方求人票を見たユーザーは、「Apply Now(今すぐ応募)」ボタンを押せば、Messengerを通じてその仕事に応募できる。応募にかかる時間をできるだけ短くするため、応募者の名前や写真は、Facebook上の情報から自動的に抽出されるようになっている。この機能は、アメリカとカナダの全てのビジネスアカウントで順次利用できるようになる予定だ。

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Facebookは求人票を広告としてフィード上に流すことで、新機能から収益をあげることもできる。さらにユーザーが求人票をシェアしたり、仕事を探している友人を求人票にタグ付けしたりするようになれば、企業は採用プロセスを効率化できるようになる。

Facebookで広告・ビジネスプラットフォーム担当ヴァイスプレジデントを務めるAndrew “Boz” Bosworthは、同社が「ユーザーが普段の生活の中で、もっとFacebookを有効活用するにはどうすればいいか」というのを考えていたと話す。そんな中Facebookは、小企業が採用に悩んでおり、ほとんどの人が現状の仕事に満足していたとしても、もっと給与が高くて良い仕事があれば転職する気があるということに気付いた。

これはLinkedInが満たせていないニーズだ。同社のサービスは、中規模以上の企業で高いスキルが求められる仕事を積極的に探している人たちの間では人気を博している。

しかしパートタイムの仕事やアルバイトを探している人にとって、学歴や履歴書を重視するLinkedInの仕組みはハードルが高いと考えられている。しかもLinkedInは、一度にたくさんの仕事に応募したいと考えている人には向いていない。その上、現在仕事をしていない人や、転職先を積極的に探していない人には、そもそもLinkedInを訪れる理由がないかもしれないのだ。

一方、LinkedInがターゲットにしていない人や、彼らを採用したいと考えている企業は毎日Facebookを利用している。そして投稿や広告という形で求人票が色んな人のフィード上に広まることで、転職を考えていなかった人にもその情報が伝わる可能性もある。さらに「Apply Now」ボタンのおかげで、ユーザーはいつも通りFacebookを使うような感覚で、簡単に求人へ応募できる。

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しかしこの機能にはひとつ問題がある。職探しをしている人の中には、雇用主がソーシャルメディアを通してバックグラウンドチェクをすることを恐れている人もいるのだ。Facebook経由の応募によって、雇用主は以前よりもバックグラウンドチェックをしやすくなるかもしれない。

この点についてBozは、新機能に関する調査を行ったところ「驚くほど好評」だったと話す。高いスキルが求められる、有名企業の人気ポストへ応募するような人は、ソーシャルメディアを使ったバックグラウンドチェックを恐れているかもしれないが、「カジュアルな職探しをしている人は、空いているポジションに片っ端から応募しています」と彼は言う。

最終的には求人に関する情報をユーザーの教育水準や職歴に応じて分類し、関連性の高い情報を表示することも検討しているとFacebookは話す。さらに同社が本機能を改良していけば、求人票を出している企業の社員や、求人票を見ている人が、自分の友だちでその仕事に合いそうな人を紹介できるようになるかもしれない。また求職者からの応募を受け取るチャンネルとしてのMessengerの人気が高まれば、採用担当者が応募情報をうまく処理するためのツールのニーズも高まってくるだろう。

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とはいえ、とりあえず今のところのFacebookの作戦は、(Microsoft傘下の)LinkedInがこれまで放置していた人に対して求人情報を届けるということだ。「求職者の3分の2は現状何かしらの職に就いています」とBozは話す。「彼らは良い情報が入ってきたら反応しますが、自分からいつも仕事を探しているわけではありません」

LinedInは採用に主眼を置いたソーシャルサービスとしてはナンバーワンかもしれないが、そのユーザー数は4億6700万人と、Facebookの18億6000万人には遠くおよばない。さらにFacebookのユーザーは何らかの目的で毎日Facebookを利用しているため、新機能のおかげで自分でも気づいていなかったような夢の仕事に関する情報をたまたま目にし、実際に応募することになるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter