信用管理サービスを提供するアラームボックスがみずほキャピタルやKLab、デジハリなどから資金調達

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取引先の信用リスク管理は、特に財務体力のない中小企業にとっては、経営存続に関わる大きな課題だ。でも小規模な企業ほど、与信専任の担当者などいないし、信用管理に関する知識も乏しい、というのが実情だろう。アラームボックスは、そうした企業向けに、独自の信用リスク判断のアルゴリズムを利用した取引先のリスク管理サービスを提供する、FinTech領域のスタートアップだ。

そのアラームボックス社が2月15日、みずほキャピタルおよびKLab Venture Partnersが運営する各ファンドとデジタルハリウッドなどを引受先とする第三者割当増資の実施を発表した。調達額は非公開だが、増資により資本金は1億円となる。

アラームボックス社代表取締役社長の武田浩和氏は、2010年にNISリースからスピンアウトする形で、売掛保証サービスのトラスト&グロースを設立。その後、東証一部上場企業ラクーンの100%子会社となった同社の代表取締役社長を2016年に退任し、6月にアラームボックス社を設立している。アラームボックス社には他にも、信用保証会社やメガバンク出身のメンバーがそろい、アルゴリズムで解析された信用リスクの最終判断などを担当しているという。

アラームボックス社は、2016年10月に開始した売掛保証サービス「セキュアボックス」に続き、2月20日には信用リスク管理の新サービスとして、登録した取引先をモニタリングし、信用状況の変化やリスクを解析・発見して通知してくれる「アラームボックス」を正式リリース、サービスを開始している。

武田氏によれば、アラームボックス開発のきっかけは、売掛保証サービスの利用企業から「取引先倒産のリスクを保証し、損失を補填してくれるだけでなく、倒産の兆候をはじめとしたネガティブな信用情報を事前に教えてほしい」という声があったことだという。

本来、信用リスク管理は取引先の定常的なモニタリングも含めて行うものだが、従来のサービスは高度な知識や高い利用料が必要な大企業向けで、中小企業にはハードルが高いものだった。「でも実は信用管理のニーズは、一度の焦げ付きで吹き飛んでしまうような財務体力のない中小企業の方が高い。そこで、そうした企業の方でも直感的に利用できるようなインターフェイスのサービスを、スマートフォンとPCで提供することにした」(武田氏)

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アラームボックス サービスページのサンプル

アラームボックスの通知設定は、1取引先までは無料。5社まで登録できる月額980円のライトプランと、20社まで登録できる月額3800円のビジネスプランとがある。

信用リスクの判断に独自アルゴリズムを利用していることについて、武田氏は「そもそも売掛金の保証や取引の審査などで、顧客である取引先に決算書をもらうということは基本的にはできないことが多い。決算書のない状態でも、さまざまな側面情報から審査を行って取引を開始する状況になる。そうした中で、ネット上のデータを側面情報の一つとして利用している」と話す。

参照するネット上のデータについては、「例えば飲食店の場合なら、口コミやレーティングサイトの情報なども一つの指標となる。レーティングを見てお客さんが来店行動を決めていることから、そうした評価も集客と実績に影響するので、倒産とレーティングとの間には実は一定の関係がある。これはTwitter上のバイトによる炎上などでも同じような傾向が見られる」と武田氏は言う。

「それらの情報に加えて、他の取引先による評判や業界内の情報、与信会社の情報も参照して、最終的には判定基準に基づいて信用リスクの判断を行っている。こうした判定は機械学習が強みを持つところでもあるので、今後、機械学習によってさらに精度をアップしていきたい」(武田氏)

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今回の調達資金は、このアラームボックスの開発体制、デザインやシステムの強化に全力でつぎ込む、という武田氏は「2年後には、アラームボックスに登録されるアラーム(取引先)の数を1万件にしたい。また、今後も資金調達を予定している」と話している。