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双方向
脳=コンピューターインターフェイス

より良い「双方向」脳=コンピューターインターフェイスの研究が進んでいる

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今回スタンフォード大学、そしてジュネーブ大学からそれぞれ発表された研究は、脳=コンピューターインターフェイス(BCI)の進化の速度が高まっていることを示す良い例だ。決してすぐにはマウスやキーボードの代わりになるというものではないし、未熟ではあるものの、この技術は障害を持つ人たちのための変革を予見するものだ。

まずスタンフォードの研究を紹介しよう。改善されたマイクロ電極アレイとコンピューターシステムを用いて、オンスクリーンカーソルを用いた文字入力を、麻痺したユーザーに対して可能にするものだ。

スタンフォード-BCI

「小さなアスピリンサイズの」電極アレイは100の電極を持ち、それぞれの電極が個別のニューロンをモニターすることができる。これを運動皮質に差し込み、利用者がカーソルを動かしたい方向へ腕を動かすイメージを思い浮かべると、何人かの人は、わずかの訓練で既存システムによる能率を凌ぎ、助力なしで1分間に何十文字もの入力を行えるようになる。

スタンフォード大学工学部教授でありレポートの共同執筆者であるKrishna Shenoyは、「この研究は、これまでに報告されていたものよりも、速度と正確さで3倍の成績を示しました」とニュースリリースの中で述べている。

当然ながら、望まれているのは、可能な限り簡単なセットアップで、麻痺に襲われた人びとのコミュニケーションできる速度を向上させることだ。そして、簡単かつ正確に画面上でカーソルを移動することができるということは、通常のコンピューターとの対話も遥かに簡単になるということを意味する。なので、文字入力を簡単にすることに加えて、人びとはウェブをナビゲートしたり、ゲームをしたりといった行為を簡単に行うことができるようになる。

「今回の実験は、安全性並びに実現可能性を確かめるためのものです」と、教授であり共著者でもあるJaimie Hendersonはスタンフォードビデオの中で語っている。「しかし、私はそう遠くない将来に、麻痺を持つ人びとを助けることのできるシステムを展開できるようになると信じています」。

彼らの研究は(米国時間)21日に発行されたeLife Sciencesで読むことができる。

次に紹介するのは、より理論的な性質のものだが、ジュネーブ大学のチームによるものだ。彼らはカーソルや腕の制御をするだけではなく、対象物からのフィードバックを脳に戻すことのできるBCIメカニズムを試作した。

mouse_bci

ジュネーブ大学の発表に実際に添えられている画像

BCIにありがちな課題は、脳から読み出した情報を元に行われた動作(バイオニックアームを動かしたり、スクリーン上のカーソルを選択したりといったもの)の結果を、利用者が視覚的に確認する必要があるというものだ。しかし、手足を有することの感覚の中には、位置に関する情報も含まれている。これは私たちが固有受容感覚(proprioception)と呼ぶもので、関節がどのくらい曲がっているか、手がどのくらい高く上がっているか、といった感覚を与えるものだ。こうしたフィードバックを生み出すための研究が行われてきたが、今回ともあれマウスを使って、より単純なプロセスを示すことができた。

研究者たちは、光を用いた顕微鏡的技術を利用して、マウスの脳内の細胞群をモニターした。マウスが、研究者によって選ばれた特定のニューロンを使うと(それ自身は何も行わないが、その活性化が明かりをつけたり、腕を動かしたりする外部の仕掛けに対応付けられている)、その動作結果に対する報酬とフィードバックパルスを、光を当たることで刺激を受けるように改変された感覚皮質の細胞を用いて受け取るようになっている。

この実験で示されたものは、研究者たちが選んだニューロンの活性化に対して、戻される人工的な感覚を、マウスの中で光刺激を用いて関連付けることができた、ということだ。これはプリミティブではあるが機能するフィードバックループである。

もちろん、人間がこうした感光ニューロンを手に入れるために、遺伝子治療を施されることはない、この研究はスタンフォードのものよりも、更にプリミティブなものだ。しかし、この研究は基本的な仕組みが働くこと、そして人間への応用が可能であることを示唆している。これらのフィードバックループをいくつか装着することで、目を閉じている時にも人工義肢のおおよその位置を感じることができるようになるかもしれない。

この論文はNeuronジャーナル上で、米国時間22日に発表された。

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(翻訳:Sako)