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外出先からLINE BOTで戸締まりチェック ― 1000円台で導入できるホームセキュリティ

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Amazon Echoが米国を席巻し、日本でもLINEがスマートスピーカー「WAVE」を発表するなど、スマートホームをはじめとするIoT分野の盛り上がりを感じるニュースが増えてきた。

電気をつけっぱなしにしたまま、映画を観ているうちにいつの間にか寝てしまう癖がある僕からすると、Philips Hueなんかは非常に気になるプロダクトの1つだ。でも、スターターセットのAmazon販売価格は1万6800円(記事執筆時点)。安いと言えば安いけど、「便利な電球」と考えると正直すこし躊躇してしまう値段ではある。

ただ、その一方で1000円台で導入可能なIoTプロダクトもある。日本のStroboが2016年12月から正式販売を開始した「leafee mag」もその1つ。このプロダクトはBluetoothでスマートフォンと連携できるスマート窓センサーだ。あらかじめ窓やドアなどに取り付けておけば、スマートフォンでドアの開閉状態を確認することができる。leafee magは本体と専用マグネットがセットで販売されていて、それぞれの端末が10mm以上離れることで「開いている」と認識される仕組みだ。

leafee magの導入に必要なのは本体とスマホだけで、本体サイズも42mm×42mmと小さく、両面テープで様々な場所に簡単に設置することができる。下の写真のように、エアコンに取り付ければ「つけっぱなし防止」にもなる。ちなみに、この用途はプロダクトのテスト中にユーザーが考案したのだそう。

希望小売価格は1980円。leafee magはスタートアップのプロダクトが並ぶAmazonの特設ストア「Amazon Launchpad」にもラインナップされており、Amazonでの販売価格は2138円となっている(記事執筆時点)。導入の容易さ、そして値段の安さが特徴のプロダクトだ。

LINE BOTで外出先でもセンサーの状態を確認

ただ、leafee magはBluetoothでスマホと連携するだけというシンプルな構造上、外出先から戸締まりの状況を確認することができなかった。そこでStroboは3月14日、外出先からでもセンサーデータを監視できるサービス「leafee Premium」をリリースすると発表した。

leafee Premiumでは、自宅などleafee magを取り付ける場所に「leafee Hub」と呼ばれるゲートウェイ端末を設置。端末を介してインターネットに接続することで、外出先からの戸締まりチェックを可能にしている。

これまでは遠隔での監視ができなかったため、leafee magは「自分の不注意を防止する」プロダクトでしかなかった。しかし、今後はドアの開け閉めをリアルタイムで監視することができるため、侵入者の検知なども可能になる。より防犯、ホームセキュリティの要素が強くなったかたちだ。

利用料金とゲートウェイ端末の価格は未定だが、利用料金は月額980〜2000円のレンジ内で利用人数やゲートウェイの数に応じた複数のプランを用意する予定。ゲートウェイ端末については、Strobo代表取締役の業天亮人氏は「1万円を切るくらい」の価格になる予定だとコメントしている。

leafee Premiumの最大の特徴はそのインターフェイスだ。PremiumはMesseging APIを利用したLINEのチャットボットに対応している。あらかじめLINE上でボットを友人に登録しておけば、センサーがドアの開閉を感知するとリアルタイムでLINEに通知が届くようになっている。

ボットに「とじまり」と話しかければ設置されたすべてのセンサーの開閉状況を確認でき、「あいてる?」と話しかければ、その時に開いているセンサーを知らせてくれる。LINEのグループに加入してさえいれば、家族のメンバー全員がセンサーの状態を確認することも可能だ。

インターフェイスとしてLINE BOTを採用した理由について業天氏は、「現状のIoTプロダクトが抱える問題はエントリーポイントが高いことです。プロダクトの価格がまだ高すぎるというのも原因の1つですが、一方でインターフェイスの問題もあります。ユーザーにとって、それぞれのプロダクトごとに違うアプリを使い分けることは難しい。leafee PremiumではLINE BOTをインターフェイスとして利用することで、LINEを使っている人であれば誰でも操作できるようにしたかった」と語る。

ところで、企業がチャットボットを採用するべきかどうかという話題になると決まって、人間とボットとのコミュニケーションがどうのという文脈で話されることが多い。しかし業天氏は、それとは違った視点で、スタートアップがサービスのインターフェイスとしてチャットボットを採用するメリットを教えてくれた。「体力のない小さなスタートアップにとって、あらゆるデバイスに対応するインターフェイスを自前で構築するのは困難です。しかし、LINEを初めとするプラットフォームを利用すればそれも可能になります」。

業天氏によれば、現在ホームセキュリティサービスは国内で150万世帯に普及しており、その数は毎年数十万世帯のペースで成長しているという。この分野の代表格はALSOKやセコムなどのビックプレイヤーが提供するホームサービスだ。しかし、現状多くのホームセキュリティサービスには初期費用で数十万円、月額でも数千円がかかるなど、導入へのハードルは高い。業天氏は「そのようなハイエンドのサービスと、防犯ベルなどのローエンド製品との中間を埋めるプロダクトになればと思います。また、防犯設備が整ってないことで若い女性から敬遠されがちだった賃貸物件のオーナーたちにも、後付けできるホームセキュリティプロダクトとしてアピールしていきたい」と話す。

2015年2月に創業したStroboは、創業当時にEast Venturesからシードマネーを調達している。その後も同社は資金調達を数回行っており、金額は非公開だが、累計調達金額は約1億円程度だと見られる。それらの資金をもとに、同社はこれまでにもスマートベッドの「mikazuki(ミカヅキ)」などのIoTプロダクトを開発してきた。既存プロダクトはメーカーと共同で開発を進めてきたものだったが、「単独で開発から販売まで行う方がスピード感があり、『IoTを一般家庭に普及させる』という私たちのミッションを早く達成できる」(業天氏)という理由から、独自開発へと方針をシフトしたという。その第1弾がleafee magだった。

そして同社は2016年8月、サイバーエージェントが運営するクラウドファンディングプラットフォームのMakuakeでプロジェクトを開始。目標金額30万円のところ、318人から合計約86万円を調達した(その際にはTechCrunch Japanでも取り上げている)。

leafee Premium(およびゲートウェイのleafee Hub)は今年4月から先行公開版をリリースし、年内には正式版の販売を開始する予定だ。