大学系VCに存在感―、2016年のファンド総額は2763億円で2008年以来最高を更新

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JVR(ジャパンベンチャーリサーチ)がまとめたレポートによれば、2016年に設立されたVCのファンド総額が2763億円と2008年以来の最高額を更新した。以下のグラフのとおり、2009年に185億円で底を打ったファンド総額は2013年以降に2000億円前後で推移。2015年、2016年と2362億円、2763億円と最高額を2年連続で更新した形だ。日本のベンチャー投資の主体であるVCの設立、ファンド組成は、引き続き総じて活況といえそうだ。

大学系ファンド設立が一巡して存在感

2016年に設立されたファンドの本数は53本と2015年の58本よりも微減している。総額が増えた背景にはジャフコ、グロービス・キャピタル・パートナーズグローバル・ブレインといったVCが大型の新ファンドを組成したことがある。大型ファンドの組成があったため、ファンド1本あたりの平均値は74.4億円、中央値は45億円と大きめになっている。

注目すべきは大学系ファンドの存在感だ。

2016年に設立された大学系ファンドは計6本、560億円。このうち東京大学が250億円、京都大学が160億円と7割以上を占めている。残り3割は東工大、慶應、名古屋大など。2015年に組成された大阪大学、東北大学のファンドと合わせて大学系ファンドは出揃った形だ。2008年からレポートをまとめているJVRの北村彰氏(相談役)はTechCrunch Japanの取材に対して「2017年は大学系ファンドが活躍するだろう。モノづくりでは追い風になっている」と話している。

CVC設立は高い水準で推移

大学系ファンドでも東大・京大など旧帝大をのぞくと、事業会社がLPとなるファンドが多い。また大きな独立系ファンドに出資するLPも事業会社が主体だ。2016年にはグロービスが機関投資家からの資金調達に成功するという先駆的事例もあったが、日本のベンチャー投資への資金源としては「民間パワーが強い」(JVR北村氏)。

事業会社がCVC(コーポレートVC)と呼ばれる子会社を設立して自ら積極的にスタートアップと関わっていく例も近年増えている。CVCブームと言って良いほどの勢いは2015年に引き続き、さほど衰えていないようだ。事業会社が投資子会社を設立する数は、2008年以降は1年あたり2〜4社で推移していたが、アクセラレーターブームなどを背景に2011〜2014年は6〜9社と増加した。それが2015年には15社と一気に増えて、2016年も12社と高い水準で推移している。