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ベストセラー‘Hillbilly Elegy’で白人貧困層の実態をリベラル層にも知らしめたJ.D. VanceがRevolution LLCでシリコンバレー以外のスタートアップを育成

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出版から2か月でThe New York TimesのベストセラーリストのトップになったHillbilly Elegy〔仮訳: 「白人極貧層の悲歌」〕の、その強烈な著者J.D. Vanceは今、ややためらいがちにスポットライトを浴びている。同書の出版は、そのタイミングが絶妙だった。Vanceの成長回想録は民主党寄りのアメリカ人に、ドナルド・トランプの上昇を支えた側のアメリカ人たちの実態への、もっと早くから必要だったリアルな理解を与える。

本の出版から9か月後となる今日まで、Vanceは左右両勢力にとって、真っ先に引き合いに出される人物になっていた。そして彼は、そんな有名人としての立場を有効に利用すべく、AOLの協同ファウンダーSteve CaseがワシントンD.C.で創業した投資企業Revolution LLCに加わった。そこで彼が任されるのは、同社のRise of the Restイニシアチブの普及活動だ。「その他大勢の上昇」、その他大勢とは、シリコンバレーやニューヨークのテクノロジーバブルの外にいるスタートアップ、そしてこのイニシアチブは、彼らへの投資を振興しようとする。

Vanceはこう語る: “自分がメディアが望むスポークスパーソンであるか、自信はないけど、誰もが問題について話すことはできるし、また、この問題を理解し、解決のために何かをすることはできると思う。ここでのぼくの目標は、理解の喚起と何らかの行動、その両方だ。今そのための機会とプラットホームが与えられたのも、あの本のおかげだ”。

昨年の4月以来Vanceは、Peter ThielのVC企業Mithril Capital Management LLCでプリンシパルを務めた。Revolutionのパートナーになりサンフランシスコから故郷のオハイオに戻った今も、同じ役職だ。

Caseは語る: “J.D.とは、本が出た直後の6か月前に知り合った。彼はオハイオで育ち、その後各地を転々として最近はシリコンバレーに落ち着き、それからコロンバスに戻った。そこの地域社会を助ける仕事をしたい、と思ったからだ。彼はうちのイニシアチブにぴったりの人物だし、だから仲間になってもらった”。

Vanceの最初の仕事はRise of the Restの認知度を高めることだ。そしてその後徐々に投資の仕事も手掛ける。そのためにはまず、現在VC資金の80%近くの行き先であるカリフォルニアやニューヨーク、マサチューセツ以外の、スタートアップへの認知と関心を高めることが必要だ。

“シリコンバレーの投資家の多くは、自分の車を運転して来る者以外は投資に値しない、と見なしている”、とCaseは述べる。

でもこの前の選挙の打撃と衝撃のトラウマが、一部の投資家たちに新しい自覚を促しているようだ。彼らも西海岸の青の州〔民主党寄り〕の多くと同様に、Vanceの本などから、11月の選挙で決定的な役を果たした中部の、民主党政権に失望している人びとについて、理解を持つようになった。Washington PostはVanceを“ラストベルトの声”と呼び、New Republicはもっと地味に、 “リベラルメディアお気に入りの貧乏白人解説者”、とタイトルしている。

急に著名人になったVanceだが、まだワシントンからのお呼びはないそうだ。“政府の人からのアプローチはない。問題解決にはもちろん政策も必要だが、でも本当に重要なのはプライベートセクター(民間部門)の要素だ”、と彼は言う。

両方の掛け持ちは困難だ。Vanceが全国的に有名になった時期は、Thielが投資家から激しい政治マニアに変身した時期と一致している。6月の共和党全国大会におけるスピーチがその変化を決定づけ、そして最後に彼は、トランプの政権移行チームに加わった。

Vanceは、Mithrilの協同ファウンダー〔Thiel〕について語るときも、政治には深入りしない。“Peterは友だちだし、ぼくは彼の大ファンだ。でも彼とトランプ政権との関係の部分は、ぼくにとって遠い世界だ。本当はどんな仲なのか、よく分からないけど、彼自身が宣伝している部分は、良いと思うね”、とVanceは語る。

Vanceによると、今現在はRise of the Restにかかりっきりだ。数週間後に同社は、DCでサミットを開催し、彼がキーノートを担当する。“目的は、Rise of the Restを本格的に離陸させることだ”、と彼は述べる。“すでにSteveたちとトロッコを押し始めているけど、本格的に走りだすためにはメディアの協力も必要だ。今やろうとしていることが、全国的に知れ渡るようにすることが、ぼくの重責のひとつだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))