知財の可視化、活用を目指すゴールドアイピーが1億2800万円を調達

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法律というと難しいイメージがあるが、どの企業にとって知的財産を守ることは重要な課題だろう。ゴールドアイピーはそうした知的財産に関連する課題を解決しようとしているスタートアップだ。3月21日、ゴールドアイピーは総額1億2800万円の第三者割当増資を実施した。引受先は未来創生ファンド、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、三生キャピタルだ。

「日本には優れた技術が多くありますが、知的財産を有効活用できていません」とゴールドアイピーの取締役社長を務める白坂一氏は説明する。ゴールドアイピーが目指すのは、「日本発のイノベーションを世界に届ける」ことで、そのためにいくつかのサービスを展開している。最も注力しているのは、知的財産の特許を取得をサポートする「IP Direct」と取得した特許を有効活用するための「IP Cognitive」だ。

「IP Direct」は日本企業が海外での特許出願をサポートするサービスだ。海外で特許を取得する場合、海外の現地法律事務所に特許出願を依頼するが、言語や手間の問題から日本の法律事務所を介して海外の法律事務所に特許出願を依頼することが多かった。日本の法律事務所を通す分それだけコストもかかる。大企業ならまだしも、スタートアップや中小企業がこの方式で特許を取得するのは難しい。IP Directはこの問題を解決するため、特許を出願したい企業と世界中の弁護士や弁理士をつなぐ。ゴールドアイピーは国際法律事務所のDLA Piperをはじめ、複数の弁護士事務所と提携していて、利用企業は適任の弁護士や弁理士を選んで特許出願を依頼できる。また、弁護士や弁理士とのやりとりにもIP Directの専任のコンシェルジュが翻訳などでサポートし、この一連のやりとりはIP Directの専用コミュニケーションツールを使用するという。初期費用は5万円で、別途弁護士や弁理士への依頼費用がかかる。

一方、「IP Cognitive」は知的財産の可視化と人工知能の解析により、知的財産の活用を促進するサービスだ。特許の活用と言うと自社の特許を侵害している企業を見つけて訴えるといったユースケースが思い浮かぶが、それ以外にも知的財産を活用することができると白坂氏は説明する。例えば、開発したものの使っていない技術の特許を取得していれば、それを欲しがっている会社に売却したり、ライセンス提供したりすることができる。ゴールドアイピーは企業の知的財産の取得から可視化、収益化までサポートしたい考えだ。

今回調達した資金ではプロダクト開発やプロモーションに充て、各サービスを広めていく計画だと白坂氏は話す。

白坂一氏はゴールドアイピーを2015年9月に設立した。白坂氏は防衛大学校を卒業後、横浜国立大学院で人工知能による画像解析を学んだ。その後富士フイルムの知的財産本部に8年務め、弁理士資格を取得している。2011年に白坂国際特許事務所(現特許業務法人白坂)を開設した。