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軍事用ロボット企業のRoboteamが、1万体の精鋭ロボットを家庭に送り込む

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この瞬間にも、遠く離れた深圳の工場で、あるいはイスラエルの製造工場で、もしくはメリーランド州ゲイサーズバーグにある施設でも、イスラエルの小さな会社によってこの11月に世界へのリリースが目指されている1万体のロボットのうちの1体が、誰かによって組み立てられていることだろう。

テルアビブを拠点とする企業Roboteamは、既に世界中の軍隊に対して、何百万台もの大量のロボットを売っている。そんな彼らが現在狙っているのは消費者市場だ。

しかし、その運搬用、偵察用、もしくは爆弾除去用ロボットたちとは異なり、今度の新しいロボトッたちは、おばあちゃんがお茶やクッキー(や池の向こうに住む人達のパン)を運ぶことをお手伝いすることを目指してデザインされるものだ。

同社は実際に、Fenghe Investmentグループや同グループの有名な共同創業者John Wu(AlibabaのCTOとなった元ベンチャーキャピタリスト)などから5000万ドルを調達している。同グループの共同創業者でCIO(主任投資責任者)であるAMatt Huも、個人的に同社に投資している。

これは、同社による(真の意味でハードコアな)軍事用ロボットから、(同社の創業者であるYossi Wolfの言う)商業的に成功する製品への転換の大きな希望を賭けて、家庭向け市場に成功裏に参入するための最初の製品としての期待を担ったものだ。

「Roboteam defenseは、おそらく戦術ロボットの世界一のプロバイダーです」と、Wolfは同社の現在のビジネスについて述べている。「私たちは、ペンタゴンと協調している唯一のイスラエル発スタートアップです。これまでに1億ドル以上の収益を挙げ、現在数千台のシステムが稼働し、現在世界中で10億ドルの大規模プロジェクトを完遂中です」。

同社が現在製造しているのは以下のようなものだ。

Wolfが、彼と共同創業者であるIlad Levyが7年前に創業した同社の次の事業の柱について語るとき、強調したのは現在の製品である戦闘ロボットとは関連のないものになるということだ。

その代わりに彼は、宇宙家族ジェットソンのロージーのようなロボットを描いてみせた(ただし不格好ではない)。「7年前、私は大好きな祖母を訪ねました。彼女がお茶やクッキーを運ぼうとするのを見たとき、彼女は震えていました…私は高齢者を支援するためのサービスを提供できると考えています」。

イスラエル空軍の特殊部隊の経験豊富なベテランである彼は、現在量産されている他のロボットアシスタントたちを鼻で笑うように論じた。彼によれば、それらは家庭内での有益なユースケースを実際に見つけられないままのおもちゃにすぎない。

消費者向け子会社から販売が予定されている、新しいロボットのデザインやブランドに関して、Roboteamは固く口を閉ざしているが、私はWolfからなんとか幾つかの詳細を聞き出すことができた。

ロボットは、対話用10インチディスプレイを備えて、約3フィートの高さを持つ。重さは約22ポンドで、決して軽量ではないものの、運搬は大変ではない。40個のセンサーを装備して自律的に動作し、物を運ぶためのトレイを装備している。

私が、それは対話型ディスプレイとスマートホーム接続機能を持ったとてもファンシーなサイドテーブルのように聞こえるといったところ、Wolfは「でもセクシーだ!」と応えた。

これらのロボットの出荷に向けて、Roboteamはそれらをクリスマスに間に合うように家庭に届けるための、整然とした市場参入戦略を練っている。

テクノロジーに関心の高い、ニューヨーク、ロサンゼルス、そしてボストンといった都市にポップアップショップ(短期間オープンしてすぐになくなる店舗)を展開し、最初の1万体を売り込む同時進行のキャンペーンを仕掛ける。会社がやらないことの1つとしてWolfが挙げたのは、KickstarterのプロモーションやIndiegogoのキャンペーンだ。

「事前に発売して、実際の出荷には失敗してしまうKickstarterのモデルは決して採用するつもりはありません」とWolf。「私たちは出荷までを込みで投資を行い、1万体を出荷可能な状態にしてローンチする計画です。準備が整わない状態でローンチは行いません」。

Wolfにとって、新しい製品は、複数の最高の技術を結集したものだ。「AlexaとGoogle Homeを一緒にして、Facetimeのビデオ体験とWhatsApp、そして素晴らしい移動性を兼ね備えたものになります」と彼はピッチの中で述べている。「それは動き、それは話し、それは聞くことができます。あなたを理解することができるのです」。

2002年のiRobotのルンバの発売以来、家庭内ロボットのアイデアは、多くの人々の想像力 によって、SF小説から日々の現実へと旅を続けて来た。家庭内のロージーロボットのアイデアはただの空想の産物ではない。沢山の可能性をもたらすものだ。問題は、誰も彼らをどう扱うべきかを知らないように見えることだ。

私は放置されたPepperにぞっとさせられたし、Jiboのようなものは擬人化されているものの、ハブとしては焦点がボケているように見える(Amazon EchoとGoogle Homeはどちらもより実用的で、家庭内での子供たちとの関係作りにはあまり熱心ではない)。Beamはミーティング用のツールとして利用されているが、馬鹿げたものとしか思えない(インタビューを受けている最中、それを押しやって壁に向けてしまいたい衝動と戦わなければならなかった)。そしてWall-Eに似たAsusのZenboだが、役に立つとは言えない(よくデザインされた移動式Jiboというところだ)。

ベンチャーキャピタルたちが喜んでロボット市場に投入しようとしいている金額から目を背けることはできない。Crunchbaseのデータによれば、過去3年間における、産業用ならびに個人用ロボット企業への急騰した関心によって、市場はヒートアップしている。ベンチャーファームたちは2015年と2016年に記録的な額を投入している。Crunchbaseのデータによれば2014の4億5000万ドルから、それぞれの年が9億ドルずつに迫るものに増えているのだ。

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: YAGI STUDIO/GETTY IMAGES