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Facebook上の動画の5分の1がライブ動画に―、問題を抱えつつも前進を続けるFacebook Live

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多くの人は、まだ何をライブ配信すれば良いのかわかっておらず、中にはいかがわしい内容や犯罪関連の動画を公開している人もいるが、Facebookはこの度、同プラットフォーム上で公開されている動画のうち、ライブ動画の割合が5分の1に達したと発表した。さらに、ライブ動画の視聴時間も前年比で4倍に伸びたと、動画部門のトップであるFidji Simoは記している

このニュースから、”Live”という単語を自社のものにしようとしているFacebookの努力が報われ始めていることが分かる。

ライブ動画配信は、2015年に予測されていたほど爆発的には成長しなかった。当時は、Meerkatがライブ動画市場を再燃させ、TwitterがPeriscopeを買収し、Facebookもライブ機能のテストを始めており、ライブ動画に大きな関心が寄せられていた。そして現在、利用者数の増加はそこそこという程度で、1億ドルもの広告料を配信者に支払い、巨大なオフライン広告キャンペーンまで展開しながらも、暴力的な内容の動画に関連した問題が発生する中、Facebook Liveをいち早くローンチすることに全力を注ぐという、Mark Zuckerbergの決断に疑いの目を向けている人もいる。

しかし当時のFacebookは、ライブ動画市場の様子をただ指をくわえて見ることによるリスクが大きすぎると判断したのだ。同社は、ライブ動画配信が普及し、人々が何かを配信しようとしたときに、1番に思い浮かべるようなツールになるべく、”Live”という動詞を自分たちのものにしようと動き始めた。

ソーシャルサービスの生死はネットワーク効果にかかっており、最初に上手く新しい機能を導入した企業が、雪だるま式にトラクションを集めることができるようになっている。

例えば、Snapchatがストーリー機能の絶対的な存在となる様子を、Facebookはただ眺めることしかできなかった。その後Snapchatの買収を試みるも、低すぎるとされた提示額のせいで上手くいかず、ストーリー機能の導入に乗り遅れたFacebookは、現在必死に追いつこうとしている。

2015年2月のMeerkatのローンチにメディアが飛びついた後、TwitterがPeriscopeの買収を決めたとき、Facebookは消費者が結婚式やパーティー、スポーツイベント、衝撃的な瞬間を”Periscopeする”という悪夢のような未来を想像した。規模ではTwitterに大きく水をあけたFacebookだが、モバイル動画でのTwitterのカムバックは絶対的に阻止したかったのだ。さらに同社は、Snapchatが”クールな”動画配信で支配的な立場に立つことも防ぎたかった。

結果的にFacebookは急ピッチで開発を進め、2015年8月に有名人を対象にライブ機能のテスト版をローンチした後、翌年1月にはアメリカのiPhoneユーザーに同機能を公開した。The Wall Street Journalによれば、ローンチから間もなく、Facebookは衝撃的なデータを目にする。なんとライブ機能のユーザーの75%は、高校生と大学生だったのだ。つまり、ライブ機能によって、Facebookは若年層のユーザーを獲得し、Snapchatに遅れをとっていたオリジナル・コンテンツの共有サービスを拡大するチャンスを得たのだ。

Mark Zuckerbergは社内のリソースをライブ機能へ投入することを決め、全てのユーザーに同機能を公開すべく、Facebookは社員100人以上を使ってライブ機能の開発にあたった。さらに同社は、国内外のビルボードやバス停、テレビCMでライブ機能の使い方を説明する広告を掲載し、さらに”Live”という単語へのグリップを強めていった。

当時Facebookは、議論を呼びそうなコンテンツによって問題が生まれる可能性を認識していたが、その程度については過小評価していた。これまでに、本来はブロックされるべき暴力事件や自殺の様子が、何十回もライブ配信されてしまっている一方、Philando Castileの銃殺事件など、報道価値のある動画が誤ってブロックされてしまうという事態も起きている。

しかしFacebookは、同社のプラットフォームがライブ動画配信の中心地となれば、コンテンツの質や安全性に関する問題はそのうち解決できるはずだと考えているようだ。ここから、「素早く動いてぶっ壊せ」という、最近Facebookが距離を置こうとしている価値観が未だ健在だとわかる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter