歴史
Apple I

シアトルのミュージアムでスティーブ・ジョブズの特製Apple Iその他の歴史的マシンを見て触れよう

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iPhoneどころかMacよりもずっと前の話。Appleはパーソナルコンピューターのアイデアを真剣に考え始めたばかりの業界の中で、働く一握りの人びとたちだった。そうした黎明期のさらに最初期に、スティーブ・ウォズニアックとジョブズは最初のデバイスを一緒に作った。Apple Iだ。販売された台数は少なく、現在でも生きているものはさらに少ない。しかしシアトルのLiving Computers museumは、苦労して3台を蒐集することができた。そしてそのうちの1台はジョブズの個人所有のマシンだったものだ。

ミュージアムの創設者で出資者でもあるポール・アレンが、Appleの歴史的デバイスの非常に印象的なコレクションを作り上げた。またその蒐集品の多くが動作するように整備されている。訪問者は初期のMacと同様にNeXT Cubeも触ることができるが、コレクションの最も楽しい目玉はやはりApple Iたちだろう。

AppleとMicrosoftが企業と成長する過程でみられた協力と競争に焦点を当てた新しい展示も本日(米国時間17日)公開された。

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あまり良く覚えていない人もいるだろうが、Apple Iはそれほどヒットしたわけではなかった。わずか200台が製造され — それも手で — そして、遥かに人気の出ることになるApple IIに会社の希望が託されるのに、それほど時間はかからなかった。それでも、蒐集されたApple Iのうちの1台は、ジョブズが業界の人びとにデモを行うためにオフィスに置いていたものだ。

ジョブズが1985年にAppleを去ったとき、急いでいた彼はこのIを棚に置いたまま立ち去ったのだ。同社の最初の従業員の1人だったDon Hutmacherがこれを回収して、昨年死去するまでずっと手元に置いておいた。彼の妻が寛大にもミュージアムにそのマシンを託すことにしたのだ。ミュージアム側の感謝はどれほどのものだったろうか。

チームは最初不審も抱いていたものの、金属ケースの内側のタグに — そしてボードとして売られていたApple Iにケースがあるというまさにその点が — そのマシンが単なる珍しいApple I以上のものであることを示唆していた。実際それは最も珍しいものだった。従業員番号1番だったBill Fernandezのサイン”BF”が書かれていたのだ。これによって、チームも、これがジョブズの特別マシンだったと結論付けた。

Apple IはROMを持っておらず、そしてジョブズはだれかがその動作を見たいと望んだときに、ゼロからプログラミングを行いたくはなかったので、彼はこのマシンにEPROMを装着し、起動されるとBASICでコンピューターを初期化するようにしていた。エンジニアリングチームはまた、デモ中のクラッシュを防ぐためにRAMも拡張されていたのではないかと考えている。

ミュージアムのチームは、このEPROMの内容を読み出し、2台目のApple Iのセットアップに利用した。このマシンは発火の危険や、基盤の曲がりを少々起こりにくくするために、電源コンポーネントが変更されているが、現在誰でも触って楽しめるような状態になっている。そう誰でもだ。現在地球上で使うことのできるただ1台のApple Iである。そして子供たちが通りの向こうのサンドイッチでベトベトになった指で”butts”(ケツ)とタイプすることだってできる。

しかし、それこそがミュージアムのミッションなのだ。Altairsから60年代のメインフレームまでが含まれた、他の多数の古いコンピューターたちと共に、Apple Iはそこに意図的に触れられるように置かれている。真の理解はできないまでも(現在BASICを知っている子供は少ない)、少なくとも体験することはできる。

展示の公開に先立ち、Apple、Microsoft、その他の家庭用コンピューターで働いていた少数の人びとによるささやかな同窓会が開催された。驚くべきことに、スティーブ・ウォスニアックとポール・アレンが会ったのはこれが初めてだったが、彼らはApple IIについて語り合っていた。そしてやがて誰からともなくその場に、Apple Iをスティーブ・ジョブズのガレージで組み立てたオリジナルメンバーの全員が — 旅立ったスティーブを除いて — 何十年かぶりに揃っていることに気が付いた。

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ミュージアムはまた、ワシントン大学と一緒に、この時代のコンピューティングとApple Iの創造に関わった人びとに関する口伝の編集を行っている。

展示は公開されている。気軽にミュージアムに立ち寄ってコンピューティングの歴史の一端に触れてみて欲しい。なおBASICのおさらいをしておいた方が楽しめると思う。

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(翻訳:Sako)