Microsoft、IoT Centralをスタート―企業向けフル機能のクラウドIoTサービス

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今日(米国時間4/20)、MicrosoftはIoT Centralをオープンした。これは企業向けにInternet of Things〔モノのインターネット〕を実現するクラウド・ベースの新しいサービスだ。企業はIoTに関する専門的知識を持った人材やハードウェアを社内に準備することなしに、IoTを組み込んだシステムを構築、運用することができる。基本的にIoT-as-a-Serviceといってよいだろう。

これに伴いMicrosoftは企業IoTにAzure Stream Analyticsを導入し、IoTデバイスからのデータ取得の効率を高めるとしている。このアナリティクスには時系列データを扱うことに最適化されたまったく新しい機能が組み込まれている。

今回発表されたもっとも重要なサービスはIoT CentralとAzure Time Series Insightsの一連のツールだ。MicrosoftのIoT事業のディレクター、 Sam Georgeは私のインタビューに答えて、「この新サービスの趣旨は多数の新しい機能を提供することによって既存のAzure IoT Suiteを大幅に強化することだ」と述べた。多くの企業にとって IoTの組み込みは同業ライバルとの差別化を図る上で有力な手法だ。しかしそのためには大量の専門的能力を必要とする。Georgeによれば「IoTは有力な差別化の手段だが、同時に、多くのビジネス分野でIoTを実現するために特別な能力を必要とすることも判明した」とGeorgeは言う。

企業がIoTソリューションを実現することを助けるのがIoT Centralの役割だ。「このサービスを利用するカスタマー企業はクラウドに関する特別な知識、スキルは一切必要ない。IoT CentralはMicrosoftが100%責任を持って運営する。IoTを導入、運用するために必要なITインフラはそっくりMicrosoftが提供する。企業は目的とするビジネスから得られたデータを解析するだけよい」という。また多数のビジネス分野向けに事前に構築された標準パッケージも用意されている。

ただしユーザー企業はデータのストレージ、解析エンジンをMicrosoftに依存せざるを得ない。これは企業側の柔軟性を失わせるという副作用をもたらすかもしれない。

時系列データを解析するAzure Time Series Insightsは現在プレビュー版で提供される。このサービスは簡単にいえばMicrosoftが提供する新しいデータベースだ。Microsoftはこのテクノロジーをずっと以前からAzureへアクセス・ログを記録するのに用いていた(つまりこのシステムは毎日数十億のイベントを処理してきた)。さまざまな例外はあるものの、IoTデータは基本的に時系列で得られる場合が多い。Time Series Insightsは分析、視覚化、対話性等がすべて時系列データの処理に最適化されており、何らかの異常を発見する能力も優れているという。既存のソフトウェアに接続するためのAPIもデベロッパーに対して提供される。

Microsoftが発表したもう一つのサービス、Azure Stream Analyticsはさまざまなエッジデバイス〔データのエントリーポイントとなる機器〕上で作動する。つまりこれらのデバイスはそれ自身でリアルタイム・アナリティクスを実行可能で、得られたデータをすべてAzureサーバーに送信する必要がない。クラウド・ソリューションは何百万ものデバイスのデータを解析する必要があるが、個々のデバイスが得るデータのすべてが重要であるというわけではない。またRaspberry Piのような小さなコンピューターでもAzure Stream Analyticsをローカルで実行する能力を十分に備えている。そのためインターネットインターネット接続が不安定な状況でもエッジデバイスから信頼性のあるデータ取得が可能となる。

Georgeによれば、MicrosoftはIoTは今後さらに成熟したテクノロジーとなり、ますます多くの有用な情報がエッジデバイスとの間でやり取りされるようになると考えている。Stream
Analyticsはこの方向に向けてのMicrosoftの第一歩だという。

もちろんMicrosoftはIoTクラウド分野での唯一のプレイヤーではない。 しかし企業がIoTを導入する際、GoogleやAWSのようなライバルと比較してMicrosoftの方がはるかに助けになるとGeorgeは考えている。「現在さまざななビジネス分野を横断してこれら3つの超巨大クラウドが存在する。しかしその中でオンプレミスのITに対する緊密なサポートも含めてIoTに特化したサービスを提供しようとしているのはAzureクラウドだけだ。これはライバルと比較して重要な差別化要因だと思う」とGeorgeは述べた。

画像: NicoElNino/Getty Images

〔日本版〕下のビデオはMicrosoftによるIoT Central紹介

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+