アーティストへの適正なロイヤリティ支払いのため、Spotifyがブロックチェーン開発のMediachainを買収

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Spotifyはブルックリンに拠点を置くブロックチェーン・スタートアップMediachain Labs買収した。Mediachain Labsのチームは、Spotifyのニューヨークオフィスに入居し、Spotifyが提供する楽曲とそのアーティストおよび楽曲の権利者とを紐付けるテクノロジーの開発を進める。このスタートアップは、以前よりこの用途に活用できる技術をいくつか開発してきた。分散化したピアツーピアのデータベースでアプリと各メディア、情報を紐付けるサービスやクリエイターのための権利帰属エンジン、クリエイターに作品の使用料が渡るようにするための仮想通貨などを提供している。

端的にいうと、このスタートアップは権利関係の問題を解決するためにブロックチェーン技術を活用したサービスを開発している。

Spotifyはこの分野で助けが必要だ。Spotifyは昨年、適切なライセンスを得ていないとして、アメリカの全米音楽出版社協会(NMPA)との未払いのロイヤリティに関わる訴訟に直面した。

The New York Timesの報道によると、NMPAは、Spotifyが配信している楽曲の多くでメカニカル・ライセンス(著作権者が持つ楽曲を配信する権利を指す)を取得してないと主張した。NMPAはこれは他のストリーミングサービスにも影響があるだろうと説明し、現状ストリーミング・プラットフォームでの音楽配信における25%でライセンス取得がなされていないと推定している。

Spotifyは和解のため、出版社協会に2000万ドル、さらに罰金として500万ドルを支払った。この和解が成立したおかげで、Spotifyは他の集団訴訟を避けることができたが、業界全体における課題は残ったままだった。

Spotifyはライセンスを主張する者の中で誰の主張が正しいかを判断し、著作権者を特定するために必要なデータを持ち合わせていないためにロイヤリティを支払えていなかったと説明している。全ての楽曲の著作権を網羅するような信頼できるデータベースが欠けているという。その状況はクリエイターから訴訟を起こされる可能性が高く、クリエイターに適正な報酬を支払うのに適した状態ではないだろう。

Mediachainと協力することで、Spotifyはこれを解決できるソリューションを構築したい考えだ。ただ、楽曲のライツ情報を集約した1つのデータベースを構築するのではなく、分散型のデータベースを構築するつもりのようだ。

Mediachainはブログ投稿で、権利帰属の問題を解決するのは、「データレイヤーの共有」にあるとし、「これは権利帰属の課題、そしてクリエイターとライツ保有者を支援し、オンライン上のクリエイティブにおける効率的で持続可能なモデルを構築する鍵」としている。

Mediachainのチームには音楽業界の経験者もいる。Mediachainは投稿で、 同社のCTOを務めるArkadiy Kukarkinは、音楽キュレーション・アグリゲーターHype Machineの初のエンジニアだったと説明している。また、Mediachain Labsを創業する前、同社の共同ファウンダーJesse Waldenは、アーティストのマネジメント会社を共同創業し、Solange Knowles、Blood Orange、Majical Cloudzといったアーティストと仕事をした経験がある。

MediachainはSpotifyの移行する段階で、これまで開発したテクノロジーはオープンソース化する予定だという。

買収価格は公開されていない。 CrunchBaseのデータから、Mediachainはこれまでに Andreessen Horowitz、Union Square Venturesをはじめとする投資家から150万ドルを調達している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website